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   <title>判例 検索 無料 士業 アントレプレナー支援サイト</title>
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   <subtitle>無料 判例 検索 士業 アントレプレナー支援サイトでは、税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士をIT分野とデジタル判例集で支援します。アントレプレナー 起業家に労働判例、行政行政を無料公開中</subtitle>
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   <title>H15. 2.28 名古屋地裁 平成14(行ウ)61 農地転用許可処分の無効等確認請求事件 </title>
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   <published>2008-12-11T08:09:29Z</published>
   <updated>2008-12-11T08:10:58Z</updated>
   
   <summary>H15. 2.28 名古屋地裁 平成14(行ウ)61 農地転用許可処分の無効等確認請求事件
　主文： １　本件訴えをいずれも却下する。
２　訴訟費用は原告の負担とする。</summary>
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      <name>管理者</name>
      
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      H15. 2.28 名古屋地裁 平成14(行ウ)61 農地転用許可処分の無効等確認請求事件

　主文
１　本件訴えをいずれも却下する。
２　訴訟費用は原告の負担とする。
　事実及び理由
第１　請求
１　被告豊田市長が，平成１４年４月１日付けで公告した，次の農用地区域除外処分がいずれも無効であることを確認する。
（１）　Ａに対する別紙物件目録１記載の土地についての処分
（２）　Ｂに対する同目録２記載の土地についての処分
（３）　Ｃに対する同目録３，４記載の各土地についての処分
２　被告愛知県知事が，平成１４年８月２７日付けでした，次の農地転用目的譲渡許可処分がいずれも無効であることを確認する。
（１）　Ａ外に対する別紙物件目録１記載の土地についての処分
（２）　Ｂ外に対する同目録２記載の土地についての処分
（３）　Ｃ外に対する同目録３，４記載の各土地についての処分
第２　事案の概要
　本件は，前記のとおり，被告豊田市が，別紙物件目録１ないし４記載の各土地（以下，総称して「本件土地」という。）につき，農業振興地域の整備に関する法律（以下「農振法」という。）１３条１，２項に基づく農用地区域除外処分（以下「本件除外処分」という。）を行い，次いで，被告愛知県知事が，本件土地について，農地法５条に基づく農地転用目的譲渡許可処分（以下「本件許可処分」といい，本件除外処分と併せて「本件各処分」という。）を行ったことに対し，本件土地の隣接地に居住し，農業に従事する原告が，本件除外処分は農振法１３条２項等の要件に，本件許可処分は農地法５条２項等の要件にそれぞれ違反し，裁量権の範囲を逸脱，濫用した違法なものであると主張して，それらが無効であることの確認を求めた抗告訴訟である。
１　前提事実（争いのない事実及び証拠によって容易に認定できる事実等）
（１）　当事者について
ア　原告は，豊田市α１９３番地３に居住し，これと一団を成す同所１９３番地２の農地外において，農業に従事している。
イ　豊田市は，農振法１３条１，２項に基づく農用地区域除外処分を行う権限を，被告愛知県知事は，農地法５条に基づく農地転用目的譲渡許可処分を行う権限をそれぞれ有している。
（２）　本件各処分について
ア　Ａ，Ｂ及びＣは，豊田市施行に係る市道γ線・市道δ線（都市計画道路ε線）改良事業により，いずれも現居住地が収用の対象となったため，代替地を探していたが，適地を容易に見つけることができなかった。
　そのため，豊田市役所街路課は，当時，農用地区域内にあり，原告所有地である豊田市α１９３番地２に隣接するＤ外２名の共有に係る別紙物件目録１ないし３記載の各土地（当時は１筆）と，Ｅ所有に係る同目録４記載の土地をあっせんしたところ，関係者の間で譲渡することについて合意が得られる見込みとなった。
　そこで，上記Ａら３名は，平成１３年１２月７日，豊田市長あてに，本件土地上に住宅を建築することを事業計画とする「農用地利用計画変更（除外）申出書」を提出した（乙ロ１ないし３）ところ，豊田市は，本件除外処分を行い，平成１４年４月１日付けで公告した。
イ　次いで，前記Ａら３名とＤら４名は，平成１４年６月３日，本件土地について，農地法５条に基づく許可を得るべく，被告愛知県知事あての「農地法第５条の規定による許可申請書」を豊田市農業委員会に提出した。
　これに対して，原告は，同月１２日，上記委員会会長あてに，隣地である本件土地上に住宅３戸が建設されることにより，農業生産に支障を生ずることなどを理由として，農地転用を差し止めるよう求める要望書を提出し，同月１７日，被告豊田市長にも，同旨の陳情書を提出したが，前者からは，農地転用によって隣接農地への重大な影響は予測できない旨の，後者からは，前者からの回答により理解されたい旨の各回答がなされた（甲４）。
　上記委員会から進達を受けた愛知県農政課は，審査の結果，上記申請を相当と認め，愛知県農業会議の諮問を経て，平成１４年８月２７日，被告愛知県知事名で，本件許可処分を行った（乙イ１の１及び２，２の１ないし３）。
（３）　不服申立てについて
　原告は，平成１４年７月１０日，被告愛知県知事に対し，本件除外処分については審査請求を，本件許可処分については異議申立て及び執行停止の申立てをしたが，被告愛知県知事は，同年８月２６日，いずれも却下するとの裁決及び決定を行い，原告に通知した（甲４，５）。
２　争点及びこれに対する当事者の主張
（１）　争点１－本件除外処分は行政処分性を有するか。また，無効確認の訴えの要件を満たすか。
（被告豊田市長の主張）
　農業振興地域整備計画の変更（農振法１３条）は，法の定める目的，要件，法定手続からみて，同計画の設定（同法８条）と同じ性質の行政行為である。そして，その決定は，市町村長において，国土の合理的利用の見地から，地域の農業上の利用と高度化の要否等を判断基準としてなされるものであるが，農業関連土地について，用途指定又はその解除を策定する行為であり，特定の個人を名あて人とするものではなく，それ自体として国民ないし私人の権利義務に直接影響を与えるものではない。したがって，本件除外処分は，行政処分に該当せず，行政事件訴訟法（以下「行訴法」という。）３６条による無効確認訴訟の対象とならないので，本訴は訴訟要件を欠く。
　また，原告は，本件土地の隣接地を所有し，あるいは農業の利用に供しているとしても，被告愛知県知事に対して，本件除外処分の後になされた本件許可処分の無効確認をも求めているところ，これは行訴法３６条にいう「現在の法律関係に関する訴え」に該当し，かつ，この訴えによって原告主張の目的を達することができるから，本件除外処分の無効確認を求める訴えは，過去の法律関係に関する訴えとして，許容されるものではない。
（原告の主張）
　被告豊田市長の主張は争う。
（２）　争点２－本件許可処分の無効確認を求める訴えにつき，原告が原告適格を有するか。
（被告愛知県知事の主張）
　処分の無効確認を求めることができる者は，行訴法３６条に規定するとおり，当該処分の無効確認を求めるにつき，法律上の利益を有する者であることを要するところ，以下のとおり，原告は，この法律上の利益を有せず，原告適格を有しない。
　すなわち，本件で原告が主張する不利益とは，①原告の住居・牛舎の隣地である本件土地上に住宅が建設されれば，原告の農業経営の安定，拡大が阻害される，②本件土地は，原告が２０年間にわたり，所有者から借り受けて耕作していたが，本件各処分によって，原告は，この耕作権を喪失することとなった上，住宅建築による日照権の侵害，埋立てにより既存排水路が遮断されることに伴う周辺農地への排水不良，畜産経営に対する苦情の発生などの不利益を被る，③本件各処分は，耕作地を減少させるものであるから，経営規模の縮小をもたらすものであり，原告の農業経営の維持を困難とするおそれがある，というものである。
　しかしながら，①住宅が建築されることによって必然的にその隣地農業従事者の畜産や果樹栽培に悪影響を与えるものではなく，原告の主張によっても，牛舎の臭いが隣地に及んだり，果樹への農薬が隣地の洗濯物に飛散することによって隣人から苦情を受けるおそれがあり，これが重なれば，原告の畜産や果樹栽培がやりにくくなるというにすぎず，その不利益は抽象的かつ可能性の極めて低いものであるから，これをもって上記法律上の利益とはいえない。次に，②農地法３条１項によれば，農地を賃貸借するには農業委員会の許可を要するところ，原告は許可を得ていないので，本件土地の耕作権を有しておらず，したがって，その喪失ということもあり得ないし，日照権侵害等の被害も，本件各処分によって直接もたらされる法律上の効果とはいえない。また，③農地法や農振法の目的は，「耕作者の地位の安定と農業生産力の増進とを図」り，「農業の健全な発展を図るとともに，国土資源の合理的な利用に寄与する」ことにあり，その運用によって，原告の農業経営の安定，拡大が図られることが結果的にあり得るとしても，それはあくまで反射的な利益にすぎないから，これをもって法律上保護された利益とはいえない。
（原告の主張）
　原告は，本件土地に隣接して居住し，農用地区域内で，農業後継者と共に遊休農地等の保全と活用を積極的に進め，有畜農業経営の規模拡大と経営の安定を目指しているところ，本件各処分によって，牛舎に隣接して住宅が３戸も建築されることにより，牛の鳴き声や臭気を理由とする苦情を発生せしめ，原告の農業経営に対する支障となる。
　また，原告は，２０年間にわたって本件土地を賃借し，耕作を続けていたにもかかわらず，本件各処分によって耕作権を喪失し，更には日照権の侵害，埋立てによる既存排水路の遮断，これに伴う周辺農地への排水不良，畜産経営に対する苦情発生などの不利益を被り，法律的救済によらねば保護されないこととなった。そして，農用地区域が行政の便宜主義によって宅地化されていく現状を放置すれば，原告の耕作権の喪失は拡大し，経営規模の縮小によって農業経営の維持が困難になる。これらは，農地法，農振法によって法律上保護された利益であるので，原告は，本件訴えにつき原告適格を有する。
（３）　争点３－本件各処分の違法性の有無
（原告の主張）
ア　前記Ａら３名の居住地は，いずれも住宅地であるから，農用地区域の農地である本件土地に一般住宅を建築することは，土地収用法４条，農地法４条２項に違反している。
イ　本件除外処分は，次のとおり，農振法１３条２項１ないし３号の要件を満たさず，また，同法１５条の１５第４項１ないし３号の制限を無視するもので違法である。
（ア）　一般住宅を農用地区域内に建築することは，農地法４条の制限を受けるから，同法１３条２項１号所定の「必要かつ適当」な場合とは認められない。さらに，Ａらの居住する区域内であるβ，ζにおいて，住宅建設用地としての区画整理事業が実施されており，この区域内で代替地を求めることが容易であるので，他「の土地をもって代えることが困難であると認められ」ない。
（イ）　本件土地は，農用地区域の中央部に位置し，住宅建設によって同項２号所定の「農用地の集団化」は分断化される。そして，１メートルにも及ぶ埋立てのためのコンクリート壁を構築することは，土地基盤整備の効率性から必要な地形的連続性を遮断するもので，農作業の効率化に大きな障害となることは明らかである。また，隣地に２階建て住宅が３戸建築されることにより，野菜や果樹の生産に日照不足による悪影響が生じたり，従来どおりの薬剤散布の実施や，トラクター，防除機，大型草刈機などを早朝や休日に稼動させることが困難になったり，牛の鳴き声などを理由とする苦情が原因となって対立が生ずるなど，非農業的土地利用との混在による農業的土地利用への支障が生ずる。
（ウ）　本件処分によって，既存の排水路２本のうち１本が埋め立てられ，１メートルに及ぶコンクリート壁の設置によって，排水入口は完全に遮断された。さらに，従前の排水路の幅は半減し，排水機能に著しい障害を招いている。この結果，雨水は農地に滞留し，作物生産に大きな支障をもたらしている。したがって，除外前と同様の機能が確保されておらず，同項３号所定の「機能に支障を及ぼすおそれがないと認められ」ない。
ウ　本件許可処分は，次のとおり，農地法４条２項１のイ，５条２項３，４号の許可基準に違反し，違法である。
　平成１０年１１月１日施行の農地法の一部改正によって，農地転用許可基準の明確化が図られているところ，これに伴う通達は，許可基準の概要として，①転用許可申請に係る農用地区域内にある農地や，集団的に存在するなど良好な営農条件を備えている農地については，原則として許可できないこと，②農地を転用した場合，周辺の農地の営農条件に支障が生ずるおそれがあると認められる場合などには，許可できないことを明示している。しかるところ，本件許可処分は，一般住宅建築のための農地転用を認めるものであり，上記基準に違反することが明らかである。
　また，農地法５条２項４号は，「申請に係る農地を農地以外のものにすること」「により，土砂の流出又は崩壊その他の災害を発生させるおそれがあると認められる場合，農業用用排水施設の有する機能に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合その他の周辺の農地又は採草放牧地に係る営農条件に支障を生ずるおそれがあると認められる場合」には農地転用を許可することができない旨規定しているところ，本件はこの制限に正に当てはまるから，本件許可処分は違法である。
（被告らの主張）
　原告の主張は争う。
第３　当裁判所の判断
１　本件除外処分に係る訴えについて
　一般に，抗告訴訟の対象となる行政処分とは，公権力の主体たる国又は公共団体の行う行為のうち，その行為によって，直接国民の権利義務を形成し，又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいい（最高裁判所昭和３９年１０月２９日第一小法廷判決・民集１８巻８号１８０９頁参照），それ自体として国民の権利義務に直接影響を与えるものではなく，また，何らかの制約を課することとなっても，それがある条件の下における国民一般に対する抽象的一般的なものにすぎないときは，上記行政処分性は否定される（最高裁判所昭和５７年４月２２日第一小法廷判決・民集３６巻４号７０５頁参照）。
　これを本件についてみるに，農振法は，都道府県知事が一定の地域を農業振興地域として指定することとし（６条１項），市町村は，その区域内にある農業振興地域につき，都道府県知事との協議を経た上で，農業振興地域整備計画を定めなければならず（８条１項，４項），この計画には，農用地等として利用すべき土地の区域（農用地区域）及びその区域内にある土地の農業上の用途区分（農用地利用計画。８条２項１号）等の事項を定めるものとされ，市町村長は，農用地区域内の土地で，農用地利用計画で指定された用途に供されていないものの所有者等に対し，当該土地をその用途に供すべき旨を勧告し，これに従わない等の場合には，当該土地をその用途に供しようとする者で市町村長の指定を受けた者と当該土地の所有権の移転等につき協議すべき旨を勧告することができ（１４条），都道府県知事は，その協議が整わない等の場合には，当該土地の所有権の移転等につき必要な調停を行うことができ（１５条），農用地区域内においては，原則として，開発行為をしようとする者は，あらかじめ，都道府県知事の許可を受けることを要し，都道府県知事は，農業振興地域整備計画の達成に支障を及ぼすおそれがあると認めるとき等の場合には，許可をしてはならず（１５条の１５），農用地区域内の農地等について都道府県知事等が農地法上の許可に関する処分を行うに当たっては，これらの土地が農用地利用計画において指定された用途以外の用途に供されないようにしなければならない（１７条）と規定している。
　以上によれば，農業振興地域整備計画は，農振法２条が定める目的を達成するための施策を定めた総合的基本計画であって，それ自体としては，国民の権利義務に対して直接影響を与えるものではなく，その中の農用地利用計画も，農用地区域及びその区域内にある土地の用途区分に係るもので，同様に，それ自体として，国民の権利義務に対して直接影響を与えるものではないと言わざるを得ない。また，市町村長による上記勧告や，都道府県知事による調停の権限も，これによって国民に具体的な義務を課するものではないことが明らかである。
　もっとも，農用地区域内においては，開発行為や農地法上の許可に関する処分を行うにつき，制約を受けることになるが，これらの制約は，あたかも新たにかかる制約を課する法令が制定された場合におけると同様の，当該地域内の不特定多数の者に対する抽象的一般的なものにすぎず，これによって直ちに国民に対して具体的な義務を課したり，権利を侵害するものとはいえない（開発行為の申請に対する不許可処分や，農地法上の申請に対する不許可処分によって，初めて具体的な権利侵害性を有する処分となる。）。この理は，本件除外処分のように，一定の土地を農用地区域から除外する旨の農用地利用計画の変更決定においても等しく妥当するというべきである。
　そうすると，本件除外処分は，抗告訴訟の対象となるべき行政処分性を有しないから，本件除外処分の無効確認を求める訴えについて被告豊田市長が被告適格を欠く（本件除外処分の主体は，農振法１３条１項に照らせば，豊田市であって豊田市長でないことが明らかである。）ことなどをさておいても，これに係る訴えは不適法というほかない。
２　本件許可処分に係る訴えについて
　行政処分によって直接権利義務に影響を受ける名あて人以外の第三者が，当該処分の効力を争うことができるか否かは，その根拠となる行政法規が，かかる第三者の個別具体的利益を保護することを目的として行政権の行使に制約を課していると解することができるかにかかっているところ，農地法５条所定の許可制度は，専ら国民経済的な観点から効率的な農地の所有，利用関係を調整し，もって我が国の農業生産力の安定，増進を図ることを目的としたものと解される（同法１条参照）。
　そうすると，少なくとも，原告が原告適格を基礎づけるものとして主張する，建築予定の隣家からの苦情，日照権の侵害，埋立てによる既存排水路の遮断，これに伴う周辺農地への排水不良等の被害は，本件許可処分自体によって直接もたらされる法律上の効果ではなく，転用後の本件土地上に住宅が建築され，ここに隣人が居住することによる事実上の影響にすぎないというべきであるから，原告は，本件許可処分の無効確認を求めるにつき，原告適格を欠くといわざるを得ない（最高裁判所昭和５８年９月６日第三小法廷判決・集民１３９号３８１頁参照）。また，原告は，本件許可処分によって，本件土地に対する耕作権を喪失したと主張するところ，その発生原因事実，有効要件の具備について主張するところがないことをさておいても，有効に締結された土地賃貸借契約が，農地法５条に基づく許可によって失効するいわれはないから，これをもって，原告適格を基礎づけることもできず，上記判断を覆すものとはいえない。
３　結論
　以上の次第で，本件訴えは，その余について判断するまでもなく，いずれも不適法であるから却下し，訴訟費用の負担につき行訴法７条，民事訴訟法６１条を適用して，主文のとおり判決する。
名古屋地方裁判所民事第９部
裁判長裁判官　加藤幸雄
裁判官　舟橋恭子
裁判官　小嶋宏幸
      
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   <title>H15. 2.28 大阪地裁 平成10(行ウ)35 原状回復に代わる措置命令処分取消等請求事件 </title>
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   <published>2008-12-11T08:04:34Z</published>
   <updated>2008-12-11T08:05:51Z</updated>
   
   <summary>H15. 2.28 大阪地裁 平成10(行ウ)35 原状回復に代わる措置命令処分取消等請求事件
　主文： 原告の請求をいずれも棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。</summary>
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      <name>管理者</name>
      
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      H15. 2.28 大阪地裁 平成10(行ウ)35 原状回復に代わる措置命令処分取消等請求事件

　主文
原告の請求をいずれも棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
　事実及び理由
第１　請求
１　被告が平成９年２月１３日付けで原告に対してした自然公園法２１条に基づく原状回復に代わる措置命令を取り消す。
２　被告が平成８年１０月１７日付けで原告に対してした森林法１０条の３に基づく復旧工事施行命令が無効であることを確認する。
３　被告が平成８年１０月１８日付けで原告に対してした林地開発行為許可取消処分及び岩石採取計画認可取消処分が無効であることを確認する。
第２　事案の概要
　本件は，採石業者である原告が，被告から，森林法による開発行為に対する復旧工事施行命令及び林地開発許可取消処分，採石法による岩石採取計画認可取消処分並びに自然公園法による原状回復に代わる措置命令を受けたため，前三者の処分について無効であることの確認を求め，後者の処分について取消しを求める事案である。
１　争いのない事実等
（１）　原告は，昭和５４年１２月２５日に設立された砕石の製造及び販売等を目的とする株式会社であるが，その前身は，原告代表者の父Ａが昭和３４年６月に宝塚砕石工業所の商号で始めた個人企業である。
（２）　Ａは，昭和３６年４月に大阪府和泉市α２３－１３において採石事業を始め，採石法の改正に伴い，昭和４６年１０月３０日に採石法（平成１１年法律第８７号による改正前のもの。以下同じ。）３２条の大阪府採石業者の登録を（甲６の１），昭和４７年８月１２日に採石法３３条の岩石採取計画の認可（以下「採取計画認可」という。）を受けた（甲６の２）。
（３）　原告代表者は，昭和４８年７月２６日，Ｂとの間で，和泉市α２３－１３の採石権設定契約を締結し，同月３１日に登記した。また，原告代表者は，昭和５７年９月２７日，Ｃから和泉市β４４３番の８８，８９，９０を買い受け，同年１０月２日に所有権移転登記をした（甲５の１ないし５）。
（４）　原告は，設立と同時にＡからその営業を譲り受け，昭和５５年１月２６日に大阪府採石業者の登録を受け，原告代表者が取得した土地を採石業の対象地に加えるなどして，対象地を拡大した。
　原告は，採石業の対象地（以下「本件採石地」という。）には，森林法（平成１０年法律第１３５号による改正前のもの。以下同じ。）５条に基づく地域森林計画の対象となっている民有林が含まれ，また，一部が自然公園法（平成１１年法律第８７号による改正前のもの。以下「公園法」という。）１７条１項に規定する国定公園（γ国定公園，以下「本件国定公園」という。）第三種特別地域内に所在しているとして，被告から森林法１０条の２第１項に基づく開発行為の許可（以下「開発行為許可」という。）を受け，また，昭和５５年３月１３日に被告から公園法１７条３項による土石採取許可（以下「公園法許可」という。）を受けた。
　原告は，その後も，採取計画認可，公園法許可及び開発行為許可の期間満了のたびに，被告にそれらの申請を行い，被告から許可ないし認可を受け，本件採石地において採石業を行ってきた。
（５）　被告は，平成８年１月１２日付けで，原告に対して，①行為場所は本件採石地とし，申請のとおり排水施設の設置や植栽を行うこと，②施行に際しては，原則として防災施設を先行設置するとともに全般的な防災措置に万全を期すこと，③開発行為の施行中に災害が発生した場合には，適切な措置をとるとともに遅滞なく知事に届け出ること，④開発行為により第三者に与えた損害は，開発者において解決すること，⑤調整池は適宜しゅんせつを行い常にその適正な機能を確保すること，⑥他の関係法令を遵守すること，⑦開発行為の途中において，災害等が発生し，あるいは発生するおそれがある場合は，許可条件の変更及び追加等をすることがある，⑧許可条件に従って開発行為を行わない場合には，この許可を取り消すことがある等１３項目の条件を付して開発行為許可をした（乙１４）。
　被告は，同日付けで，原告に対して，①行為場所は本件採石地とし，採取期間は同日から平成９年１月１１日までとすること，②採石計画に従って岩石採取を行うこと，③岩石採取に先立ち沈殿池等の必要な災害防止施設を設置し，採取区域外に災害が及ばないようにすること，④沈殿池及び場内排水路等は随時しゅんせつして維持管理を十分行うこと等の８項目の条件を付して採取計画認可をした（乙２０）。
　被告は，同日付けで，原告に対して，①行為場所は本件採石地とし，申請のとおり排水施設の設置や植栽を行うこと，②行為期間を平成８年１月１２日から平成９年１月１１日までとすること，③緑化計画書（植栽計画図）に基づき緑化修景すること，④支障木の伐採は必要最小限とすること，⑤沈殿池を設置する等の措置を講じ，周辺域に土砂及び濁水を流出させないこと，⑥残土は国定公園区域外に搬出すること，⑦工事に伴う仮工作物は，行為完了後直ちに撤去すること，⑧採石跡地は風致の保護上支障のないよう整理すること，⑨風致景観に著しい支障を与える場所には，張芝，種子吹付等により，緑化を行うこと，⑩行為の期間中は，行為の場所に標識を設置すること，⑪本国定公園の風致維持及び管理上支障ありと認めたとき，又は本許可条件に違反したときは許可期限内であっても本許可を取り消し，原状の回復を命ずることがある，⑫行為は許可条件に従って施行するものとする。ただし，これを変更しようとするときは，知事の許可を受けなければならない，⑬土石採取の進ちょく状況について，天然色写真を添え半年ごとに知事に報告するとともにその検査を受けること，⑭測量ポール等により行為地域を明示すること，⑮施工に先立ってまず防災設備（遊水池，沈砂池，排水路，土止柵等）を完備して土砂等を下流に流入しないよう措置すること，⑯行為中の降雨時の土砂流出防止対策はもちろん，台風，豪雨時の非常災害における防災等の処置に万全を期すこと，⑰隣接地に被害を及ぼさぬよう，万全を期すこと等２３項目の条件を付して公園法許可をした（甲６の１２）。
（６）　平成８年６月２１日，本件採石地の北側敷地境界線付近において，崩落事故（以下「本件事故」という。）が発生した。
（７）　被告は，同月２６日にＤから，同年７月１日にＥから，それぞれ本件事故について被害届を受理した（乙１５，１６）。
（８）　被告は，同月２日，原告に対し，①本件事故について同月１０日までに原告責任者を府庁に出頭させ修復協議を行うこと，②被告との間で修復協議が整うまで崩落土石の現状保存を行うこと，③崩落現場に防護柵を設けて立入禁止とすることの開発行為許可条件を追加するとともに（甲２６），採石法３３条の１３第１項に基づき，同内容の緊急措置命令をした（乙１１）。しかし，原告はこれらの命令に従わなかったため，被告は，同月１６日，原告に対し，弁明の機会を与えた上（乙５），同年８月２日，森林法１０条の３により，同日から平成９年２月１日までの６か月間の開発行為の中止命令（ただし，上記期間内であっても，大阪府との間で平成８年８月２６日までに修復協議が整い，それを前提とし，かつ大阪府が承認した修復計画図書に基づく施工が可能となれば，本命令は解除する。）をした（甲２７の１，乙１９）。しかし，その後も，原告は，崩落土石の搬出，製品化を続けた。
（９）　被告は，同月２６日，原告に対して，森林法に基づく開発行為許可取消処分及び採石法に基づく採取計画認可処分に係る各聴聞手続を行った。この際，原告は，現状保存等の命令に従わずに崩落土石を除去した事実及び崩落土石の除去に対する中止命令に従わなかった事実について自認した（乙８，１０）。
（１０）　被告は，同年１０月１７日付けで，原告に対して，森林法１０条の３に基づき，本件採石地付近において，植栽工，水路工の施行を命じる開発行為に対する復旧工事施行命令（甲３，以下「処分１」という。）をした。被告は同月１８日付けで，原告に対して，森林法に基づく開発行為許可取消処分（乙１２，以下「処分２」という。）及び採石法３３条の１２に基づく採取計画認可取消処分（乙１３，以下「処分３」という。）をした。原告は，処分１ないし３について，異議申立て等の手続を行うことはなかった。
（１１）　原告は，公園法許可の申請をすることなく，採取許可期間満了日である平成９年１月１１日が経過した。
（１２）　被告は，同年２月１３日付けで，原告に対し，公園法２１条に基づき，①工事に伴う仮工作物等の撤去，撤去跡地の整理，②防災措置の施行，③緑化回復措置の施行を命ずる原状回復に代わる措置命令処分（甲２，以下「処分４」という。）をした。
　原告は，同年４月３日付けで，環境庁長官に対し，処分４について審査請求を行ったが，環境庁長官は平成１０年３月１７日付けで，原告の審査請求を棄却する裁決をした。
（１３）　原告は，平成８年１１月１日に被告に火薬類消費許可書及び火薬譲受許可証を返納し，その後休業した。
（１４）　法令の定め
ア　森林法
１０条の２（開発行為の許可）
１項　地域森林計画の対象となっている民有林（括弧内省略）において開発行為（土石又は樹根の採掘，開墾その他の土地の形質を変更する行為で，森林の土地の自然的条件，その行為の態様等を勘案して政令で定める規模をこえるものをいう。以下同じ。）をしようとする者は，省令で定める手続に従い，都道府県知事の許可を受けなければならない。（以下省略）
２項　都道府県知事は，前項の許可の申請があった場合において，次の各号のいずれにも該当しないと認めるときは，これを許可しなければならない。
１号　当該開発行為をする森林の現に有する土地に関する災害の防止の機能からみて，当該開発行為により当該森林の周辺の地域において土砂の流出又は崩壊その他の災害を発生させるおそれがあること。
３号　当該開発行為をする森林の現に有する環境の保全の機能からみて，当該開発行為により当該森林の周辺の地域における環境を著しく悪化させるおそれがあること。
４項　第１項の許可には，条件を附することができる。
１０条の３（監督処分）
　都道府県知事は，森林の有する公益的機能を維持するために必要があると認めるときは，前条第１項の規定に違反した者若しくは同項の許可に附した同条第４項の条件に違反して開発行為をした者又は偽りその他の不正な手段により同条第１項の許可を受けて開発行為をした者に対し，その開発行為の中止を命じ，又は期間を定めて復旧に必要な行為をすべき旨を命ずることができる。
イ　採石法
３３条（採取計画の認可）
　採石業者は，岩石の採取を行おうとするときは，当該岩石の採取を行う場所（以下「岩石採取場」という。）ごとに採取計画を定め，当該岩石採取場の所在地を管轄する都道府県知事の認可を受けなければならない。
３３条の１２（認可の取消し等）
　都道府県知事は，第３３条の認可を受けた採石業者が次の各号の一に該当するときは，その認可を取り消し，又は六箇月以内の期間を定めてその認可に係る岩石採取場における岩石の採取の停止を命ずることができる。
３号　第３３条の９又は次条第１項の規定による命令に違反したとき。
３３条の１３第１項（緊急措置命令等）
　都道府県知事は，岩石の採取に伴う災害の防止のため緊急の必要があると認めるときは，採取計画についてその認可を受けた採石業者に対し，岩石の採取に伴う災害の防止のための必要な措置をとるべきこと又は岩石の採取を停止すべきことを命ずることができる。
ウ　自然公園法
１７条（特別地域）
１項　環境庁長官は，国立公園又は国定公園の風致を維持するため，公園計画に基づいて，その区域（括弧内省略）内に，特別地域を指定することができる。
３項　特別地域（括弧内省略）内においては，次の各号に掲げる行為は，（中略）国定公園にあっては都道府県知事の許可を受けなければ，してはならない。ただし，当該特別地域が指定され，若しくはその区域が拡張された際既に着手していた行為（中略）は，この限りでない。
３号　鉱物を掘採し，又は土石を採取すること。
１９条（条件）
　第１７条第３項，第１８条第３項及び前条第３項の許可には，国立公園又は国定公園の風致又は景観を保護するために必要な限度において，条件を附することができる。
２１条（原状回復命令等）
　環境庁長官は国立公園について，都道府県知事は国定公園について，当該公園の保護のために必要があると認めるときは，第１７条第３項，第１８条第３項若しくは第１８条の２第３項の規定，第１９条の規定により許可に附せられた条件又は前条第２項の規定による処分に違反した者に対して，その保護のために必要な限度において，原状回復を命じ，又は原状回復が著しく困難である場合に，これに代るべき必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。
２　争点
（１）　処分１ないし３の無効事由の有無
（被告の主張）
ア　処分１（森林法１０条の３に基づく開発行為に対する復旧工事施行命令）
　森林は，水源のかん養，災害の防止，環境の保全といった公益的機能を有しており，これにより国民生活の安定と地域社会の健全な発展に寄与している。そして，これらの森林は一度開発をしてその機能が破綻した場合には，これを回復することが非常に困難であることが多いため，森林における開発行為については，森林の有する役割，機能を阻害しないように適正に行うことが必要となり，またそれが森林開発行為を行う者の権利に内在する当然の制約でもあることから，森林法は，林地開発について許可制を創設し（１０条の２第１項），許可に当たって，土砂災害の防止，水害防止，環境悪化の防止等の必要から条件を附すとともに（同条４項），条件違反行為によって，森林の公益機能を害した場合には，これを原状に復する処置を義務づけることとした（１０条の３）。
　本件についても，原告は被告の許可を得て，開発行為として採石業を行ってきた。同許可に附せられた条件は，いずれも土砂災害の防止，水害防止，環境悪化の防止等の必要から附されたものであるが，原告は，本件事故以前も，許可条件違反や許可除外事由に該当して被告から指導を受けていた。
　被告は，本件事故の規模が従前の崩落に比べて遥かに大きく，本件事故後の崖面は上部に亀裂が生じている可能性があり，梅雨期の大雨により二次崩落を引き起こす懸念があり，現場の地盤が相当軟らかいことをも考え併せると，原告従業員を危険にさらすものであって，これを放置することは防災上極めて危険であり，またその修復工事を行うに当たり，二次被害や事故再発防止等の十分な検討をする必要があり，現段階で崩落土石の搬出を行った場合，本件採石地内に急崖面が露出することになるので，当面これを防止しなければならないと判断した。そこで，許可条件中にある災害発生時に許可条件を追加できる旨の項目に従って，①崩落現場の修復協議を府と行うこと，②修復協議が整うまで崩落土石の現状保存を行うこと，③崩落現場に防護柵を設けて立入禁止とすることを許可条件に追加した。しかし，原告は，被告の中止勧告を無視し，弁明の機会を与えたものの弁明を拒否し，開発行為の中止命令の発令にもかかわらずこれを無視したので，被告は，この状態を放置することは，今後の二次崩落の危険性を助長させるとともに森林の有する公益的機能を維持する上で支障があることから，森林の復旧をさせることが必要と認め，処分１を行ったものである。なお，処分２及び３を行う前提としてなされた各聴聞において，原告は許可条件違反行為及び命令違反行為を認め，弁明を行わなかった。
　原告は，崩壊の程度は軽微であり植栽工・水路工は不必要と主張するが，たとえ軽微であっても，開発行為による侵害を放置すれば自然の自力回復を期待することはできない。また，原告は，本件採石地の所有者でなければ復旧命令の履行ができないと主張するが，復旧作業は採石作業に必然的に伴う付随的行為であってできないはずはない。
　したがって，処分１は適法であって，無効事由がない。
イ　処分２（森林法に基づく開発行為許可取消処分）
　森林法上開発行為許可取消しについては直接定めた規定は存在しないが，条件付許可制度とした趣旨を担保できなくなった場合に許可を撤回できるのは許可制度上当然である。なお，本件開発行為許可条件中にも注意的に条件として掲げられている。
　原告は，開発行為許可に当初から附加されていた条件（①行為場所は本件採石地とし，申請のとおり排水施設の設置や植栽を行うこと，②施行に際しては，原則として防災施設を先行設置するとともに全般的な防災措置に万全を期すこと，③開発行為の施行中に災害が発生した場合には，適切な措置をとるとともに遅滞なく知事に届け出ること，④開発行為により第三者に与えた損害は，開発者において解決すること，⑤調整池は適宜しゅんせつを行い常にその適正な機能を確保すること，⑥他の関係法令を遵守すること）に違反し，かつ森林法１０条の２第２項１号，３号に該当していただけでなく，被告の指導，勧告を無視し，開発行為許可の追加条件に違反して，本件採石地において崩落土石の搬出を継続し，弁明も拒否したのであって，これは，本件採石地における二次崩落の危険性を助長させ，森林の有する公益的機能を害するものであるから，被告は，防災上やむを得ない緊急の措置として処分２を行ったものである。
　したがって，処分２は適法であって，無効事由はない。
ウ　処分３（採石法に基づく採取計画認可取消処分）
　採石法は，国民経済上の重要性が増大しつつあった採石業について，その事業の安定と健全な発達の基礎を与える目的で制定されたものであるが，その後，事業の実施に伴って，土地の崩壊・流出・陥没や飛び石・粉じん・騒音・汚水の発生等も増大し，採石による災害防止が重要課題となったため，採石法が改正され，採石による災害に対処するため，採石業者の登録制度，岩石採取計画の認可制度が創設された（３３条）。そして，同法の認可は，岩石の採取が他人に危害を及ぼし，公共施設を損傷し，他産業の利益を損じ，公共の福祉に反すると認めるときはしてはならないとされ（３３条の４），認可を行う際には，認可に係る事項の確実な実施を図るための必要最小限かつ不当な義務でないものに限り条件を附することができるとされた（３３条の７）。また，災害発生のおそれがある場合に緊急措置をとるべき作為義務・岩石採取を禁じる不作為義務を課すことができ（３３条の１３第１項），これに違反すると認可取消原因となる（３３条の１２第３号）。
　前述のとおり，本件事故はその規模が大きく，二次崩落を起こすおそれがあり防災上極めて危険な状況にあったが，原告は本件採石地において崩落土石の搬出を始めた。そこで，被告は，原告に対し，災害防止のため緊急の必要があるとして緊急措置命令を発し，①崩落に係る修復協議を行うこと，②防護柵を設けて立入禁止とすることとした上，③修復協議が整うまでは現状を保存するよう命じた。しかし，原告はこれらの命令に従わず，崩落土石の搬出，製品化を継続した。そして，森林法上の中止命令の無視や原告の弁明等からすれば，採石法上も，更に緊急措置命令を重ねても，命令の履行が期待できないものと考えられたので，被告は，処分３を前提として聴聞を行った。この聴聞において，原告は，採石法の緊急措置命令違反の事実について全面的に認め，弁明することがないことを明らかにした。そこで，被告は，緊急措置命令に従わなかったことを理由として，採石法３３条の１２第３号後段により処分３をしたものである。
　したがって，処分３は適法であって，無効事由はない。
エ　原告の崩落土石の搬出行為は，崩落土石を製品化して販売することを目的とする行為であって復旧工事ではなく，正当な行為とはいえない。
　原告の崩落土石の搬出行為は極めて危険な行為であり，原告は被告の再三の指導や命令等にもかかわらず崩落土石の搬出行為を継続したため，被告は防災上やむを得ない緊急の措置として処分１ないし３を行ったのであって，処分１ないし３が原告の違反行為と比較して過大な処分であるとはいえない。
　処分１ないし３は，被告の崩落現場の災害防止措置に原告が応じなかったために行ったものであって，崩落の原因が原告にあるかどうかや崩落土石の所有権が誰にあるかなどを理由とするものではない。
　原告は処分１ないし３について所定期間内に審査請求や取消訴訟の提起を行っておらず，不服申立期間の徒過についても特段正当性のある理由も述べていないことからしても，原告の主張に理由がないことが明らかである。
（原告の主張）
ア　原告は本件採石地において崩落土石の搬出行為を継続したが，これは次のとおり正当な行為であるにもかかわらず，被告は処分１ないし３を行ったのであって，処分１ないし３には重大かつ明白な違法があるといえる。
　本件事故後，崩落土石は崖面から原告の製砂設備に向かって傾斜を形成していたのであって，仮に崖面に残った浮石等が落下した場合，浮石等が斜面を転がり落ち，原告の製砂設備を直撃し，原告の財産や作業員の人命に危害を与えるおそれがあった。そこで，原告は，二次崩落の危険性がないことを十分に確認し，また労働基準監督署の指導を受けた上で，会社財産及び作業員の安全を守る目的で，崩落土石の斜面上部の土石を取り除き，平坦部を造成したのである。実際，原告の崩落土石搬出作業中に二次崩落等は発生していない。そもそも，本件事故は自然現象であって，本件採石地上の崩落土石は本件採石地の附合物としてその所有権は原告にあるのであるから，原告にはその土石を搬出する権利があるというべきである。
イ　被告は，次のとおり重大な事実誤認の上，処分１ないし３を行ったのであって，これは処分１ないし３の無効事由に当たる。
　本件事故は，本件採石地の北側で採石業を行っていた藤原砕石興業株式会社が違法なすかし掘り採取を行い，そのために本件採石地の北側の山林尾根に多数の亀裂が生じ，亀裂に雨水が溜まり，氷結氷解を繰り返し亀裂が浸透した結果生じたものである。原告がすかし掘りを行ったことはなく，何ら責任はない。また，本件事故によって崩落した土石の大多数は，原告が採石権又は所有権を有する土地上のものである。それにもかかわらず，被告は，本件採石地隣地の地主の虚偽の被害届を受け，事実を確認しないまま，本件事故の原因を原告が過去に行ったすかし掘りによるものと軽信し，重大な事実誤認をして処分１ないし３をしたものであって，無効である。
ウ　仮に，原告が被告の指示や命令に従わなかったことに違法性があったとしても，その程度は軽微であり，処分１ないし３をするほどの違反行為とはいえない。したがって，処分１ないし３は比例原則に反する処分であって，無効である。
エ　被告は，処分１ないし３に先立ち，原告に対し，開発行為許可条件を追加するとともに緊急措置命令を発令して，崩落現場の修復協議を府と行い，修復協議が整うまで崩落土石の現状保存を行うことを命じた。しかし，修復協議の成立には，本件事故に関し虚偽の被害届を提出した本件採石地隣地の地主との合意が不可欠であることから，修復協議の成立は不可能である。被告は実現不可能な条件を原告に課し，無期限の現状保全と立入禁止をさせるものであって，処分１ないし３は無効である。
オ　本件事故の崩落部分は僅かであって，復旧工事が不必要であることは明白であるし，また被告の命じた復旧工事は土地所有者でなければ実現できない内容であって，処分１は無効であるというべきである。
（２）　処分４（原状回復に代わる措置命令処分）の取消事由の有無
（被告の主張）
ア　国定公園は，国立公園に準ずる優れた自然の風景地であって，関係都道府県の申出により環境庁長官が中央環境審議会の意見を聞いた上で，区域を定めて指定するものである。国定公園を指定する場合には，区域に含まれる各土地の地番を指定するのではなく，縮尺５万分の１の地形図を用い，同図に区域線を画することによって行われる。公園区域の範囲を示す区域線は，原則として稜線界，沢界，河川界，汀線界等地形による線並びに森林施業における事業区界，林班界及び小班界とされており，「林班界」とは，都道府県知事が全国森林計画に即して地域森林計画の樹立及び実施の便に供するため，地域森林計画対象民有林を分けるためのものであって，原則として，字界，天然地形又は地物をもって区域するものであり，町等の区域界の線と林班界は必ずしも合致しない。本件国定公園は，昭和３３年４月１０日に当時の所轄行政庁であった厚生大臣により指定されたもので，本件国定公園の区域線は林班界と表示されており，当該部分は概ね稜線と一致している。本件採石地が本件国定公園の第三種特別地域内に含まれることは明らかであって，原告も，本件採石地が国定公園内に存在することを認識していたから，被告に対し公園法許可の申請をし，許可を得ていたのである。
イ　国定公園に指定された優れた自然の風景地は，一度破壊されれば再び元に復することが著しく困難なものであるから，自然の風景地をできる限り自然のままの姿において永遠に存続するよう保護する必要がある（公園法１条，２条の２）。しかし，国定公園は，これを指定する国が土地の権利を有することを要件としておらず，国の所有権からは規制できないため，国定公園指定の趣旨を貫徹するために，国定公園の風致景観に影響を与えるおそれのある土石採取等の一定の行為を風致景観の維持の立場から禁止又は規制する必要がある。一方，国定公園内に財産権を有する者は一定の規制に服さざるを得ないが，憲法２９条の規定する経済的自由権については，内在的制約のほか，政策的制約に服するものとされているところ，上記の公園法の趣旨は国民の自然環境享有の観点からする政策的制約であって合理的な政策目的であるし，公園法は国定公園区域内のうちでも自然状態を保持する必要性に応じて規制の度合いに差を設ける等しており，公園法の規制は許容されるべきである。
　公園法許可に関する具体的判断は各許可権者に委ねられているものであるが，全国的に統一的処理を図る目的等により，環境庁自然保護局長から各都道府県知事宛に「国立公園内（普通地域を除く。）における各種行為に関する審査指針について」（以下「審査指針」という。）及び「国立公園内（普通地域を除く。）における各種行為に関する審査指針の細部の解釈及び運用の方法について」（以下「細部解釈」という。）が出され（細部解釈によれば，審査指針の適用は昭和５０年４月１日からである。），これらは公園法の目的に沿って公園法許可の解釈運用の指針を示したもので，その内容に合理性があるから，被告はこの指針に即して許可している。なお，審査指針及び細部解釈は，単なる通達であって法規範ではないから合憲性判断の対象とはならない。
　露天掘りによる土石採取は，地上部を直接改変し必然的に原地形の改変を伴うもので，自然地域の基本に関わる部分の改変をもたらすから，風致景観に著しい支障を及ぼす行為として原則として許可しない（審査指針）。しかし，国定公園内において現に生業として継続されてきた土石の採取行為が即許可されなくなってしまうのは当該行為者の生活をおびやかすことになり適当でないことから，規模・期間は，行為者等の生活を守るために必要な範囲に限定されるべきであり，この場合できるだけ近い将来に終掘させるという方向で指導するのが適当であるとされ（細部解釈），その限度で許可することとされている。
　被告は，昭和５５年３月１３日以降，原告に対して，本件採石地における採石行為について公園法許可を行ってきた。その際，被告は，審査指針及び細部解釈に従って，原告から，行為の期間，区域面積，採取方法，緑化防災対策措置について申請図書を提出させ，期間を１年に限定し申請をその都度行うこととし，許可には景観維持上の条件を附し，終局的に近いうちに終掘するよう指導してきた。
　原告は，審査指針及び細部解釈施行以前に本件採石地において創業した事業を継承しているから，審査指針及び細部解釈の適用を受けないと主張するが，審査指針及び細部解釈施行以前になされた許可は当該許可の期限内に終了しており，原告は，審査指針及び細部解釈施行後も申請と許可を繰り返しているのであるから，従前の許可の効力が後続の許可の効力と何らの関連がないことは明らかである。また，原告は，審査指針及び細部解釈は，採石業者と鉱山業者を不当に差別するもので，採石業者の国定公園内の営業を否定するものであると主張するが，審査指針は，鉱山業者の鉱物掘採についてはやむを得ない場合に露天掘りを許可するとし，採石業者の露天掘りについても必要最小限とすると記載するにすぎず，この程度の区別が不当な差別をもたらすものとは到底いえない。更に，原告は，公園法許可を１年間と限定することは公園法１９条に反し，公園法許可は無効であるとするが，被告が公園法許可の期間を１年間として繰り返してきたのは，例外的な許可に必要な諸要件を充たしているか否か等をチェックし，採石行為者に対して終掘指導を厳正に行うことを目的とするためであって，合理的であり，また公園法許可は既に公定力をもって確定したものであるところ，原告の主張は重大かつ明白な違法をいうものではなく失当である。
ウ　都道府県知事は，国定公園の保護のために必要があると認めるときは，公園法１７条３項の規定により公園法許可に附せられた条件に違反した者に対して，その保護のために必要な限度において，原状回復を命じ，又は原状回復が著しく困難である場合に，これらに代わるべき必要な措置をとるべき旨を命ずることができる（２１条）。原状回復に代わるべき必要な措置は，同法の規定に基づく不作為義務に違反する場合に，これを放置することは国定公園の風景に支障を及ぼすおそれが大きいことから，当該違反行為の実施前の状態又はこれに近い状態に回復させようとするものである。
　被告は，平成８年１月１２日付けで，原告に対して，行為期間を平成８年１月１２日から平成９年１月１１日までとする本件採石地における公園法許可をしていたところ，原告は上記行為期間を経過した後も新たな公園法許可の申請を行わなかった。そこで，平成９年１月１１日の経過によって，本件採石場の公園法許可の法的効力が消滅し，同法上，採石跡地であることが確定した。また，上記行為期間内に本件採石地内において大規模な崩落事故が発生し，原告は被告から開発行為許可及び採取計画認可の取消処分を受けた。この結果，本件採石地が公園法，森林法及び採石法上許認可のない状況で放置される結果となった。被告が本件採石地を調査したところ，原告には，平成８年１月１２日付け公園法許可の条件のうち，許可区域外採掘，緑化修復不履行，沈殿池不設置，風致景観に支障を与える場所への緑化不履行，採掘跡地への修復不履行，土石採取の進ちょくについての不報告，行為地域不明示，防災設備不設置の条件違反事実があることを確認した。そこで，被告は，国定公園の風致景観を保護する上で著しい支障を与えていると判断し，行政手続法１３条１項の規定により弁明の機会を付与したところ，原告は弁明書を提出したものの，指定された期日には出頭せず口頭での弁明はなかった。被告は，調査結果に照らして，原告の弁明は何ら合理性を有しないものと判断し，処分４を行ったのであり，処分４は適法である。
　原告は，被告が仮工作物として撤去を命ずる建物は，原告が近畿圏の保全区域の整備に関する法律（以下「近緑法」という。）に基づき被告に届出をした本件国定公園地域外の建物であって「仮工作物」とはいえないと主張する。しかし，本件採石地は，近緑法上の近郊緑地保全区域と公園法上の国定公園区域が重複している地域であり，被告が撤去を命じている建物は，土石採取行為に付随するものとして土石採取に関する公園法許可の内容に含まれており，許可期間やその付随性から，公園法上「仮工作物」と扱っているものである。したがって，本体である土石採取自体が許可を失って行えなくなった場合には，本件採石地は跡地となり，採石行為に付随する仮工作物も当然不要となったものであることは明白であり，原状回復義務の内容として撤去する義務が生じるのである。また，原告は，本件採石地が「採石跡地」ではないと主張するが，原告から新たな公園法許可の申請がなく，公園法許可もないから，従前の公園法許可に基づいて行われた採石業の跡地が放置された状態であることに変わりはなく，原告の主張に理由はない。
（原告の主張）
ア　被告は，本件採石地が本件国定公園区域内にあることを前提として，処分４を行っているが，本件採石地のうち，本件国定公園区域内にあるのは，和泉市α２３番１３の一部のみであって，その他の土地は本件国定公園区域外の土地である。仮に，本件採石地が本件国定公園区域内に含まれるものとしても，国定公園を指定する場合には，その旨及びその区域を官報で公示しなければならないとされているところ，本件国定公園の区域指定を公示する官報には，和泉市の一部を本件国定公園に指定すること及びその区域を表示した図面は，厚生省，関係府県庁及び関係各市町村役場に備えて供覧することの記載があるのみで，具体的な指定区域が明示されていない。しかも，本件国定公園区域を表示する図面は，縮尺５万分の１の地図であって，その図面に表示された林班界を示す線が具体的にどの地点を通過するのか不明確である。被告が本件国定公園の区域線と主張する林班界付近には稜線等は存在せず，自然の地形とは全く無関係に定められたものである。したがって，このような不明確な国定公園の指定は，公園法１０条３項に反するものであって，本件採石地が本件国定公園区域内にあることを前提としてなわれた処分４は違法である。
イ　原告は，「国立公園特別地域の行為許可に関する留意事項について」と題する厚生省大臣官房国立公園部管理課長通達（昭和２７年１０月２３日発出，以下「旧通達」という。）に基づき，公園法許可を受けた採石業者（原告代表者の父）から採石事業を譲り受けたものである。審査指針は従前の採石権限を侵害するものであるから，その効力が遡及して審査指針発出前の公園法許可に適用されることはあり得ない。したがって，本件採石地における原告の採石事業に関しては，旧通達が適用され，審査指針の適用はない。よって，旧通達の効果は本件採石地の岩石採取が終掘するまで持続するのであり，平成９年１月１１日以降もその効果が継続し，同日の経過によっても，原告は本件採石地における採石権限を失ったとはいえず，工作物を撤去し，緑地修景をする義務を負うことはないから処分４は違法である。
ウ　処分４の前提となる公園法許可は，被告が審査指針及び細部解釈に基づいて行ったものであるが，審査指針及び細部解釈は憲法に反する無効な通達である。
　原告は，本件採石地において，昭和３６年から採石業を営み，採石権の登記も既に経由し，国を含めた第三者に対抗できる採石権を有している。審査指針及び細部解釈は，国定公園内の風致景観を侵害するとして，国定公園区域内における露天掘りによる土石採取を原則として禁止し，土石採取を許容する場合も極めて厳しい条件を課すものであって，公園法が定める風致景観の保護の限界を逸脱し，法律に基づかずに，憲法が保障した国民の基本的人権たる財産権を剥奪するものとして，憲法２９条に違反し無効である。公園法３条も，公園法の適用に当たって「関係者の所有権，鉱山権その他の財産権を尊重する」ことを定めており，審査指針及び細部解釈は同条にも反する。
　更に，審査指針及び細部解釈は，露天掘りによる土石の採取を原則として許可しないものと定め，採石業者について露天掘りによる土石の採取を禁止する一方，鉱山業者については「露天掘り以外の方法によることが著しく困難と認められるものである」場合には露天掘りを認めることとしている。現在，鉱山業者が主に扱う石灰岩と採石業者が扱う土石（花崗岩等）との間には，その価値においてほとんど格差がない。それにもかかわらず，審査指針及び細部解釈は，採石業者と鉱山業者とを不当に差別するものであって，憲法１４条に違反し無効である。
エ　処分４は公園法許可を前提とするものであるところ，被告が公園法許可に附した１年間の短期間の許可条件は，公園法１９条の国定公園の風致景観を保護する限度を超えているものであるから無効である。本件採石地の風致景観は，原告が採石地の土石を採取したことによる変化だけであり，毎年本件採石地の風致景観を保護するために，本件採石地の状況を確認しなければ，土石の採取許可をすることができないということは社会通念上あり得ない。被告が公園法許可に附した１年間の短期間の許可条件は，原告を廃業の追い込むことを意図したものであって，公園法１９条に違反する。
オ　被告は，本件採石地が「採石跡地」に該当するとして処分４を行った。しかし，原告が平成９年１月１１日以降も本件採石地において採石業を継続する意思を有していたことは明らかであって，本件採石地が「採石跡地」であるとしてなされた処分４は違法である。
カ　被告は，処分４として，原告に対し，本件採石地上の設備が仮工作物であるとして，その撤去を命じている。しかし，本件採石地上の設備は，いずれも数千万円相当の企業設備であり，原告が近緑法９条に基づく届出をして適法に所有する設備であって，「仮工作物」とはいえない。また，本件採石地は，本件国定公園区域内の外れに位置していることから，原告の企業設備は国定公園の風致景観に何ら実害を与えていない。したがって，原告に対し，それらの撤去を命ずる処分４は違法である。
キ　被告は，原告に公園法許可条件の違反事実があることを確認したとして，処分４を行っている。しかし，排水施設の未設置や行為区域明示の未施行は軽微な違反であり，緑化修復については本件事故が発生したため未履行のままになっているのであって，処分４は，違反事実に比べて，明らかに過大な処分であって，違法である。
第３　争点に対する判断
１　証拠（甲１４，２４～２７，２９，３０，４９～５１，１０７，１４３，１４４，１７２，２０８，２１５，２５４，２５６，２６３，乙１～１４，１７～２０，２５～２７，３０～３６，３８～４０（各枝番を含む。），証人Ｆ，証人Ｇ，証人Ｈ，証人Ｉ，原告代表者）及び弁論の全趣旨によれば，以下の各事実が認められる。
（１）　本件事故によって，幅約１４０メートル，高さ約５０メートルにわたり崩落した土石が堆積した。崩落は，本件採石地外にも及び，その範囲は約５０００平方メートルである。本件事故によって，本件採石地外の檜が数本なぎ倒された。
（２）　本件事故地では，昭和６３年，平成２年，平成７年８月ころ，崩落事故が発生したことがあったが，本件事故の規模は，過去の崩落事故と比較して大きいものであった。
　原告は，過去の崩落事故発生の際，被告担当者の修復協議前の崩落土石採取禁止の指示に反し，崩落地へ立ち入り崩落土石を採取したことがあったが，最終的には修復協議に応じてきた。
（３）　本件事故地は，大雨のため地盤が軟らかく，崖面の上部に亀裂が生じている可能性が相当あったが，本件事故発生から処分１ないし４が行われるまでの間，本件事故地において，新たな崩落事故が発生することはなかった。
（４）　原告は本件事故発生について被告に通報しなかった。本件採石地付近の西野建設が被告に本件事故の発生を通報した。
（５）　被告担当者は，本件事故発生当日である平成８年６月２１日，原告代表者に電話をし崩落土石の現状保存を指示したが，原告代表者は現状保存については約束しかねるとの発言をした。
　原告は，本件事故の翌日である同月２２日から，崩落土石の除去を開始し，同月２５日ころから，崩落土石の製品化を開始した。
　被告担当者は，同月２６日から２８日までの各日，本件採石地を立入検査し，原告従業員等に対し，崩落土石を現状保存すること，関係課との間で修復方法についての協議を行うこと，崩落地には立ち入らないこと及び崩落土石の採取行為を直ちに中止することを指示したが，原告はその指示に従わなかった。
　被告は，同年７月２日，原告に対し，緊急措置命令及び開発行為許可の条件の追加処分を行った。原告代表者が命令書の受取を拒否したため，処分通知書は同月３日に原告に送達された。
　被告担当者が，同日，追加条件の履行を確認するため本件採石地に赴いたところ，本件採石地に，クラッシャーランというコンクリートに混合して使用される小石製品が１０メートル程度山積みされていた。
　被告担当者は，同月５日及び８日に本件採石地を立入検査し，原告担当者に対して，緊急措置命令及び開発行為許可に附された追加条件の履行を指示したが，原告代表者が，同月９日，来庁し，命令に従う意思のないこと，経営上の理由から崩落土石を搬出せざるを得ないこと，不利益処分が科される可能性のあることを理解していること等を伝えた。
　被告担当者は，同月１０日及び１２日にも本件採石地を立入検査し，原告担当者に対して，緊急措置命令及び開発行為許可追加条件の履行を指示したが，原告は，修復協議を拒否し，本件事故地に防護柵を設置することなく，本件事故地に立ち入り，崩落土石の採取を継続した。
　被告は，同月１６日，原告に対し，開発行為の中止命令を行うための弁明の機会付与通知を発送したが，同月２２日，原告代表者から弁明書の提出を拒否する旨の内容証明郵便が届いた。
　被告担当者は，同日，同月２６日及び２９日の各日にも本件採石地を立入検査し，原告担当者に対して，違反行為の是正を促したが，原告の違反行為は継続した。
　被告は，同年８月２日，原告に対し，開発行為の中止命令をした。被告担当者は，同月６日，９日，１２日，１６日の各日，本件採石地を立入検査し，緊急措置命令，開発行為許可追加条件及び開発行為の中止命令に対する違反行為が継続していることを確認し，是正するよう指示した。しかし，原告は，本件採石地において，崩落土石の採取，製品化等の開発行為を継続した。
（６）　同月９日時点において，本件採石地では，開発行為許可申請段階で予定されていた排水施設が設置されておらず，設置済みの排水施設についても機能喪失の状態が見られた。予定されていた植栽についても未だ施行されておらず，崩落に関する防災上必要とされるシガラ柵工も設置されていなかった。また，本件採石地には，切土法面勾配基準を充たさない法面が多数存在し，法面の崩壊を防止するための小段設置，植生ないし人工材料による法面保護措置や落石防止措置が施工されていなかった。本件採石地の周辺部に保全緑地が確保されおらず，また採石区域外の緑化修復措置が遅延していたほか，主要道路等からの景観維持対策も講じられていない箇所が多かった。
（７）　被告は，同月２６日，原告に対し，森林法の開発行為許可の取消処分（処分２）及び採石法に基づく採取計画認可取消処分（処分３）をするためにそれぞれ聴聞を実施したところ，原告代表者は，違反事実を認め，一切弁明することはないと発言した。
（８）　原告の所轄労働基準監督署は，同月２３日，原告に対し，採石作業において，崩壊又は落下の危険のある立木や土石がある場合には，予め土石を取り除き，土止防網を張る等の措置を講じること等採石作業を行う際の留意事項を指導し，原告は，同月２４日指示に基づいた作業を実施し，崩落場所に立入禁止のロープを張る措置を行い，同月３０日に労働基準監督署に対し，その旨を報告をした。なお，同日ころには，ほぼ価値ある土石については採取されていた。
（９）　平成９年１月１４日時点において，本件採石地で採石はなされていないものの，トロンメル等採石に使用される機械や会社事務所等の工作物，建築物が存在していた。また，本件採石地では，平成８年１月１２日付け公園法許可の条件とされていた排水施設の設置や植栽がなされておらず，緑化修復措置や景観維持対策も行われていなかった。
２　処分１ないし３の無効事由の有無について
（１）　処分１（森林法１０条の３に基づく開発行為に対する復旧工事施行命令）
ア　森林法１０条の３は，違反行為に起因して１０条の２第２項各号に該当するような事態の発生を防止するため，開発行為に対する復旧工事施行命令を定めている。その要件は，●森林の有する公益的機能を維持する必要があること，●開発行為者が開発行為許可に附した条件に違反したこと，●復旧に必要な行為であることである。
イ　●開発行為者が開発行為許可に附した条件に違反したこと
　前述の前提事実及び認定事実によれば，原告は，府との修復協議を拒否した上，本件事故の翌日から崩落土石の搬出作業に取りかかり，製品化し，ほぼ製品価値のある土石を取り除いた平成８年８月３０日なって初めて崩落場所を立入禁止としたものである。したがって，原告が，被告の同年７月２日付け開発行為許可追加条件（①本件事故について同月１０日までに原告責任者を府庁に出頭させ修復協議を行うこと，②被告との間で修復協議が整うまで崩落土石の現状保存を行うこと，③崩落現場に防護柵を設けて立入禁止とすること）に違反したことは明らかである。
　原告は，原告の行為が，原告の所有する施設や原告の従業員の生命身体を保護するための正当な行為であると主張する。しかし，結果的に本件事故地で二次崩落が発生することがなく，土石除去作業に従事した従業員の生命身体を害するような事態は発生しなかったものの，本件事故が過去の崩落に比べて規模が格段に大きく，本件事故の発生が梅雨期であることを考えると，本件事故地において二次崩落の発生する可能性は相当高く，土石除去作業中に原告の従業員が負傷したり，二次崩落によって下流域に被害が生じるおそれがあったことが認められる。したがって，安全な修復工事方法について府との間で協議検討することなく，修復工事に着手すること自体非常に危険であって，正当な行為であるということはできない。かえって，原告代表者が崩落土石の採取が経営上の理由によるものであると明言していることや階段式採石場の上段へ重機やダンプの通行を確保した後も本件事故地からの採石を継続し，被告の再三の指示に反して，商品価値のある土石のほとんどを搬出していることを考え合わせると，原告の崩落土石の採取・搬出行為の主たる目的は，従業員や施設に対する危害の防止ではなく，本件事故地で採石業を行うことにあったものと推認される。
　原告は，土石の除去作業を労働基準監督署の指導に沿って行ったことを原告の行為の正当性の根拠として主張する。しかし，証拠（証人Ｉ）によれば，労働基準監督署が原告に対して積極的に除去作業を行うよう指示したという事実はなく，原告が仮に除去作業を行う場合には，従業員の安全を図る見地から少なくとも原告が守るべき注意事項を通知したにすぎないものと認められる。また，労働基準監督署の指導が行われたのは本件事故から２か月以上経過した後であり，その指導に従った措置がとられたのは価値のある土石の採取がほぼ終了した段階であったことからしても，原告の主張は採用できない。
　原告は，修復協議の成立まで崩落土石の搬出を禁止する開発行為許可追加条件は，原告に不可能な行為を強いるものであって無効であるとも主張する。しかし，修復協議は府との間で行うものであり，必ずしも本件採石地の隣接地の地主の協力を得る必要はないし，過去の崩落事故の際に，原告は府との間で修復協議を行っているのであって，原告の主張は採り得ない。
ウ　●森林の有する公益的機能を維持する必要があること
　前述の認定事実によれば，本件事故が発生した結果，土石の崩落に伴って，一部ではあるものの崩落部分の檜が落脱し森林が損なわれたことが認められ，水源のかん養，災害の防止，環境の保全といった森林の有する公益的機能を維持する必要性が生じていたことが認められる。
　また，本件事故地において二次崩落が発生した場合には，更に森林が損なわれるおそれがあり，本件事故地における二次崩落を防止して，公益的機能を維持する必要も認めることができる。
エ　●復旧に必要な行為であること
　既に森林を開発し森林以外のものとなったものを原形どおりにすることを求めても実際上不可能又は不合理であるから，「復旧に必要な行為」とは，造林その他の措置により森林が従前有していた公益的機能を復旧することを指すものと解するべきである。
　被告の原告に対する復旧工事施行命令は，本件採石地付近における植栽工，水路工の施行であって，いずれも，水源のかん養，災害の防止，環境の保全という森林の有する公益的機能を維持するために必要な行為であるといえる。
　原告は，本件事故の崩壊の程度は軽微であって植栽工・水路工は不必要であると主張する。しかし，本件事故の程度が軽微であるとは到底いえないし，開発行為による侵害を放置すれば自然の自力回復を期待することはできないことも明らかである。また，原告は，本件採石地の所有者でなければ復旧命令の履行ができないと主張するが，処分１の復旧作業は採石作業に必然的に伴う付随的行為であって，原告の有する採石権の範囲内の行為であって，原告の主張は失当である。
オ　以上によれば，処分１は適法であって無効事由は存在しない。
（２）　処分２（森林法に基づく開発行為許可取消処分）
ア　森林法上，開発行為許可の取消しを定めた規定は存在しない。しかし，有害行為の規制を行う目的で許可制度が採用されているにもかかわらず，いったん許可を付与した後は，公益上重大な事実が発生しても，一切許可の撤回，すなわち許可の取消しが許されないとすることは，許可制度を定めた法の趣旨にそぐわない。したがって，許可に関する根拠規定自体が，一定の場合の撤回権の留保を伴うものというべきであって，許可時点においてそのような事実が存在していたならば許可を与えないであろうと考えられる公益上重大な事実が発生した場合には，当然許可の取消しも認められるというべきである。
イ（ア）　開発行為許可条件違反
　原告が開発行為許可追加条件に違反していたことは前述のとおりである。
　更に，原告が，開発行為許可申請に従った排水施設の設置や植栽を怠っていたこと，防災施設としてのシガラ柵工を行っていないこと，本件事故の発生を被告に通報しなかったことが認められ，開発行為許可に当初から附加された条件（①開発行為許可申請の記載どおりの排水施設の設置や植栽を行うこと，② 施行に際しては，原則として防災施設を先行設置するとともに全般的な防災措置に万全を期すこと，③開発行為の施行中に災害が発生した場合には，適切な措置をとるとともに遅滞なく知事に届け出ること，⑤調整池は適宜しゅんせつを行い常にその適正な機能を確保すること）にも違反していたことが認められる。
（イ）　森林法１０条の２第２項１号及び３号違反
　本件採石地には切土法面勾配基準を充たさない法面が存在し，法面崩壊防止のための小段上の排水施設設置がなされておらず，植生又は人工材料によって法面侵害防止措置が施工されていない。更に雨水排水施設や落石防止措置が未設置，未施工となっている。これらによって，土砂の流出又は崩壊その他の災害が発生するおそれ（森林法１０条の２第２項１号）が認められるといえる。
　本件採石地の周辺部に保全緑地が確保されおらず，また採石区域外の緑化修復措置が遅延していたほか，主要道路等からの景観維持対策も講じられていない箇所が多い等，開発行為によって森林の周辺地域における環境を著しく悪化させるおそれ（森林法１０条の２第２項３号）も認められる。
（ウ）　中止命令違反
　原告は，平成８年８月２日に森林法１０条の３に基づき，同日から平成９年２月１日までの６か月間の開発行為の中止命令を受けたが，その間も，本件採石地において，崩落土石の採取，製品化等の開発行為をしたのであって，原告が中止命令に違反したことは明らかである。
　なお，中止命令の適法性について検討すると，原告は開発行為許可条件に違反して開発行為を行った者であって，本件採石地周辺の森林の有する公益的機能を維持する必要が生じていたことは前述のとおりであって，中止命令は適法である。
ウ　以上によれば，原告が開発行為許可条件や中止命令に違反していることは明らかである。特に，本件事故が過去の崩落に比べてその規模が大きく，崩落事故後の当該崖面の上部には亀裂が生じている可能性が相当程度あり，梅雨期の大雨により二次崩落を起こす危険性は非常に高かったのであるから，府との修復工事前に崩落土石の搬出作業を行うという開発行為許可に追加された条件違反行為は，作業員や本件採石地の下流域の人々の人命を危険にさらすこととなって，許可を取り消すべき公益上重大な事実が発生したといえる。更に，原告には，森林法１０条の２第２項１号及び３号に反する行為が認められ，許可時点でそのような事実が存在すれば，被告が原告に対して開発行為許可を与えないことは明らかである。
　よって，原告には，開発行為許可を取り消すべき公益上重大な事実が発生したというべきである。
　原告は，原告の本件採石地における採石事業を事実上不可能とする開発行為許可取消処分は，原告の違反行為の程度に比較して重きに失すると主張する。しかし，原告の行為は軽微な条件違反に止まらず，法律に違反し，極めて危険な事態を招来させるおそれのある行為であり，また前述の認定事実のとおり，被告担当者は処分２の発付前に，原告の違反行為の是正に十分努めたにもかかわらず，原告が違反行為を継続したのであるから，原告の主張を採用することはできない。また，原告の行為が正当行為に当たらないことも前述のとおりである。
エ　以上によれば，処分２は適法であって無効事由は存在しない。
（３）　処分３（採石法に基づく採取計画認可取消処分）
ア　採石法３３条の１２は，採取計画の認可制度の担保のために設けられた採取計画に附された条件，採取計画の遵守義務，緊急措置命令等に違反した採石業者に対して，その制裁として，当該採取計画の認可の取消し又は一定期間の岩石採取行為の停止命令を定めている。
イ　緊急措置命令違反
　前述の認定事実記載のとおり，原告は，被告から緊急措置命令を受けたものの，それを無視し崩落土石の採取，製品化を継続したこと，原告代表者自身が被告担当者に対して命令に従う意思のないことを明示したこと，被告担当者は，緊急措置命令発付後，多数回にわたって緊急措置命令の遵守を指示したが，原告はその指示に従わなかったことが認められ，採石法３３条の１２第３号後段に該当する事実があることは明らかである。
　なお，緊急措置命令の適法性について検討すると，本件事故地において崩落事故という災害が発生し，必要な措置として本件事故地に防護柵を設けて立入禁止とすることや府と修復協議をすること，修復協議が整うまで現状保全を命じることは相当であって，緊急措置命令は適法である。
ウ　以上によれば，処分３は適法であって無効事由は存在しない。
　原告は，処分３についても違法行為と処分との比例原則に反すると主張するが，採石法３３条の１２各号に該当する事実が存在する場合，認可を取り消すか事業停止に止めるかについては被告の裁量に委ねられているところ，本件事故の規模が過去の崩落事故に比べて格段に大きく，本件事故の発生が梅雨期であることから，本件事故地において二次崩落が発生する可能性が相当高く，安全な修復工事方法について府との間で協議検討することなく，修復工事に着手すること自体が非常に危険な行為であることからすれば，原告の緊急措置命令違反は非常に重大であるといえ，被告が採取計画認可取消処分を選択したことは，比例原則に反するとはいえない。
（４）　なお，原告は，本件事故は自然現象によるものであって，崩落土石は原告の所有物であると主張する。しかし，処分１ないし３は，本件事故の原因や崩落土石の所有権の所在とは全く無関係になされたものであって，前記の結論に影響を与えるものではない。その他にも原告は縷々主張するが，いずれについても上記判断を覆すものとはいえない。
３　処分４（原状回復に代わる措置命令）の取消事由の有無
（１）　本件国定公園区域
ア　証拠（甲１１３，１１４，乙２１～２８（各枝番を含む。），証人Ｆ）及び弁論の全趣旨によれば次の事実が認められる。
　国定公園は，公園法に基づき，国立公園に準ずる優れた自然の風景地をして，環境庁長官が指定するものであって，国定公園区域の指定は，区域に含まれる各土地の地番を指定するのではなく，縮尺５万分の１の地形図に区域線を引くことによって行われる。区域線の選定は，原則として，稜線界，沢界，河川界といった地形によるもの，森林施行における事業区界，林班界，小班界によるものとされている。
　本件国定公園は，国定公園に関する権限が環境庁の所管となる以前の昭和３３年４月１０日に，厚生大臣により指定されたものあって，本件採石地付近の公園区域線は，森林法の地域森林計画で使用されている林班界が用いられている。本件国定公園の区域線である林班界は，本件採石地を含むように本件採石地の北側を通っており，本件採石地が本件国定公園区域内であることは明らかである。
イ　原告は，官報で具体的な公園区域線が公示されていないこと及び縮尺５万分の１の地形図を使用して，自然の地形とは無関係に区域線が指定されていることから，本件国定公園の区域線は不明確であり公園法１０条３項に反するものであって，本件採石地が本件国定公園区域内に存在することを前提として行われた処分４は違法であると主張する。
　公園法１０条３項が，国定公園の指定について，指定する旨及び指定する区域を官報で公示して行うべきことを定めているのは，国定公園の指定が国民の権利義務に直接影響を及ぼすところが大きいことに基づくものであるが，官報に公園区域線を記載した図面を掲載することは実際的でなく，指定地域の名称を掲載し，公園区域線を明示した図面は関係省庁に備付けとすることで，国定公園の指定を受け新たに権利義務を負う可能性のある者に対する注意喚起としては十分であるといえる。また，公園の区域指定が広範囲にわたるものであることからすると，縮尺５万分の１の地図を利用することは相当であるといえる。国定公園の指定が森林計画等とも密接な関係を有すると考えられるところからすると，指定区域線が必ずしも自然の地形と一致しないとしてもやむを得ないというべきであって，本件国定公園の区域指定が公園法１０条３項に違反するとはいえない。実際，原告は，昭和５５年から本件採石地の一部が本件国定公園区域内にあることを前提に公園法許可の申請を行っていることからしても，原告の主張は採用できない。
（２）　処分４（原状回復に代わる措置命令処分）
ア　国定公園は，これを指定する国が土地の権利を有することを要件としない地域性の公園であり，国が土地の権利を根拠として公園全体について規制を行うことはできないから，その美しい自然の風致景観を保護するためには，風致景観に影響を与えるおそれのある行為を禁止又は規制する必要がある。このため，公園法は，公園区域内に保護の必要性の内容・程度に応じて特別地域，特別保護地域等を指定し，各地域について，一定の行為を行うにつき都道府県知事の許可を要するものとしており，特別地域については，土石の採取行為を許可を要する行為としている（１７条３項３号）。１７条３項の許可には，風致景観を保護するために必要な限度において，条件を付することができる（１９条）。
　そして，公園法２１条は，上記の行為規制や許可に付された条件に違反する行為があった場合には，都道府県知事は，違反行為をした者に対して，原状回復又はこれに代わるべき必要な措置をとるよう命じることができる旨定めている。許可条件違反行為に対する措置命令の要件は，●当該公園の保護のために必要があること，●１９条により許可に附せられた条件に違反したこと，●保護のために必要な限度であること，である。
イ　●公園法１９条の規定により附せられた条件に違反したこと
（ア）　前述の前提事実及び認定事実記載のとおり，原告が，公園法許可において条件とされた排水施設の設置や植栽を怠っていたこと，緑化修復措置や景観維持対策を行っていないことが認められるほか，原告は，公園法許可の行為期間経過後も新たな公園法許可の申請を行わなかったため，公園法許可が消滅したが，依然本件国定公園内の工作物，建築物等を撤去していないことが認められ，原告が公園法１９条の規定により附せられた条件（①行為場所は本件採石地とし，申請のとおり排水施設の設置や植栽を行うこと，③緑化計画書（植栽計画図）に基づき緑化修景すること，⑤沈殿池を設置する等の措置を講じ，周辺域に土砂及び濁水を流出させないこと，⑦工事に伴う仮工作物は，行為完了後直ちに撤去すること，⑧採石跡地は風致の保護上支障のないよう整理すること，⑨風致景観に著しい支障を与える場所には，張芝，種子吹付等により，緑化を行うこと，⑮施行に先立ってまず防災設備（遊水池，沈砂池，排水路，土止柵等）を完備して土砂等を下流に流入しないよう措置すること）に違反していることは明らかである。
（イ）　なお，原告は，①審査指針及び細部解釈は憲法２９条，１４条に違反する，②原告は，旧通達に基づいて公園法許可を受けたＡから採石事業を譲り受けたから，審査指針の適用を受けず，平成９年１月１１日以降も採石権限を有する，③公園法許可に１年間の短期間の条件を付することは，風致景観の保護のために必要な限度を超えており，公園法１９条に違反する，と主張する。
　しかし，公園法による特別地域等における行為規制は，風景地の保護，利用の増進による国民の保健，休養，教化という目的（公園法１条）のために財産権に対して加えられる政策的制約として許容されるものであり，憲法２９条に反するとはいえない。そして，審査指針及び細部解釈は，公園法の解釈運用に関する内部通達にすぎず，公園法の目的及び個別の規定の趣旨に反する内容を含むとは認められないから，これらの通達に基づいて公園法の解釈運用を行うことが憲法２９条に反するとはいえない。また，審査指針において鉱山業者の露天掘りによる鉱物採掘と採石業者の露天掘りによる採石について原告主張のような違いがあるからといって，審査指針に基づいて公園法許可の解釈運用を行うことが採石業者に対する不当な差別をもたらし，憲法１４条に違反するとも認められない。
　審査指針及び細部解釈の施行以前になされた公園法許可は，当該許可の期間の満了により終了しており，原告は，審査指針及び細部解釈の施行後も申請，許可を繰り返しているのであるから，従前の許可の効力がなお存続するということはあり得ず，従前の許可の内容が後続の許可の内容に影響を与えることもない。
　公園法許可に当たり，対象となる行為について他の法律に基づいて付された期間の条件を考慮し，１年という期間を条件として付加して，期間満了時に再度の許可に必要な諸要件の具備を確認することは，公園法１９条に定める「国定公園の風致又は景観を保護するために必要な限度」を超えるものではなく，この点に関する原告の主張も採用できない。
ウ　●当該公園について保護の必要があると認められること
　処分４の時点において，原告に対する公園法許可の効力は消滅しており，原告が本件採石地において土石採取を行うことは許されない。したがって，本件国定公園内に存在する原告の工作物，建築物等は，公園法上何ら根拠なく存在していることになる。そして，国定公園内の風致景観維持という公園法の趣旨からすると，国定公園内の工作物，建築物等は国定公園の風致景観を害するものであるから，国定公園内に法的根拠なくそのような工作物，建築物等が存在することは好ましくない。また，通常，自然の自力回復を期待することはほとんどできないから，本件国定公園内において，排水施設の未設置，植栽未施行，緑化修復措置未施行，景観維持対策未実施という状態が継続することによって，国定公園内の風致景観維持を害することは明らかであって，保護の必要性を認めることができる。
エ　●必要な限度でかつ必要な措置であること
　前述のような保護の必要性からすれば，原告に対して，工事に伴う仮工作物等の撤去，撤去跡地の整理，防災措置の施行，緑化回復措置の施行を命じることは，必要な限度でかつ必要な措置であるということができる。そして，これは撤去すべき仮工作物の経済的価値等により影響を受けるものではないことも明らかである。
（３）　なお，原告は，原告が採石業を継続する意思を有していたことは明らかであって本件採石地は「採石跡地」ではない，また本件採石地上の設備，建築物等は「仮工作物」とはいえないと主張する。しかし，原告から公園法許可の申請がなく，したがって被告の許可もない以上，従前の許可に基づいて行われた採石業の跡地が本件国定公園内に放置されているといわざるを得ない。また，本件採石地上の設備，建物等は，採石業に付随するものとして採石業に関する公園法許可の内容に含まれており，許可期間やその付随性から，公園法上は仮工作物として扱っているもので，その限りで別途「工作物新築」の許可（公園法１７条３項１号）を要せずして設置を許可されているのであって，その経済的価値や近緑法に基づく届出のされていることにより「仮工作物」該当性が否定されるものではない。
（４）　以上によれば，処分４は適法であるといえる。
４　結論
　よって，原告の請求はいずれも理由がないから，主文のとおり判決する。
大阪地方裁判所第７民事部
裁判長裁判官　山下郁夫
裁判官　山田明
裁判官　小泉満理子
      
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   <title>H15. 2.27 東京高裁 平成14(行コ)227 損害賠償代位請求控訴事件</title>
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   <summary>H15. 2.27 東京高裁 平成14(行コ)227 損害賠償代位請求控訴事件
　主文： １　原判決を取り消す。
２　被控訴人Ａは，埼玉県騎西町に対し，１４５万６０１５円及びうち１４５万６０００円に対する平成１２年８月２５日から支払済みまで年５分の割合による金員並びに，被控訴人Ｂと連帯して，１１万２０１２円及びこれに対する同月２６日から支払済みまで年５分の割合による金員を支払え。</summary>
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      H15. 2.27 東京高裁 平成14(行コ)227 損害賠償代位請求控訴事件（原審・さいたま地方裁判所平成１２年（行ウ）第２５号）

　主文
１　原判決を取り消す。
２　被控訴人Ａは，埼玉県騎西町に対し，１４５万６０１５円及びうち１４５万６０００円に対する平成１２年８月２５日から支払済みまで年５分の割合による金員並びに，被控訴人Ｂと連帯して，１１万２０１２円及びこれに対する同月２６日から支払済みまで年５分の割合による金員を支払え。
３　被控訴人Ｂは，埼玉県騎西町に対し，被控訴人Ａと連帯して，１１万２０１２円及びこれに対する平成１２年８月２６日から支払済みまで年５分の割合による金員を支払え。
４　訴訟費用は，第１，２審を通じ，これを２０分し，その１９を被控訴人Ａの負担とし，その余を被控訴人Ｂの負担とする。
５　この判決は，第２，３項に限り仮に執行することができる。
　事実及び理由
第１　控訴の趣旨
　主文同旨
第２　事案の概要
　本件は，埼玉県騎西町において，平成１１年１０月２７日から同月２８日にわたって実施された，同町の区長・区長代理５０人の視察研修・栃木県防災館見学（以下「本件視察」という。）について，本件視察は，実質的には観光及び懇親を目的とした慰安旅行に過ぎず，これに充てられた公金１５６万８０１２円（区長らの参加費用１４５万６０００円及び被控訴人ら町職員の参加費用１１万２０１２円）の支出は，地方財政法４条１項（最少経費原則）に反し違法であり，騎西町は同額の損害を被ったとして，騎西町の住民である控訴人が上記公金を支出した被控訴人らに対し，騎西町に代位して損害賠償（付帯請求の起算日は不法行為の日の後である各訴状送達の日の翌日であるので，被控訴人Ａについては平成１２年８月２５日，被控訴人Ｂについては同月２６日となる。）を請求した事案である。
　被控訴人らは，平成１１年１０月２６日（本件視察の前日）に，騎西町から全区長に対し平成１１年度の行政区運営委託料の増額分（区長一人当たり２万８０００円×５２）として１４５万６０００円（以下「本件増額支出」という。）が支払われたが，本件視察の旅費として支出されたものではなく，これが実際上区長らの参加費用（区長ら一人当たり２万９０００円）に充てられたとしても，本件視察に参加した区長各自の判断によるものであって，上記区長らの参加費用は自己負担によるものであること，また，被控訴人らほか３人の町職員の参加費用（旅費，時間外手当，公用車使用料等及び有料道路代金）１１万２０１２円（以下「本件旅費支出等」という。）は，公務として本件視察に参加するためのものであったから，いずれも違法な公金の支出ではないなどと主張して争った。
　原審は，本件増額支出を町長として決裁した被控訴人Ａの判断には裁量権の濫用・逸脱はなく，本件増額支出は違法な公金支出に当たらない，本件視察は区長会が実施主体となって各区長の負担で実施されたもので騎西町が実施したものではないが，被控訴人ら町職員が本件視察に参加したことは，町長，町職員として適切な行為であり公務と評価すべきであるとして，本件旅費支出等も違法な公金支出に当たらないとして，控訴人の損害賠償請求を棄却した。なお，騎西町の総務課長であった被控訴人Ｂの本件増額支出についての決裁権限の有無も，争点となり，原審は，被控訴人Ｂの専決権限を否定して，被控訴人Ｂに対する訴え中本件増額支出に係る部分（区長の参加費用１４５万６０００円に係る損害賠償請求）を却下したが，控訴人は，この部分に対する控訴を取り下げたので，被控訴人Ｂに対しては，本件旅費支出に係る部分のみの訴え（１１万２０１２円の損害賠償請求）が当審の対象となった。
　本件事案の概要は，次のとおり付加するほか，原判決の「事実及び理由」中の「第２　事案の概要」欄に記載のとおりであるから，これを引用する。
（控訴人の当審における主張）
　本件増額支出について，被控訴人らは，区長が町の行事等への関与に必要な日数を概ね１０日と見積もり，これに特別職非常勤職員の職務遂行に伴う実費としての費用弁償額単価７２００円を乗じた７万２０００円と積算した上，予算の制約等を勘案して区長一人当たりの増額分を２万８０００円の限度とし，結局，区長一人当たりの行政区運営委託料は年額６万７０００円となったと主張し，原判決もこれを認めている。しかし，本件増額支出も含めて騎西町から区長に対し支給される行政委託料，行政区運営委託料の金額等具体的な内訳は，平成１１年度の騎西町の予算書，決算書に一切記載されておらず，その点は区長の視察旅行が町主催で行われていた平成１０年度と異ならないのであり，上記被控訴人らの主張するところは予算書，決算書等の何ら裏付けのないものである。また，区長の町の行事等への関与日数は従来から明らかであるし，７万２０００円といったん積算しておきながら，増額分が２万８０００円となるように決定した具体的な根拠・理由が明らかでない。以上から見ても，本件増額支出は，視察に充てる予算額を変えずに，内部的な名目変更をしたに過ぎないものというべきである。
　本件視察の日程やこの費用に行政区運営委託料の一部を充てること，その受領を区長会長に一任すること等について，区長会役員会や区長全体会議で決定，了承されたことはない。しかも，本件増額支出については，実際には区長会長を経由せずに，町の会計課窓口から町職員であるＣ総務課主事に支払われているし，本件視察における支出処理についても，本件視察後に区長会役員会に対する報告がされただけで，区長会の監査も経ていない。また，本件視察に参加しなかった区長らへの本件増額支出分は，区長会長，役員の一致した意見の下に，Ｃ主事が保管しているが，行政区運営委託料であり個々の区長への報酬の性質を持つ以上，不参加の区長に個別に支払われるべきであるのに，そうした処理がされていない。以上から見ても，本件増額支出は，実質において，町が本件視察のために行った公金支出であることが明らかである。
　本件視察には，栃木県防災館の見学が含まれているが，無料で一般市民に公開されている県外の施設にわざわざ出かけて見学することが区長らの職務上必要であったとは到底いえないし，その見学も，日帰りが十分可能な距離・内容であって，宿泊を伴う必要がなかったこと，わざわざ遠方の温泉旅館に出かけて懇親会を開催し，２日目の漁港・魚センターに立ち寄るなど，研修・視察とは全く関係がない懇親・観光の日程が含まれていたことから見て，本件視察が，研修・視察ではなく，慰安旅行であったことは明らかである。被控訴人らの主張するオウム真理教問題に関する説明等は，旅行目的と関係なく，被控訴人ら町職員の本件視察への参加は，およそ公務に当たらないので，本件旅費支出等は，社会通念を逸脱し，行政の遂行上から見ても，不必要かつ不相当なものであって，地方自治法２条１４項及び地方財政法４条１項に明らかに違反する。
（被控訴人らの当審における反論）
　騎西町においては，平成１１年度から行政改革の一環として，各種委員会等の視察旅行の見直しの必要があり，町主催の区長視察旅行も平成１１年度から予算を削除することとする一方で，これとは別の考慮，すなわち，地域内の連携・協調性が希薄化する中で，地方分権を推進していくために，地域活動の重要性が高まり，区長の職務も多様化・煩雑化して区長の負担が増加していることを考慮して，同年度に行政区運営委託料を増額する方針案が取りまとめられた。そして，いずれについても，同年１月２１日の町長査定，同年第１回定例議会における同年度一般会計予算審議を経て，同年３月１８日に議会で上記の方針に基づく予算が可決承認されたものである。予算書，その附属資料である「予算に関する説明書」等の説明欄の記載事項は，複雑化等を避けるために，事業項目等を全て明示することなく，関連する事業等を整理し取りまとめて記載するのが通例であり，これに記載がないからといって本件増額支出の根拠がないことにはならない。
　本件視察は，区長会主催で行うことや，視察場所，宿泊先等の具体的な内容について，平成１１年８月６日の区長役員会で取りまとめをし，同日午後の全区長が出席する第２回区長連絡会議における全区長の了解を得て，区長会が企画し実施したものであり，騎西町が主催したものではなく，町の予算上も，行政区運営委託料には本件視察の費用は一切計上されていない。確かに，本件増額支出は，本件視察の前日に町から支出されているが，増額を行うこと自体については、既に半年以上前の予算の検討・審議において決定されていたものである。そして、各区長が，職務遂行の対価として支払を受けた行政区運営委託料を，自らの判断で本件視察の費用に充てただけであり，区長が上記委託料をどのように使うかについては，町長のあずかり知らない事項であって，町長に責任のないことはいうまでもない。いずれにせよ，本件増額支出は，違法な公金支出といえないことは明らかである。
　本件視察の内容も，区長が地域リーダーとしての知識を高めるとともに，相互に親睦を深めるためのものであり，被控訴人ら町職員の参加も，行政活動を補完する区長との関係を良好に保ち地域に密着した行攻を展開するため，社会通念上相当な範囲で対応したものであって，本件旅費支出等も違法な公金支出ではない。
第３　当裁判所の判断
１　まず，本件の事実関係について判断する。
（１）　騎西町の行政区の性格と町総務課の関わり，本件増額支出の決定経緯，区長に対する研修実施の態様の変更，本件視察決定の経緯，本件増額支出の会計処理及び実施された本件視察の具体的内容は，原判決１４頁２５行目冒頭から同２０頁１５行目末尾まで（ただし，同１６頁７行目冒頭から１４行目末尾までの（イ）欄を除く。）に記載のとおりであるから，これを引用する。
　なお，当審の証人Ｄの証言及び甲８号証（Ｄの陳述書）中には，区長役員会や区長全体会が，本件視察の日程や内容を決定したり，これを区長会主催とすること，更にはその費用に充てることとなる本件増額支出の受領を区長会長に一任したり，その保管を町総務課にゆだねることを決定したことはない旨を述べる部分があるが，当該部分は，上記事実の認定証拠に照らして採用できない。
（２）　被控訴人らは，平成１２年度の予算案作成の段階から，区長に対する行政区運営委託料を本件増額支出のとおり増額する必要があったとする。なるほど，区長の職務とそれを取り巻く地域環境の変化等から見て，区長の地域活動の負担が増加しつつあり，区長の職務遂行の対価である行政区運営委託料について，増額の必要性が生じていたであろうことは理解できないではない。そして，被控訴人らの主張によれば，本件増額支出の具体的な算定根拠として，特別職非常勤職員（昭和６２年度の条例改正まで区長にはこの地位が認められていた。）の職務遂行に伴う実費としての費用弁償額単価７２００円に，区長が地域活動（町の行事・事業等への関与）に必要な日数である概ね１０日を乗じて，区長一人当たり７万２０００円と積算した上で，町の財政状況や従来の経緯等を踏まえ，区長等に関わる従来の予算額の総枠内で見直すという考え方から，前年度より２万８０００円を増額した６万７０００円とするにとどめたというのである。しかし，区長の負担増に対応するために増額するのであれば，算定に用いた費用弁償額単価や地域活動の必要日数についても，従前の算定に用いていたものから増額ないし増加させたものを用いる必要があるはずであるのに，従前と同様のものを使用していることから見て，前年度３万９０００円であったものを，７割以上も増額させる根拠の説明としては十分とはいいがたいと評価せざるを得ない。
（３）　一方，区長の視察旅行が町主催で行われた平成１０年度におけるこの視察旅行に支出された公費は，合計１３５万１４２９円であり，これと本件増額支出と本件旅費支出等の合計額である１４５万６０００円との間には１０万円程度の違いしかないものとなっている。この事実と，本件増額支出の額の決定において，積算上７万２０００円とすべきところを６万７０００円に抑えた理由として，被控訴人らが区長関係の従来の予算額の総枠内での見直しという考え方を挙げていることを合わせ考えると，本件増額支出は，実質的には，平成１１年度予算では計上しなかった，区長の視察旅行に要する費用額に充てるためのものであったといわざるを得ない。現に，この区長一人当たり２万８０００円という増加額は，本件視察の区長一人当たりの参加費用である２万９０００円にほぼ見合うものとなっている。
（４）　さらに，本件増額支出は，本件視察の前日（平成１１年１０月２６日）に全額支出されているところ，これが本件視察に参加した区長なり区長代理の参加費用に充てることになることは，町側においても認識していたことは明らかである（この点は，被控訴人らも争っていない。）。しかも，その支払形態は，区長役員会や区長全体会の了承があったとはいえ，各区長が，町の会計課で個別に受領して，領収書に相当する「債権者・職員（集合〉票」に受領印を押すという通常の方法（乙１２，１４，被控訴人Ｂ）とは違って，区長会の会長が一括して「支出負担行為兼支出命令票」に受領印を押す（乙１３）というものであるし，支出された現金の実際の保管管理は，区長会の事務局という名目の下に，町の総務課において行っていたのである。ところで，本件視察には，２名の区長が欠席したが（甲１），本件増額支出中，この２名の区長に対する分は，行政区運営委託料である限り，当該欠席した区長に交付されるべきであるのに，本件視察の終了後も，町の総務課において保管していて，欠席した区長に交付されていない（被控訴人Ｂ）。また，区長会には，会計担当区長がいるにもかかわらず，本件視察の会計報告（乙８）は，町の総務課の職員が作成しこれに区長会の会長が承認印を押しただけであり，会計担当区長が作成に関与したり承認した形跡はない（被控訴人Ｂ，証人Ｄ）。
（５）　以上に認定した本件増額支出の金額，その金額の算定に至る経過，実際にとられた支出や管理の方法等を総合すると，本件増額支出は，区長が本件視察に参加する費用に充てることを目的として予算に計上され，被控訴人Ａが騎西町の長としての予算執行権限を行使し，区長らの本件視察の参加費用として，区長らに対し，支払われたものであると評価せざるを得ない。そして，本件視察は，区長会の主催で企画・実施された形式をとってはいるが，上記の費用の賄い方，会計報告から見ると，名ばかりであったといわざるを得ず，本件増額支出の使途について見ても，区長が本件視察に参加する費用に充てることに限定されており，区長の自らの判断でその使途を決定できるものとして支払われていないと断ぜざるを得ない。
　本件増額支出によって増額された騎西町の区長の行政区運営委託料等が，埼玉県内４７市町村における区長等への報酬支払状況の実績（乙９）で見ると，概ね２６番目にランクされることは，既に認定したとおりであるが，この実績が平成１２年１２月現在のものであることからすると，本件増額支出を予算化する段階で考慮されたものではないし，そもそも，この事実は，上記認定の妨げとなるものではない。
２　そこで次に，本件増額支出という形での公金支出が，町長としての被控訴人Ａの裁量権の濫用ないし逸脱に当たるかが問題となる。具体的に問題となるのは，区長の本件視察への参加費用として公金を支出した判断の当否である。
（１）　本件視察の内容は，原判決の別紙２「旅行日程表」（乙７の２）のとおりであり，視察ないし研修的な意味合いを持つものは，１日目の栃木県防災館の見学程度である。本件視察は，この日程を見ただけでも，相当部分が慰安ないし観光的要素のものであったものといわざるを得ない。栃木県防災館の見学にしても，地域の防災対策という区長の職務に役立つ面があることは否定できないとしても，栃木県防災館自体は無料の施設であるし，わざわざ県外の施設にまで出向く必要性があったのかとの疑問がある上，変更前の日程（原判決の別紙１「旅行日程表（変更前）」（乙７の１））で予定されていたα・茨城原子力科学館（原子力発電所）のような，区長の職務に関連する見分や知識を広める視察や研修の意義が認められる見学先はなく，これが中止された後においても，これに匹敵する代替見学先が検討されたこともないことからすると，視察・研修のために宿泊をする必要性があったとは到底認められない。
（２）　もとより，地域社会において行政を補完する役割を果たす区長の業務からすれば，区長同士や区長と町の責任者が，相互に理解や懇親を深めることが円滑な区長の職務遂行につながる面があることは確かであるが，ここでは，そのために公金を用いてまで，本件視察のような行事を実施する必要があるかが問われているのである。そして，本件視察の会計報告（乙８）の支出の部によると，区長等の宿泊費が５６万９４００円（このほか乗務員の宿泊費として２万８８００円が計上されている。），宴会費（カラオケ代，朝食の飲物等含む。）が３１万２６０１円であったから，宿泊をし懇親会を開くために，少なくとも８８万２００１円の費用を要している。本件視察に参加した区長ないし区長代理は５０名であるので，本件視察に区長が参加するために，２万８０００円の５０人分である１４０万円の公金が支出されていることになるが，その６割を超える部分が宿泊と懇親会に充てられていることになる。以上に２日目の昼食代（８万１９００円）や昼のビール代（１万５７５０円）も加えると，実に１４０万円の７割に相当することになるのであり，その使途だけから見ても，公務に必要な相互理解・懇親の必要性を超え，区長に対する慰安の要素が強かったものと評価せざるを得ない。
（３）　一方，証拠（乙１０，２２，被控訴人Ｂ）によると，バスによる移動時間を利用して，被控訴人Ｂらから，当時地域の懸案となっていたオウム真理教進出問題について，町の基本方針や対応策の説明，協力依頼があり，区長等との間で意見交換が行われたこと，及び，懇親会の冒頭では，被控訴人Ａから平成１１年度における町の主要施策・事業の概要等の説明があり，区長等との間で意見交換が行われたことが認められる。被控訴人らは，これらを一つの根拠として，本件視察への被控訴人らの参加が公務としての性格を持っていたと主張する。しかし，前者については，乙１５，１６号証ないし類似の資料が配付されたことが認められないではないが，後者については，資料が配付されたことを認めるに足りる証拠はないし，いずれについても，議事録等意見交換の結果についての記録が残されているわけではなく，移動する車中ないし懇親会の冒頭といった各状況から見て，ごく短時間のものであって，突っ込んだ意見交換がされたとは，到底考えられない。いずれにせよ，このことをもって，本件視察の基本的な性格や目的において，慰安ないし観光の要素が強いものであったとの推認を覆すことはできない。
（４）　以上認定した本件視察の性格や目的，公金の使途等については，被控訴人Ａにおいて事前にその概要を認識していたと推認すべきであり，これらの事実を総合勘案すると，本件視察に対する本件増額支出は，社会通念上相当な範囲にとどまるものとは考えられず，本件増額支出のため公金を支出した被控訴人Ａの判断は，町長に許された予算執行上の裁量権を逸脱したもので，違法な財務会計上の行為というべきである。したがって，被控訴人Ａには，本件増額支出について，騎西町に対し，同額の損害賠償をする責任がある。
３　次に，本件旅費支出等の違法性について判断する。
（１）　上記２認定のとおり，本件視察には栃木県防災館の訪問，オウム真理教進出問題に対する対応や方針の説明のように，区長の職務遂行に必要な見分や知識を広める視察・研修的な要素があったし，区長同士ないし区長と町の担当者との間で，相互の理解や懇親を深めることによつて，日常的な地域社会における公務の円滑な遂行に役立つ面があったことは否定できない。しかし，本件視察を全体として見れば，相互理解や懇親の域を超えて，慰安ないし観光に比重が置かれたものであったのであるから，こうした行事に被控訴人ら町の職員が参加することは，町の総務課が区長会の事務局的な機能を果たしているとの点を考慮しても，公務とはいえないものである。したがって，本件旅費支出等のため公金を支出した町側の判断も，予算執行上の裁量権を逸脱した違法な財務会計上の行為というべきである。
（２）　本件旅費支出等を構成する各費目（旅費７万９４００円，時間外手当４０７４円，公用車使用料（燃料代及び軽油税）１万８７３８円及び有料道路代金（町長車分）９８００円）はいずれも１０万円未満であり，被控訴人Ｂが騎西町の規程で認められている権限により専決処理しているところ，被控訴人Ｂは，行政区に関する事務を所管する総務課の課長として，本件視察が慰安ないし観光を主な目的とするものであるのに，公金である本件増額支出によって賄われることを知りながら，これに参加する町職員の旅費等や町長の有料道路代金の支払に充てる本件旅費支出等の支出を承認したのであるから，これが重過失（地方自治法２４３条の２第１項後段）に基づくものであることは明らかである。したがって，被控訴人Ｂには，本件旅費支出等について，騎西町に対し，同額の損害賠償をする責任がある。
　また，本件旅費支出に至る経過によれば，被控訴人Ａにも，被控訴人Ｂが上記財務会計上の違法行為を阻止すべき指揮監督上の義務があったのに，これを怠った過失が認められるので，騎西町に対し，被控訴人Ｂと連帯して本件旅費支出に対応する損害賠償をする責任がある。
４　以上のとおりであるので，違法な財務会計上の行為により騎西町に損害を与えた被控訴人らに対し，騎西町に代位して損害賠償金の支払を求める控訴人の請求は相当であり，本件控訴は理由がある。よって，原判決を取り消し，被控訴人らに対する損害賠償請求を認容することとして，主文のとおり判決する（なお，主文２項の１４５万６０１５円中の１５円は，本件旅費支出等に係る１１万２０１２円に対する平成１２年８月２５日分の遅延損害金である。）。
東京高等裁判所第２民事部
裁判長裁判官　森脇勝
裁判官　林道晴
裁判官　藤下健
      
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   <title>H15. 2.27 高松高裁 平成12(行コ)17 損害賠償代位請求控訴事件</title>
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   <published>2008-12-11T07:53:58Z</published>
   <updated>2008-12-11T07:55:27Z</updated>
   
   <summary>H15. 2.27 高松高裁 平成12(行コ)17 損害賠償代位請求控訴事件
　主文： １　原判決を次のとおり変更する。
（１）　被控訴人は，高松市に対し，金５億５０００万円及び内金２億円に対しては平成９年７月１３日から，内金３億５０００万円に対しては平成９年１２月２３日から，各支払済みまで年５分の割合による金員を支払え。</summary>
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      H15. 2.27 高松高裁 平成12(行コ)17 損害賠償代位請求控訴事件（原審・高松地方裁判所平成９年（行ウ）第７号）

　主文
１　原判決を次のとおり変更する。
（１）　被控訴人は，高松市に対し，金５億５０００万円及び内金２億円に対しては平成９年７月１３日から，内金３億５０００万円に対しては平成９年１２月２３日から，各支払済みまで年５分の割合による金員を支払え。
（２）　控訴人のその余の請求を棄却する。
２　訴訟費用は，第１，２審とも被控訴人の負担とする。
　事実及び理由
第１　控訴の趣旨
１　原判決を取り消す。
２　被控訴人は，高松市に対し，金５億５０００万円及びこれに対する平成９年７月１３日から支払済みまで年５分の割合による金員を支払え。
３　仮執行の宣言
第２　事案の概要
１　原判決の引用
　本件請求の概要，前提事実等，争点及び争点に対する当事者の主張は，以下のとおり補正するほか，原判決「事実及び理由」第二の一ないし四（２頁９行目から２９頁７行目まで）記載のとおりであるから，これを引用する。
（１）　原判決３頁２行目の「一三八条の二」の次に「（平成１１年法律第８７号による改正前のもの。以下同じ。）」を，５行目から６行目の「二四二条の二第一項四号前段」の次に「（平成１４年法律第４号による改正前のもの）」を各加える。
（２）　同４頁４行目冒頭の「立法メートル」を「立方メートル」に，末行の「弦打漁協は、高松市αにおいて」を「弦打漁協の組合員は，高松市αにおいて，同漁協の有する第１種区画漁業権及び第３種区画漁業権に基づき」に各改める。
（３）　同５頁２行目の「区第一〇〇号」を「区第１００８号」に，６行目の「東川」を「香東川」に各改める。
（４）　同６頁５行目の「弦打漁協」の次に「の組合員」を加え，６行目から７行目の「取っていた。」を「とる者が多かった。」に改める。
（５）　同７頁２行目の「同年」を「平成９年」に改め，５行目の「衛生課長の」の次に「平成８年１２月２５日付け及び平成９年３月３０日付け各」を加え，１０行目の「支出された二つの公金を」を「２回にわたって支出された公金を，合わせて」に改める。
（６）　同８頁３行目から４行目の括弧書を削り，４行目末尾から５行目冒頭の「二億円以外の」を鉤括弧「」で括り，６行目の「同年六月三日付けで右住民監査請求を」を「両住民監査請求につき，それぞれ，同年６月３日付けで請求を」に改め，７行目の「同通知は」の次に「，それぞれ」を加え，８行目から９行目の「。以下、合わせて『本件住民監査』という。」を削る。
（７）　同９頁７行目の「提出し」の次に「（同日被控訴人に送達）」を加える。
（８）　同１０頁２行目の「故意・過失，損害」を「被控訴人の故意・過失」に，７行目の「損害」を「損害賠償」に各改める。
（９）　同１１頁５行目の「損害賠償代位の訴え」を「損害賠償代位請求の訴え」に改める。
（１０）　同１２頁５行目の「違法性）」の次に「及び争点３（被控訴人の故意・過失）」を加える。
（１１）　同１５頁８行目の「立法メートル」を「立方メートル」に，９行目の「排水量が約一七五立法メートル」を「排水量約１７５立方メートル」に各改める。
（１２）　同１６頁末行の「高松市食肉センター」を「本件新食肉センター」に改める。
（１３）　同１７頁１０行目から１８頁２行目までを削る。
（１４）　同１８頁４行目から５行目及び７行目の各「高松市食肉センター」をいずれも「本件新食肉センター」に改める。
（１５）　同２１頁２行目の「故意・過失，損害」を「被控訴人の故意・過失」に改め，５行目の「二三二条一項」の次に「（平成１１年法律第８７号による改正前のもの）」を，６行目の「二条一三項」の次に「（平成１１年法律第８７号による改正前のもの）」を各加え，８行目の「本件合意」を「本件漁業補償契約」に改める。
（１６）　同２２頁７行目の「暫時」を「漸次」に改める。
（１７）　同２３頁末行の「残すことになる上」から２４頁１行目の「上回ることになるから」までを「残すことになるから」に改める。
（１８）　同２６頁８行目の「本件合意の締結に際し」を削る。
（１９）　同２９頁６行目の「故意・過失，損害」を「被控訴人の故意・過失」に改める。
２　当審補充主張
（１）　被控訴人
ア　行政の分野においては，その本来の公益目的を実現するため，流動する複雑多様な事態に対応して，弾力的な判断，運用が要請される場合が少なくない。本件においては，被控訴人は，後記のような理由から，消滅補償の必要性があるとの政策的判断をして，本件漁業補償契約を締結したものであって，同契約は適法であり，被控訴人に誠実執行義務違反はない。また，本件のような場合には，その判断が著しく不当とされるものでない限り，判断の当否は政治的責任の範疇に属することであり，法的責任の問題は生じないものというべきである。
イ　本件新食肉センター設置事業は，昭和４５年ころよりほぼ毎年のように高松市議会定例会で質疑事項の対象となっており，いわば積年にわたる高松市の最重要の行政課題であった。
　そして，同センター設置の問題は，地元住民の理解と協力なくしてはなしえないとの共通認識のもと，移転先候補地が明確化した平成元年ころからは，市議会の質疑事項でも，専ら「地元対策」がその焦点とされた。
　また，都市計画法上，同センターのようないわゆる迷惑施設の設置計画を実現するためには都市計画の決定手続を経ることを要し，市町村が都市計画を定めるためには都道府県知事の承認を得る必要があるとされている。そして，知事が都市計画を承認する際には都市計画地方審議会の議を経なければならないとされているところ，その審議の過程で常に指摘されてきたのが，周辺地区住民の同意状況や当該迷惑施設の設置において直接権利侵害を受けることが予想される利害関係人との合意状況であった。このことから，都市計画地方審議会の理解を得るために，県と市の間で，都市計画（案）受理前に事前協議がされ，これら同意状況につき県から行政指導がされるという構造になっていた。このため，高松市が本件新食肉センターを建設するに当たっても，少なくとも一定の施設周辺関係者の同意が得られない限り，都市計画地方審議会の理解を得られないことになり，同意が事前に得られない場合には，県の行政指導との関係から，県による市の都市計画（案）の受理も適わぬこととなり，受理前の段階で，施設設置計画が中断・挫折することにもなる。
　そして，仮に，不十分な同意状況のもとで迷惑施設の建設にかかったとすれば，施設周辺関係者からの事実上又は法的手続による阻止行動に遭遇し，その結果，事実上又は法律上施設の設置が大幅に遅延しあるいは中止に追い込まれることにもなりかねない。
　このように，地元の同意は，本件新食肉センター設置に必要不可欠であると認識されてきたものであった。
ウ　弦打漁協の組合員の大多数は，地元のβ自治会の住民であったところ，本件新食肉センターの設置を，死活問題（排出水の漁業への悪影響）ないし同地区の淡水漁業従事者に対する戦前からの職業的差別意識の増長要因と捉え，永らく同センターの設置自体に反対していた。しかし，前高松市長ａ及び当時の環境部長ｂの説得工作により，弦打漁協より，同センター設置に対する交渉の場につく前提条件として，区画漁業権の消滅とその補償の要求がされた。高松市としては，この機会を逃しては，地元住民の協力を得られず，本件新食肉センターの早期実現という積年にわたる行政課題を解決できないと判断し，当該消滅補償要求の妥当性を検討することとしたのである。
エ　すなわち，高松市（担当者）としては，本件新食肉センターの有用性とその早期実現の必要性という公益目的を達成するために，同センターからの排出水による地元漁協に対する直接被害及び風評被害の蓋然性の検討に加えて，職業的差別意識解消方策の一環としてもこの問題を検討し，地元住民の同意が必要不可欠であるとの過去の行政経験による共通認識のもと，裁量権の範囲内において消滅補償が妥当であるとの合目的的判断を下したものである。市長としての被控訴人も，同様の認識のもとにこの判断をしたものであり，当該判断自体，社会通念上も妥当な判断であったものである。
オ　なお，被控訴人は，原審において，影響補償の試算額につき，１年ごとに１億円少々であり，補償期間は少なくとも数年以上継続するものであった旨主張した。しかし，当審において改めて調査したところ，当時行った影響補償の試算額は，影響期間を６年間とし，この間の補償総額が１億４４００万円余りであるとするものであったことが判明した。したがって，高松市（担当者）において，消滅補償方式と影響補償方式とを比較検討した上で，金額的に消滅補償方式が高松市にとって有利であると判断した，というものではなかったので，被控訴人は，影響補償についての原審での主張を撤回する。
（２）　控訴人
ア　被控訴人は，「その判断が著しく不当とされるものでない限り，判断の当否は政治的責任の範疇に属することであり，法的責任の問題は生じない」との独自の基準を作っている。しかし，控訴人の主張は，本件漁業補償金の支出は必要のない違法な公金支出であるというのに尽きるものであり，厳格な調査も経ずに５億５０００万円という多額の公金支出をしたことについて被控訴人に法的責任があることはいうまでもない。けだし，被控訴人は，初めに「消滅補償ありき」として，補償金の具体的な積算も怠ったものであり，仮に漁業補償の必要性があると判断したとしても，香東川流域下水道事業が完成するまでの影響補償で足りたのに，あえて消滅補償として５億５０００万円という多額の公金を支出したのであり，その判断はまさに「著しく不当」であり，法的責任を負わせるのに十分であるからである。
イ　本件新食肉センターについては必要性がないという主張も多く，仮に有用性や早期実現の必要性があると仮定しても，現実に漁業損失の生じない場合に漁業補償金を支出する必要はない。
　被控訴人は，地元の同意が不可欠であると認識してきたと主張するが，虚偽である。高松市は，香川県の行政指導により本件新食肉センターから半径５００ｍ以内の住民の同意が必要であると言いながら，その範囲内の区域であるγ自治会の住民の同意を得ることなく，同センターの建設を行ったのである。それでも，同自治会の住民が工事を妨害したという事実はない。また，地元の同意は，何ら同センター建設に係る法定要件ではない。さらに，当然のことながら，地元の同意を得るためなら違法な漁業補償金の支出が許されるというわけでもない。
ウ　被控訴人のいう職業的差別意識解消方策と本件漁業補償金の支出とは何の関係もない。弦打漁協の組合員が本件漁業補償金の支給を受けたとしても，β地区内に食肉センターが建設されることに変わりなく，何ら職業的差別意識解消方策にはならない。仮に，職業的差別意識対象からの解放の切実な要求があったとしても，公金を漁業権の消滅補償金の名目で支出することは許されない。また，仮に何らかの漁業補償を要するとしても，漁業権の影響補償とするのか，消滅補償とするのかの検討もしないで，職業的差別意識解消方策という理由で初めから消滅補償と決めてかかっていたのであり，このような結論を追認した被控訴人にも法的責任があることは明らかである。
エ　被控訴人は，本件漁業補償金の支出の判断が社会通念上も妥当な判断であったなどと主張するが，何らの根拠も証拠もない。同主張が前提とする本件新食肉センターの有用性や必要性，本件漁場での直接被害及び風評被害の蓋然性，職業的差別意識解消方策との関連性，地元住民の同意が必要不可欠であることはいずれも認められない。
オ　被控訴人が影響補償の試算額についての原審における主張を撤回したことにより，同主張を前提とした原判決の誤りが明らかとなった。控訴人は，影響補償も含め漁業補償の必要性を認めるものではないが，仮に被控訴人主張の影響補償の金額で計算したとすれば，本件新食肉センターの運用開始日である平成１１年１１月１日から香東川流域下水道事業の供用開始日である平成１３年８月１日まで２年間弱の約４８００万円（１億４４００万円÷６年×２年間＝４８００万円）で済んだのであり，高松市に対し，少なくとも５億０２００万円の損害を与えたことになる。
第３　当裁判所の判断
１　争点１（本件訴えのうち，３億５０００万円の損害賠償を求める追加的変更分は適法か）について
　当裁判所も，控訴人の平成９年１２月２２日付け訴えの変更申立書により拡張された請求部分（３億５０００万円の損害賠償を求める部分）に係る訴えは適法であると判断する。その理由は，次のとおり補正するほか，原判決２９頁１０行目（ただし，冒頭の「１」を除く。）から３１頁末行までのとおりであるから，これを引用する。
（１）　原判決３０頁１０行目の「被告の支出命令」を「被控訴人が専決処理させた衛生課長の支出命令」に，末行の「本件漁業契約」を「本件漁業補償契約」に各改める。
（２）　同３１頁２行目の「被告が」から４行目冒頭の「の二６）」までを次のとおり改める。
「平成９年４月４日，２億円の公金支出が違法であるなどと主張して住民監査請求を行い，続いて同月１８日には，『２億円以外の』公金支出も違法であるなどと主張して住民監査請求を行った（これは，訴えの追加的変更に係る３億５０００万円の公金支出を対象とするものであることが明らかである。）のであるが，同年６月４日に住民監査請求棄却の各監査結果の通知を受けた後，本件訴えの提起に際しては，２億円の公金支出が違法であるとして，被控訴人に対する２億円の損害賠償代位請求の訴えとし（原判決第二の二６（一）），その後，被控訴人の平成９年１１月１２日付け準備書面において本件漁業補償金が合計５億５０００万円であることが明らかにされるに及んで，同年１２月２２日，訴えの追加的変更をしたものであるところ（原判決第二の二６（二），本件記録），弁論の全趣旨によると，控訴人が本件訴え提起の段階で請求金額を２億円に限定したのは，本来，本件漁業補償金全額を請求額としたかったものの，高松市が２億円以外の公金支出額を明らかにしていなかったため，現在の民事訴訟の制度では請求額を特定しない金員の給付請求の訴えは認められないことから，やむを得ずそのように限定したものであると推認されること」
（３）　同３１頁６行目の「損害賠償代位請求については」を「損害賠償代位請求は，出訴期間の関係においては」に，８行目の「本件住民監査の通知」を「各監査結果の通知の送達を受けた平成９年６月４日」に各改める。
２　争点２（本件漁業補償金支出の違法性）について
（１）　前提事実等（原判決引用部分）に加え，証拠（甲４，７，９，１７の１～８，１８の１～２４，１９ないし２６，２８，乙１，５，９，１０，１４ないし１６，証人ｃ，同ｄ，同ｅ，同ｂ，農林水産省中国四国農政局香川統計情報事務所に対する調査嘱託，高松市に対する調査嘱託〔３件〕）及び弁論の全趣旨を総合すると，次のアないしスの事実が認められる。
ア　高松市δ所在の旧食肉センターは，昭和３０年ころに建築されたものであり，昭和４４年ころから，高松市議会において，その建物及び敷地が狭隘であること，施設が老朽化していること，周囲が住宅地であって環境上問題があること及び食肉需要の高まり等を指摘した上で，同センターの移転及び新たな施設の整備をすべきであるとの趣旨の質疑が繰り返し行われ，長年にわたり高松市の懸案事項として採り上げられてきた。また，昭和５３年９月には，高松食肉事業協同組合理事長及び旧食肉センター周辺の３自治会の会長から，と畜場の移転整備促進に関する請願がされ，同月２２日の高松市議会定例会で採択された。
　このような中で，高松市は，旧食肉センターの移転整備の必要性があるとの認識を示し，昭和５１年度からは調査費を計上して，調査と検討を進めていた。そして，昭和５９年ころには，土地開発公社による先行取得として，現在本件新食肉センターの敷地とされている土地が，生活関連等の施設用地として確保された。ところが，平成元年３月ころ，同土地が食肉センターの移転先候補地であることが明らかにされると，周辺住民の一部による反対運動や建設中止の陳情がされ，市議会でも，地元住民の理解を得るように努力することを強く要望することを含む質問等がされた。高松市は，平成２年３月には，土地開発公社から，同土地を本件新食肉センター用地として取得した。しかし，主として地元の同意が得られないとの理由により，その後も本件新食肉センター建設着手の見通しは立たず，市議会においても，地元の同意を得て早期に同計画を実現するよう求める趣旨の質問等が繰り返されていた。
イ　高松市職員として永らく各種事業の実施に伴う用地取得関係の職務に従事していたｂは，平成６年３月，市長としての任期が残り１年ほどになっていた当時の高松市長ａから直接，環境部長就任の内示を受け，同年４月１日付けで環境部長に任命された。ｂは，ａ前市長から，本件新食肉センター建設実現のため，地元の同意・協力，具体的には同センターが建設される地の直接の自治会であるβ自治会及び小学校区全体の連合自治会である弦打小学校区連合自治会，とりわけ前者の同意を取り付けることを命ぜられ，併せて，β自治会と構成員をほぼ同じくする弦打漁協の同意を取り付けることも命じられた。なお，ｂは，これらの同意を取り付ける理由についてａ前市長から告げられなかったが，用地取得業務に携わっていた経験から，予算措置の際の市議会の審議や都市計画承認の際の都市計画地方審議会の審議で地元住民の同意の有無が常に問題とされることから，上記各同意を得ることが当然必要であると認識していた。
　ｂは，ａ前市長からの指示を受けて，β自治会のｆ会長や弦打漁協のｇ組合長，ｃらと接触を持ったが，同人らは，本件新食肉センター建設に強い反対姿勢を示していた。同人らは，反対の理由として，同センターがいわゆる迷惑施設であること，同センターからの排出水が漁業に深刻な影響を与え，また，本件漁場で採取されたのり等が本件排出水放流口の近くで採取されたという理由で消費者にボイコットされるのではないかという危惧を挙げたほか，β地区の淡水漁業者に対しては戦前から職業的差別があり，食肉センターの従事者に対しても職業的差別意識が存することから，本件新食肉センターが同地区に建設されると同地区に対する差別意識を助長することになるのではないか，ということも述べていた。しかし，ｂが本件新食肉センター建設への協力依頼を継続したところ，β自治会及び弦打漁協関係者は，同地区に対して道路，下水道，公園等の環境整備が行われることと，差別意識のもとになっていた淡水漁業を廃業し，損失補償を受けることを条件に，同センター建設に同意するという方針に転換する姿勢を見せるようになった。そこで，ｂは，ｆやｃらに根回しをして，ａ前市長が β地区の住民らに直接話をする場を設けることとし，ａ前市長は，平成７年４月２６日，同地区の自治会館において，住民らに対し，同地区を本件新食肉センター建設場所と選定したことに配慮不足があったとして謝罪し，地区の環境整備事業及び弦打漁協組合員に対する損失補償に誠心誠意取り組むので，同センター建設に協力してほしいと頼んだ。
ウ　平成７年４月，高松市長選挙が実施され，ａ前市長は立候補せず，被控訴人が同選挙で市長に当選した。被控訴人も，同年５月末ころ，β地区の自治会館に赴き，住民らに対し，改めて本件新食肉センター建設に対する協力を依頼した。
　弦打漁協では，このころも，組合員の間で，補償を前提に本件新食肉センター建設に同意することに賛成する者とあくまで建設に反対する者とに意見が分かれていたが，同年７月末，組合員総会を開催し，多数決により，本件漁場での漁業権を消滅させその損失補償を受けることで，同センター建設に同意する旨の決議を行った。そして，弦打漁協役員は，同年８月ころ，高松市（環境部）に対し，漁業権の消滅補償として５億５０００万円を要求し，この金額は譲れない旨の意思を伝えた。なお，弦打漁協は，この金額の積算根拠となる資料等を高松市担当者に交付することはせず，高松市担当者も，その提出を求めることをしなかった。
エ　ｂは，弦打漁協からの５億５０００万円の消滅補償の要求を受けて，部下である環境部衛生課長及び衛生課課長補佐に対し，その金額の当否について検討を命じた。
　衛生課では，弦打漁協に対する漁業補償について試算を行い，その合計額を５億５１３８万４９７０円と算出し，これを予算積算資料とすることとした。その内容は次のとおりである。①漁業権の消滅に関する補償については，黒のり，青のり，あさりの漁獲高は，農林水産省中国四国農政局香川統計情報事務所による弦打漁協の調査結果に基づき，平成元年から平成５年までの年間漁獲額の平均値（ただし，黒のりについては平成３年分を除く４年分の平均値）を平均年間漁獲額として採用し，建干網等（一本釣り等）の漁獲額は弦打漁協組合員からの聞取りによる額を採用し，平均年間経営費については，純収益率を用いることにし，過去の事例（昭和５４年ころの高松市東部下水処理場建設に伴う玉藻漁業協同組合への消滅補償）を参考にして，各魚種ごとに５０～６０％の収益率を設定し，これを平均年間漁獲額に乗じて純収益を算出し，さらに年利率８％（公共用地の取得に伴う損失補償基準細則第七４項）で除し，漁場依存度率（黒のり１００％，青のり４０％，あさり６０％，建干網等１００％）及び依存度率（１００％）を乗じて補償額を算出した。②所得に関する損失補償（転業補償）については，同様に求めた各魚種ごとの平均年間漁獲額に，過去の事例（①の事例に同じ。）を参考にそれぞれの漁種の実情を勘案して設定した所得率７０～８０％及び廃止率（①の漁場依存度率と同じ。）を乗じて所得相当額を計算し，転業期間２年ないし４年を乗ずることにより補償額を算出した。③資本に関する損失補償については，漁具等の売却損として５００万円を計上した（なお，収益率や所得率を定める上で参考にした先例の内訳及び合理性，資本に対する損失補償額の根拠は，必ずしも明らかでない。）。
　また，衛生課では，上記と異なる収益率，依存度率，所得率，転業期間等の数値を各魚種ごとに設定した複数のタイプの試算も行っていたが，これによる最高額は９億０３２５万１０３０円，最低額は４億２４１３万６１６０円であった。
オ　ｂは，衛生課職員から弦打漁協の要求額５億５０００万円が妥当な金額である旨の報告を受け，ｂ自身も同報告内容が妥当であると判断し，平成７年夏ころ，弦打漁協との間で，同金額の消滅補償をすることで，本件新食肉センターの建設に対する同意，協力を得る旨の事実上の合意をするに至った。
カ　高松市は，弦打漁協から本件新食肉センター建設の同意が得られる見通しが付いたと判断し，同センター建設事業に着手することとし，同年８月ころから，都市計画課及び衛生課の担当者が，香川県土木部都市計画課の担当者と都市計画決定についての協議を継続的に行った。この協議においては，香川県側から，高松市側に対し，火葬場等について建設省が示した「計画標準（案）」を参考に同センターから５００ｍ以内の周辺地域の住民の同意を得ておくようにとの行政指導が口頭でされた。
キ　衛生課では，上記オの算出額を踏まえ，平成８年度食肉センター事業特別会計における補償・補填及び賠償金予算として６億９０００万円の予算案を作成した。同予算案は，平成８年３月開会の高松市議会において，原案どおり可決された。
　弦打漁協は，平成８年４月に執行部が交代し，高松市環境部に対し，税引き後の手取額が５億５０００万円になるよう補償額の増額を要求した。しかし，高松市は，この要求には応じず，弦打漁協は，交渉の過程で，高松市の担当の衛生課長に漁業権の消滅補償に代えて影響補償に切り換えればどうなるかという話をしたりもしたが，所得税の問題については特別控除の措置を求めて税務当局と交渉した上，結局，同年秋ころには当初の要求額である５億５０００万円で本件新食肉センター建設に同意する方針を固めた。そして，弦打漁協は，同年１２月２１日，組合員総会を開催し（組合員６５名中６０名出席），本件漁場における漁業権を平成９年３月３１日をもって消滅することを出席者全員の賛成により議決した。
ク　高松市（代表者市長被控訴人）は，平成８年１２月２０日，弦打漁協組合員６５名全員（代理人弦打漁協代表理事ｈ）との間で大要次のとおりの内容の覚書を取り交わすことについての執行伺いに対し市長である被控訴人が決裁した上，同月２４日，衛生課長ないし環境部長の支出負担行為決裁（衛生課長の専決処理事項であるが，事案の重要性に鑑み，環境部長も決裁した。）により，同旨の覚書を取り交わした。
（ア）　弦打漁協組合員は，高松市が本件新食肉センターの建設及び操業に伴う処理水を地先海面に放流することに同意し，高松市はこれに伴い弦打漁協組合員の通常漁業の継続が不能となることにより，弦打漁協組合員の享有に係る一切の漁業権等を消滅し，弦打漁協組合員が漁業を廃止することに同意する。
（イ）　弦打漁協組合員は，本件漁場に係る各区画漁業権に関する権利その他の漁業に関する一切の権利を漁業損失補償に関する契約締結の日から放棄し，平成９年３月３１日を目途に漁業を廃止し，弦打漁協を解散するものとする。
（ウ）　高松市は，弦打漁協組合員が漁業に関する一切の権利放棄及び漁業を廃止すること並びに弦打漁協が解散することに伴い，弦打漁協組合員が受ける一切の漁業損失の補償金として５億５０００万円を弦打漁協組合員に支払うものとする。
（エ）　上記（ウ）の補償金の支払は，弦打漁協が，一切の漁業権を消滅し，組合解散の決議をしたことに伴い，補償金の一部として，２億円を支払うものとし，残金３億５０００万円については，高松市が都市計画法に規定する都市計画決定の承認を知事から受けた後に，別途漁業権損失補償に関する契約を締結し，「弦打漁協組合員が弦打漁協の解散登記を完了した後に」（ただし，この部分は，その後平成９年２月７日付け覚書の一部変更覚書により，「弦打漁協組合員が提出した漁業協同組合解散認可申請書を知事が受理した後に」と改められた。），支払うものとする。
（オ）　弦打漁協組合員は，高松市が上記都市計画決定の承認を受けられない場合又は弦打漁協組合員が弦打漁協の解散登記をしない場合は，既に支払を受けた補償金を高松市に返還する。
ケ　高松市は，上記覚書に係る合意に基づき，被控訴人が専決処理させた衛生課長の平成８年１２月２５日付け支出命令により，同月２７日，弦打漁協（組合員全員の代理人）に対し，２億円を支払った。弦打漁協は，香川県知事に対し，漁業協同組合解散認可申請書を提出し，平成９年２月１２日，受理された。
　そして，高松市（代表者市長被控訴人）は，同年３月２８日，契約締結及び契約内容についての執行伺いに対し市長である被控訴人が決裁した上，同月３０日，衛生課長の支出負担行為決裁により，弦打漁協組合員６５名全員との間で，上記クの覚書の（エ）の規定に基づき，高松市が本件新食肉センターを建設すること及び同センターの操業に伴い処理水を地先海面に放流することに対する漁業損失補償について（前文），「弦打漁協組合員は，契約締結の日から本件漁場に係る各区画漁業権に関する権利その他の漁業に関する一切の権利を放棄し，漁業を廃止し，高松市が本件新食肉センターの建設工事に着手すること，同センターの操業に伴い，高松市が事業処理水を地先海面に放流することに同意する。高松市は，上記漁業に関する一切の漁業損失の補償金として，覚書（ウ）規定の５億５０００万円のうち支払済みの２億円を差し引いた３億５０００万円を，弦打漁協組合員より適法な請求を受けた日から３０日以内に支払う。」との，覚書の内容に沿った内容の漁業損失補償に関する契約書を取り交わした。これに基づき，高松市は，被控訴人が専決処理させた衛生課長の同日付け支出命令により，同月３１日，弦打漁協（組合員全員の代理人）に対し，３億５０００万円を支払った。
コ　平成９年２月２０日開催の第９４回香川県都市計画地方審議会において，本件新食肉センター（香川県中央都市計画と畜場）の決定に関する審議がされた。同審議会では，香川県が高松市に対する行政指導で同意を得るよう求めていた同センターから５００ｍの範囲の区域の住民の一部が建設に同意していないことを問題視し，継続審議を求める趣旨の意見を述べる委員もいたが，会長名で「事業実施に当たっては，今後とも周辺住民の同意を得るよう，誠意を持って対応すること」を審議会の要望として答申することで，本件新食肉センターに関する議案を全員一致で原案どおり可決した。香川県知事は，同月２７日付けで，本件新食肉センターに係る都市計画を承認し，併せて，同日付けで，高松市長に対し，香川県都市計画地方審議会長の上記要望につき十分配慮するよう願う旨通知した。
サ　高松市は，本件漁業補償契約締結に先立ち，本件新食肉センター建設に伴う環境影響調査を実施した。その「環境影響調査報告書」（平成８年１１月付け，甲４）及びその元になる「調査予測業務」（同年１０月付け，甲７，９）によると，同年１０月９日の満潮時，中間時及び干潮時の３回行われた本件排出水の排水口から１２ｍ，２５ｍ，４０ｍの各地点の各表層，中層における水質測定の結果，ＣＯＤ（化学的酸素要求量），ＳＳ（浮遊物質量），Ｔ－Ｎ（全窒素），Ｔ－Ｐ（全リン）を水質検査項目とした予測としては，本件新食肉センターの最大排水量（２５０●／日）を前提としても，本件排出水の排水口から概ね４０ｍの範囲でしか濃度変化がなく，周辺海域への影響は軽微であり，同センターの設置に伴って周辺海域の現況の水質が悪化することはなく環境保全目標は満足されると結論付けられている。高松市の担当者から，漁業補償の交渉過程において，弦打漁協側にこの調査結果が伝えられたことはない。
　また，本件新食肉センターの操業開始後に予定されていた本件排出水の水質は次の①のとおりであり，水質汚濁防止法（排水基準を定める省令）及び香川県公害防止条例によるＢＯＤ（生物化学的酸素要求量），ＣＯＤ，ＳＳの各排水基準は，次の②及び③のとおりである。
①　本件新食肉センターの操業開始後に予定されていた本件排出水の水質
ＢＯＤ　最大１０㎎／ｌ　日間平均８㎎／ｌ
ＣＯＤ　最大２０㎎／ｌ　日間平均１８㎎／ｌ
ＳＳ　　最大１０㎎／ｌ　日間平均５㎎／ｌ
②　水質汚濁防止法（排水基準を定める省令）による排水基準
ＢＯＤ　最大１６０㎎／ｌ　日間平均１２０㎎／ｌ
ＣＯＤ　最大１６０㎎／ｌ　日間平均１２０㎎／ｌ
ＳＳ　　最大２００㎎／ｌ　日間平均１５０㎎／ｌ
③　香川県公害防止条例による排水基準
ＢＯＤ　最大３０㎎／ｌ　日間平均２０㎎／ｌ
ＣＯＤ　最大３０㎎／ｌ　日間平均２０㎎／ｌ
ＳＳ　　最大５０㎎／ｌ　日間平均４０㎎／ｌ
シ　本件新食肉センターは，原判決「事実及び理由」第二の二２後段記載のとおり，平成１０年１月にその建設工事が着工され，平成１１年３月に竣工し，同年１１月にその操業を開始し，予定どおりの量の本件排出水を放流している。
　操業開始以降，月に２回又は３回継続的に行われている本件排出水の水質検査の結果（甲１７の１～７，１８の１～２４）によると，そのＢＯＤ，ＣＯＤ及びＳＳの数値は，上記②，③の排水基準の日間平均の数値を下回っており，かつ，平成１２年２月４日のＳＳの数値が６．２㎎／ｌとされているのを除き，上記① の予定されていた本件排出水の水質の日間平均の数値をも大幅に下回っている（ＢＯＤは，平成１１年１１月２６日の３．３㎎／ｌ，平成１２年２月４日の７．８㎎／ｌを除き１㎎／ｌ前後，ＣＯＤは平成１１年１１月１２日の１２．５㎎／ｌ，同年１２月１０日の１１．４㎎／ｌを除き１０㎎／ｌ未満，ＳＳは，平成１２年２月４日の６．２㎎／ｌ，同年９月８日の３．１㎎／ｌを除き１㎎／ｌ以下。）。
ス　本件新食肉センターからの本件排出水については，公共下水道が整備された後は，下水道に放流することが予定されていた（漁業補償の交渉過程において，このことを高松市の担当者が弦打漁協側に伝えたことはない。）。この下水道事業は，香東川流域下水道事業として，香川県が，平成２年１２月，高松市，ε，ζ，η及びθとの間で協定を締結し，平成１０年度処理場供用開始，平成１３年度管渠工事完成を目標として計画したものであり，現実には平成１３年８月ころ供用が開始されている。
　以上のアないしスの事実が認められ，上記認定を覆すに足りる証拠はない。以下，上記認定事実を前提に，本件漁業補償金支出の違法性について判断する。
（２）　本件漁業補償契約は，いうまでもなく，本件新食肉センターの操業に伴い処理水（本件排出水）を同センターの地先海面に放流することによる本件漁場における漁業損失を補償する内容のものである。そして，公共事業の施行のために，漁場そのものを埋め立てたり，工事による土砂が漁場に流入するような場合と比較して，将来本件排出水の放流により本件漁場における漁業に影響が生じるかどうか，その有無及び程度を正確に予測することには大きな困難が伴うものであり，その判断は，非常に不確実な予測に基づく判断とならざるを得ない。したがって，本件排出水の放流を理由として，損失補償を行う必要があるか，仮に必要があるとした場合にどの程度の補償を行うかを，厳格かつ適正に判断することは，実際に本件新食肉センターの操業を開始してから，本件排出水の放流により，本件漁場での漁業に損害が発生するかどうかを現実に検証することなくしては容易でない。
　他方，公共事業の実施により現実に損害が発生するかどうかが判明するのを待ち，損害が生じた場合にのみ補償ないし損害賠償を行うとすれば，損害を被った者の救済は事後的なものとなり，その保護に欠けるきらいがある。また，僅かでも損害を被る可能性のある者は，当然その公共事業に反対し，あるいは事前の補償を求めることが予測される。そして，高松市では，積年の課題とされてきた本件新食肉センターの建設が，地元の同意が得られないことが主たる理由となって進捗しないでいたところ，同センター建設予定地の直接の自治会であるβ自治会と構成員をほぼ同じくする弦打漁協は，従前から本件排出水が漁業に与える影響に対する危惧等を理由に本件新食肉センターの建設に強く反対していたが，（淡水）漁業を廃業し，損失補償を受けることを条件に，同センター建設に同意するという方針に転換していたものであった。したがって，これを受け入れて漁業補償契約に応じることは，市議会や都市計画地方審議会の理解を得て，同センターの建設を早期かつ円滑に進める上で，大きな意味合いを持つものであったと認められる。このように，事前補償を行うことが，重要な行政目的を実現することに資する場合には，事前補償を行うかどうかを決定する上でそのことをも考慮することが許容されると考えられる。すなわち，将来の漁業に対する影響の有無，程度の判断に不確実な点があっても，地方公共団体の長が，事前補償契約を締結した結果として得られる行政目的遂行上の利点をも併せ考慮した上で，その裁量に基づき，事前に漁業補償契約を締結することを選択したとしても，そのことが直ちに違法になるわけではないと解される。
　しかし，漁業補償契約は，あくまでも将来発生する漁業損失を補填する性質のものであり，これにより関係者の同意が得られるということは副次的な効果として位置づけられるべきものである。したがって，事前の漁業補償契約を締結するかどうかを判断するに際して，まず吟味されなければならないのは，将来の漁業損失発生の蓋然性の程度である。仮に，ある重要な行政目的を達成する上で特定の者の同意を得る必要があったとしても，そのことを理由に，漁業損失発生の蓋然性の検討を等閑に付して，漁業補償を求める者が主張する損失発生の可能性を否定できないというだけで，事前の漁業補償契約を締結することまで，地方公共団体の長の行政裁量の範囲内にあると解することはできない。これがその行政裁量の範囲内にあると解することは，行政目的実現の名目で無制約に不必要な公金支出がされることを容認することにほかならない。まして，本件においては，市議会で地元の同意を得て早期に本件新食肉センター建設計画を実現するよう求める趣旨の質問等が繰り返され，香川県から５００ｍ以内の周辺地域の住民の同意を得ておくようにとの行政指導が口頭でされていたとはいえ，地元（本件漁業補償契約との関係でいえばβ自治会及び弦打漁協）の同意を得ることは，本件新食肉センター建設のための法律上の要件ではなかったのである（ちなみに，高松市は，同センターの建設につき，香川県が行政指導で求めた５００ｍ以内の周辺地域の自治会すべての同意を得たというわけではない。）。したがって，同センター建設による損失発生の蓋然性のない場合に，それにもかかわらず，弦打漁協の同意を得るために，事前に補償をするということは，政策的判断の名の下に許容されるものではない。
　このように考えると，地方公共団体が本件漁業補償契約のような事前の損失補償契約を締結し，その補償金を公金から支出することが許容されるためには，損害ないし損失の発生が相当程度の蓋然性をもって予測されることが必要であると解すべきである。そして，そのような蓋然性が認められる場合に初めて，行政目的の実現等の観点からの考慮をも加えて事前補償契約を締結するか，それとも現実の検証を待ち，被害が発生した場合にのみ，適正な金額を算出することが可能な事後の補償を行うかの判断が，地方公共団体の長の政策的な裁量判断に委ねられているものと解すべきである。
（３）　そこで，本件新食肉センターの操業により，本件漁場における漁業に損害が生じることが相当程度の蓋然性をもって予測されると判断することに合理性が認められるかどうかを検討する。
ア　直接被害について
　被控訴人は，本件排出水により，周辺海域が汚染され，将来にわたって継続して排出される結果，汚物が漸次蓄積され，排出海域から約２００ｍ離れた本件漁場において弦打漁協組合員が養殖するのり等の品質が低下することは必至であるなどと主張する。そして，証人ｃ及び同ｄの証言中には，これに沿う部分もある。
　しかし，これらの証言は何らの科学的裏付けを伴うものではなく，また，証人ｃの証言は，本件排出水が本件新食肉センターで汚水処理をした後の排出水であることを正しく認識して述べているかどうかも甚だ疑わしいものである。他方，前記（１）サで認定したとおり，高松市において実施した環境影響調査によると，本件新食肉センターの最大排水量（２５０●／日）を前提としても，本件排出水の排水口から概ね４０ｍの範囲でしか濃度変化がなく，周辺海域への影響は軽微であり，同センターの設置に伴って周辺海域の現況の水質が悪化することはないと結論付けられている。また，同調査によると，本件新食肉センターの操業開始後に予定されていた本件排出水のＢＯＤ，ＣＯＤ，ＳＳの数値は，水質汚濁防止法（排水基準を定める省令）及び香川県公害防止条例による各排水基準の数値を下回っていたものである。この事実からは，むしろ，本件排出水が放流される海面から約１５０ｍ離れた本件漁場で養殖されるのり等の品質低下が生じないであろうことが予測されていたということができる。もとより，これらの調査結果は科学的分析結果の１つに過ぎないから，これをもって，本件漁場でのり等への影響が絶対に生じないと断定することは，かえって科学的でないともいえる。しかし，そのことは，本件排出水によるのり等の品質低下の可能性（それも科学的な裏付けを欠く可能性である。）の存在が否定されないことを意味するにとどまるのであり，本件漁場ののり等の品質低下が発生することが相当の蓋然性をもって予測されることとは明らかに異なるものである。まして，本件排出水により，本件漁場における漁業の継続が不能ないし著しく困難になるほどの重大な影響が生じることが相当の蓋然性をもって予測されるとは到底いえない。香東川流域においては，当時，平成１０年度処理場供用開始，平成１３年度管渠工事完成を目標として公共下水道の整備事業が進行しており，その供用開始後は，本件排出水もこの下水道に放流することが予定されていたことを考慮すると，尚更漁業権の消滅補償をするに足る直接被害発生の蓋然性を肯定し難い。
　したがって，本件排出水による本件漁場での漁業に直接被害が発生することを理由として本件漁業補償契約をすることは許されなかったというべきである。
イ　風評被害について
　被控訴人は，弦打漁協組合員が育成収穫したのり等は本件排出水により汚染された海域で育成されたものであるとの風評が立ち，生鮮食品の市場原理によって販売不振に陥り，商品販売による利益を含む漁業権行使が不能となり，廃業に至ることが予見されたなどと主張する。
　しかし，前示のとおり，高松市による環境影響調査結果によると，本件新食肉センターの設置により周辺海域の現況の水質が悪化することはないとされていたのであり，本件漁場で育成収穫したのり等は本件排出水により汚染された海域で育成されたものであるとの風評が立つと予測する根拠は非常に不十分なものである。もとより，風評被害というものは，そもそも合理的な根拠に基づき発生するものとは限らず，その意味では，被控訴人が主張するような風評が立つことも考えられないではない。しかし，不合理な根拠に基づいて発生する風評被害に対する予測は余りにも不確実なものであって，そのような風評被害については，一般に相当程度の蓋然性をもって発生すると予測することは困難であり，事前の損失補償に馴染むものではない。もっとも，風評被害の原因となる事由（本件では本件排出水の放流）が，一般人において，人体に対して被害を及ぼすと懸念するのももっともであるというような性格のものである場合には，風評被害の発生が蓋然性をもって予測されることがあり得る。しかし，前示の環境影響調査結果に鑑みても，本件新食肉センターからの本件排出水の放流がそのような性格を有するものであるとはいえない（ちなみに，被控訴人は，風評被害ないしこれに準ずる被害に関する報道等の事例として，乙１３の１～５を提出するが，これらは，ιの産業廃棄物，κの臨界事故，所沢市周辺のダイオキシン問題，病原性大腸菌Ｏ－１５７による集団食中毒〔カイワレ大根の事例〕，タンカーの重油流出を原因とするものであって，まさに，一般人において人体に対して直接かつ重大な被害を及ぼすと懸念するのももっともであるというような性格のものであり，本件排出水の問題とは明らかに異なる。）。
　そうすると，結局のところ，本件排出水により発生することが予測される風評被害とは，いわゆる迷惑施設である本件新食肉センターの近くで取れたのり等であるという消費者の抽象的嫌悪感，イメージの低下によるものにとどまるというべきである。もっとも，このような抽象的嫌悪感やイメージの低下であっても，これにより販売不振等が生じることはあり得るところであるから，その発生が不確実なものであるとはいえ，これによる利益の低下に対しても，事前にその補填を行うことが一切許されないといえるかは検討の余地があるところである。しかし，上記のような消費者の抽象的嫌悪感やイメージの低下により，本件漁場における漁業の継続が不能ないし著しく困難となり，弦打漁協組合員が廃業せざるを得なくなることまでも，相当程度の蓋然性をもって予測されるとは到底いえない。弦打漁協の組合員は，本件漁場で取れたのり等につき，中央卸売市場を通さず，固定客となっている個人消費者の家庭を回るなど直接販売を行う形態をとる者が多かったこと（証人ｃの証言によると，市場に卸す組合員もいたことが認められる。）を考慮しても，この判断は変わらない。
　したがって，被控訴人主張の風評被害についても，少なくとも事前の消滅補償を行う内容の本件漁業補償契約を正当化する理由にならないというべきである。
（４）　以上によれば，本件漁業補償契約の締結は，消滅補償を要するような漁業損失の生じる相当程度の蓋然性が認められないにもかかわらず行われたものであり，同契約に基づく支出命令による本件漁業補償金合計５億５０００万円の支払は，裁量権の逸脱によりされた公金支出として，全体として違法との評価を免れず，これによって，高松市は同額の損害を被ったと認められる。
３　争点３（被控訴人の故意・過失）について
　上記２で検討したとおり，本件漁業補償契約の締結及び本件漁業補償金の支出は違法であり，被控訴人は，その違法であることを認識し得なかったとは考え難い。
　むしろ，前記２（１）の認定事実によると，高松市の担当者は，弦打漁協が本件新食肉センター建設に対して強い反対姿勢から，漁業権の消滅補償を受けることを条件に同センター建設に同意するという方針に転換する姿勢を示し，譲れない金額として５億５０００万円を要求したのに対し，その積算根拠となる資料等の提出も求めず，その合理性が必ずしも明らかにされていない収益率，所得率等を用いて弦打漁協組合員に対する補償額を試算し，複数のタイプの試算結果から弦打漁協の要求額である５億５０００万円を僅かに上回る金額を選定して予算積算資料とする一方で，周辺海域の現況の水質が悪化することはないと結論付けられた環境影響調査結果が出る前から消滅補償を当然の前提として弦打漁協と交渉を行い，同調査結果が出た後も，その調査結果を弦打漁協側には伝えることなく，本件漁業補償契約を締結したものである。また，漁業補償が将来弦打漁協の組合員に現実に生じるであろう損失を補償するものであるという意識が真にあれば，本件排出水によって本件漁場に損害が発生する蓋然性について，環境部内部で当然議論されるべきである筈であるが，当時の環境部長であった証人ｂ，衛生課長であった証人ｄの証言によっても，本件排出水による直接被害，風評被害の発生の有無や，これにより弦打漁協組合員が漁業を続けることが困難になるかどうかについて，部内で真摯な討議がされたことは窺われない。そして，本件新食肉センターの建設が高松市で積年の課題とされながら，地元住民の同意がないことが障害となって進捗しないでいたこと，市議会での質問等や香川県の行政指導で，地元の同意を得ることが求められてきたこと，さらには，淡水漁業を廃止して職業的差別の原因を取り除きたいとの弦打漁協（β地区）側の意向からして消滅補償以外の補償では弦打漁協が同センターの建設に容易に同意しなかったと考えられること等の諸事情に鑑みると，高松市の担当者は，本件排出水による本件漁場での漁業損失発生の蓋然性まではないことを認識しながら，あるいは，少なくともこの蓋然性の問題については等閑視して，弦打漁協の要求に応じるという政策的判断をし，被控訴人も同じ認識のもとにこの判断を追認したと推認される。
　当裁判所としても，被控訴人がこのような判断をしたことに対して一定の理解ができないものではない。しかも，被控訴人は，ａ前市長が進めてきた本件新食肉センター建設事業を引き継いだものであることを考慮すれば，被控訴人が弦打漁協に対し消滅補償による漁業補償をしないという決断をすることが，それほど容易でなかったことも推察されるところである。しかし，前示のとおり漁業補償契約があくまでも将来発生する漁業損失を補償するものである以上，将来の漁業継続が不能ないし著しく困難になる蓋然性が認められない場合にまで，裁量的に消滅補償を行うことを適法視することはできない。また，弦打漁協に対して漁業権の消滅補償を行うことによって，職業的差別意識の解消につながるとすれば，そのこと自体は望ましいことではあるが，このような差別解消措置は，本来，別途の対策をもって行うべきものであり，上記のような蓋然性が認められない場合に消滅補償をすることを適法ならしめるものではない。なお，極めて重要な行政目的を実現するために不可欠の要件を充足するため高度の政策的判断に基づき行われる地方公共団体の長の行為については，裁判所の違法・適法の法律判断の対象外となり得る場合も考えられなくはないが，弦打漁協の同意が本件新食肉センターを建設する上での法的要件ではない本件は，そのような場合に当たるということはできない。したがって，本件漁業補償契約及び本件漁業補償金の支出の違法性及び被控訴人の過失を否定することは困難である。
　なお，控訴人は，支出負担行為たる本件漁業補償契約及びこれに基づく支出命令をもって，本件住民監査請求ないし本件住民訴訟の対象たる財務会計上の行為としているものと解されるところ，２件の支出負担行為（前記覚書及び漁業損失補償に関する契約書に係る各契約の締結）は衛生課長ないし環境部長の決裁によるものであり，これに基づく各支出命令は衛生課長の専決処理によるものであるが，いずれの支出負担行為についても，その執行伺いに対し被控訴人自身が市長として決裁したものであるから，被控訴人は，本来的に権限を有する者として，損害賠償責任を負うことが明らかである。
４　結論
　以上の次第で，高松市に代位しての控訴人の被控訴人に対する本訴請求は，５億５０００万円及び内金２億円に対しては訴状送達の日の翌日である平成９年７月１３日から，内金３億５０００万円に対しては同額の請求を追加した訴えの変更申立書送達の日の翌日である平成９年１２月２３日から，各支払済みまで民法所定の年５分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから認容すべきであり，その余の請求（附帯請求の一部）は理由がないから棄却すべきである（控訴人は，訴えの変更により追加した３億５０００万円についても訴状送達の日の翌日を附帯請求の起算日としているが，訴状で請求していない同金額については，訴状送達によって付遅滞の効果が生じるものではない。）。
　よって，控訴人の請求を棄却した原判決を，上記判断に従い変更することとして，主文のとおり判決する。なお，本件訴訟の特質に鑑み，控訴人申立ての仮執行宣言については，必要ないものと認め，付さないこととする。
高松高等裁判所第２部
裁判長裁判官　水野武
裁判官　豊永多門
裁判官　朝日貴浩
      
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   <title>H15. 2.26 奈良地裁 平成11(行ウ)11等 補助金支出差止請求事件</title>
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   <published>2008-12-11T07:48:50Z</published>
   <updated>2008-12-11T07:50:21Z</updated>
   
   <summary>H15. 2.26 奈良地裁 平成11(行ウ)11等 補助金支出差止請求事件
　主文： １　原告らの本件訴えを却下する。
２　原告共同訴訟参加人らの本件訴えのうち，平成１４年１０月１６日までになされた支出の差止めを求める部分を却下し，その余の請求を棄却する。</summary>
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      H15. 2.26 奈良地裁 平成11(行ウ)11等 補助金支出差止請求事件

　主文
１　原告らの本件訴えを却下する。
２　原告共同訴訟参加人らの本件訴えのうち，平成１４年１０月１６日までになされた支出の差止めを求める部分を却下し，その余の請求を棄却する。
３　訴訟費用のうち，原告らと被告との間に生じたものは，原告らの負担とし，原告共同訴訟参加人らの参加によって生じたものについては，原告共同訴訟参加人らの負担とする。
　事実及び理由
第１　請求
　被告は，α都市計画β駅前γ地区中央街区第一種市街地再開発事業に関する補助金として公金を支出してはならない。
第２　事案の概要
　本件は，甲事件の原告らが，機関としての王寺町長である被告に対して，α都市計画β駅前γ地区中央街区第一種市街地再開発事業（以下「本件事業」という。）に関して，同事業は，同事業の事業主体であるβ駅前γ地区中央街区市街地再開発組合（以下「本件組合」という。）の設立認可処分（以下「本件認可」という。）が違法であり，また，本件事業は破綻する可能性が高く，危険で不適切なものであるから，このような事業のために，公金（補助金）を支出することは違法であると主張して，平成１４年法律第４号による改正前の地方自治法（以下，地方自治法については平成１４年法律第４号改正前のそれを指す。）２４２条の２第１項１号に基づき，補助金の支出の差止めを求めた事案である。
　なお，乙事件は，β町の町民である原告ら以外の者らが，被告に対し，甲事件と同一内容の差止請求を行ったものであるがこれを，甲事件についての民事訴訟法５２条の共同訴訟参加とする旨申し立てたものである。
１　前提事実（争いのない事実及び証拠により容易に認定できる事実等）
（１）　当事者
　原告Ｐ１は，住民票上の住所を奈良県北葛城郡δ町内に有し，同郡β町内に事務所を構え，司法書士等を業としている者である（甲７ないし９）。
　原告Ｐ２は，住民票上の住所を奈良県生駒郡ε町内に有し，同郡β町内に営業所を構え，そば，うどん店の経営等を業とする「有限会社だるま軒」の代表取締役である（甲３ないし５）。
　原告共同訴訟参加人（以下「参加人」という。）らは，いずれも奈良県北葛城郡β町の住民である。
（２）　本件事業について
ア　施行者，施行地区等
　本件事業は，第一種市街地再開発事業として，本件組合を施行者，β駅前γ地区中央街区（以下「本件地区」という。）を施行地区とし，ジェイアールβ駅北側に位置する奈良県北葛城郡ζの一部及び同ηの一部（面積約２．５ヘクタール）を施行地区の区域として，施行されるものである。なお，市街地再開発事業の内容や手続等については，都市再開発法に定められており，第一種市街地再開発事業は市街地再開発組合が施行するものであるが，その執行手順の概略は，まず定款及び事業計画を定めて，都道府県知事から当該組合の設立認可を受け，次に，権利変換手続に入り，配置設計，権利者の権利変換前後の権利内容と概算額，参加組合員の取得する権利の内容，保留床の処分方法及び権利変換期日等を内容とする権利変換計画を作成して，総会の議決及び審査委員の同意を経た上で都道府県知事から権利変換計画の認可を受け，その後，土地の明渡し請求等を行い，工事の着工を行い，工事の完了後，都道府県知事から組合解散の認可を受けて清算人による清算事務等がなされ，市街地再開発事業を終了するというものである。
イ　本件事業の資金計画
　本件事業は，第一種市街地再開発事業として，権利変換方式により施行され，収入は，総事業費約２５１億２２００万円のうち，補助金が５６億６９００万円，管理者負担金が８３億２７００万円，保留床処分金が１１１億２５００万円，その他が１００万円とされている。なお，支出については，調査設計計画費が１２億８０００万円，土地整備費が１３億７９００万円，補償費が４９億７９００万円，工事費が１６０億８２００万円，事務費が５億９９００万円，借入金利子が８億０３００万円とされている。このうち，補助金は，都市再開発法に基づく市街地再開発事業を推進するために交付される補助金として，国の市街地再開発専業費補助（一般会計）交付要綱に基づき，建設省（現在は，国土交通省）所管の国庫補助専業として採択された当該再開発事業に対し，β町がβ町市街地再開発事業補助金交付要綱（以下「本件要綱」という。）に基づき，予算の範囲内で当該事業施行者である本件組合に対し，交付するものであり，補助の対象については，本件要綱に基づき，本件組合が実施した補助対象事業に要した費用の３分の２に相当する額を限度（以下「補助基本額」という。）として補助するものであり，この補助基本額の２分の１が国庫補助金として，また，４分の１が奈良県補助金として，それぞれ補助される。このことから，β町として補助する額は，補助基本額の４分の１に相当する額となる（以下，このようにβ町が本件事業のため補助のため支出するものを「本件補助金の支出」という。）なお，奈良県知事は，奈良県市街地再開発事業費補助金交付要綱により，都市再開発法に規定された市街地再開発事業を行う市街地再開発組合等に補助金を交付する市町村に対し，事業の進捗状況に応じて，各年度ごとに当該補助に要する経費の４分の１以内の額を補助することとしている。
ウ　本件事業の事業施工期間
　本件事業の事業施工期間は，平成１１年１月から平成１６年３月までとされ，事業実施計画としては，平成８年１２月に都市計画決定がなされ，以降，事業計画案においては，平成１１年１月ころに，事業施行者となる市街地再開発組合の設立認可，平成１２年１月ころに，権利変換期日，平成１２年７月ころに工事に着工し，平成１５年８月ころに工事完成，平成１６年３月に市街地再開発組合の解散が予定されていた。
（３）　本件認可について
ア　平成６年２月，β駅前γ地区中央街区第一種市街地再開発準備組合設立発起人会が発足し，同年４月，β駅前γ地区中央街区市街地再開発準備組合が設立された。
イ　平成１０年１２月２８日，組合設立発起人らは，奈良県知事に対し，本件組合の設立認可を申請した。これに対し，奈良県知事は，都市再開発法１１条１項に基づき，本件事業を施行する本件組合の設立認可（本件認可）をし，平成１１年３月２６日付奈良県告示第６６３号をもって公示した。
（４）　本件要綱の規定（乙３）
　別紙のとおり
（５）　本件事業に関する補助事業について
ア　一般会計補助事業について
（ア）　国庫補助事業
ａ　補助対象事業
（ａ）　調査設計計画費
　事業計画の作成，地盤調査，建築設計，権利変換計画の作成などの調査設計計画に要する費用
（ｂ）　土地整備費
　建築物の除却，土地の整地，仮設店舗等の設置及び補償費等土地整備に要する費用
（ｃ）　共同施設整備費
　建物（再開発施設）を共同化することにより必要になる共用の通路，公共空間，駐車施設や供給処理施設，消防施設等共同施設の整備に要する費用
ｂ　補助金
（ａ）　国庫補助金
　「市街地再開発事業費補助（一般会計）交付要綱」に基づき交付される。国庫補助金の補助率は，組合が実施する補助対象事業費の３分の１（地方公共団体が補助する額の２分の１以内）
（ｂ）　県補助金
　補助対象事業費の６分の１
（ｃ）　町補助金
　補助対象事業費の６分の１
（（ｂ），（ｃ）合わせて３分の１）
　上記により，再開発組合は町からの補助金として，補助対象事業費の３分の２を受けることになる。
（ｄ）　組合負担
　補助対象事業費の内，町からの補助金以外の部分（３分の１）が組合の負担となる。この資金は，組合が金融機関等から資金調達し，事業完了時に，住宅・商業・公共施設等の「保留床」処分金（売却金）により清算するもの。
（イ）　組合単独事業
　住宅や商業施設，業務施設等の施設建築物（再開発ビル）の整備に係る経費の内，補助対象となる共同施設の整備に係る経費以外の経費は，組合の単独事業として組合が負担することとなる。この経費についても，金融機関等から借入れにより資金調達をし，保留床処分金で清算する。
イ　道路整備特別会計事業（公共施設管理者負担金）について
　市街地再開発事業施行区域内の都市計画道路，駅前広場等の公共施設整備については，組合がそれぞれの施設管理者に代わって整備を行い，その経費について施設管理者が「公共施設管理者負担金」を支払うもの。それぞれの施設管理者については，その負担金の２分の１が国から補助金として交付される。
（６）　原告ら及び参加人の住民監査請求及び本件訴えの提起等
ア　原告らは，本件事業に対する平成１１年度の補助金支出行為について必要な措置を取ることを求めて，平成１１年７月１９日付で，β町監査委員に対し，それぞれ別個に住民監査請求を行ったところ（甲１の１及び２），β町監査委員は，同年８月９日，上記各請求に対し，原告Ｐ１，同Ｐ２ともβ町内に住所を有さず，住所要件を具備しないことを理由にそれぞれ却下する決定をし，その旨の通知が同月１０日に原告らに到達した。原告らは，同年９月８日，本件訴えを提起した。
イ　参加人らは，本件事業に対する平成１１年度の補助金支出行為について必要な措置を取ることを求めて，平成１１年７月１９日付で，β町監査委員に対し，住民監査請求（以下「本件監査請求」という。）を行ったところ（丙１，弁論の全趣旨），β町監査委員は，同年９月１４日に同請求を棄却する決定をし，その旨通知し，同月１５日に参加人らに到達した（丙２，弁論の全趣旨）。参加人らは，同年１０月８日，共同訴訟参加の申出をした。
２　争点
（１）　原告Ｐ１及び同Ｐ２の当事者適格
（２）　本件補助金支出の適法性
３　争点に対する当事者の主張
（１）　争点（１）（原告Ｐ１及び同Ｐ２の当事者適格）について
（被告の主張・本案前の答弁）
　住民監査請求及び住民訴訟提起ができる「住民」とは，当該地方公共団体の住民基本台帳に記載された者を意味すると解すべきである。しかし，原告Ｐ１及び同Ｐ２は，いずれも，β町内に住民票上の住所を有しておらず（すなわち，同町の住民基本台帳に記載されていない。）β町の住民とはいえないから，本件訴えの原告適格を有しない。
（原告らの主張）
　住所の意義について，民法２１条は「生活の本拠」を住所としているし，それぞれの生活関係について，その場所的中心を住所と認めるべきであるところ，住民登録のある場所は，一応住所であると推定されるが，住民登録がない場所でも，本当にそこが生活の場所であれば，そこが住所であるというべきである。原告Ｐ１及び同Ｐ２は，いずれもβ町内に事業所としての土地建物を有し，β町に町民税及び固定資産税を納税しているし，生活営業関係の中心地としているので，本件住民監査及び住民訴訟の要件としての住所をβ町に有していると考えるべきである。
（２）　争点（２）（補助金支出の適法性）について
（原告ら及び参加人らの主張）
　本件事業は，以下の理由で，破綻するおそれが大きく，このような危険で不適切な事業に補助金を支出する行為は，「公益上の必要がある場合」（地方自治法２３２条の２）に違反するものである。
ア　本件認可設立処分の違法
　本件設立認可は，都市再開発法１４条所定の，知事の再開発組合設立認可の要件として，地権者の３分の２以上の同意の要件をみたしておらず，違法である。本件において，所有権者は８１名で法定必要数は５４名であるところ，同意した者の数は５６．８名であったが，うち２名が同意を取り消した。この２名を除くと，同意した者の数は法定必要数を０．８名分上回っているにすぎない。そして，上記同意した者の数の中には，β町とβ町土地開発公社（以下「土地開発公社」という。）とが含まれている。土地開発公社は，形式的にはβ町とは別法人であるが，β町が全額出資していて，実質的には同一のものであり，これを２名分の同意と計算するのは誤りである。また，一住民ではなく，地方公共団体であるβ町は本件事業に賛成か反対かについての意見を表明しないのが公平であるから，地権者の中に加えるべきではない。以上の理由により，β町及び土地開発公社は同意した者の数に算入すべきでないから，同意した者の数は５２．８名ということになり，法定必要数を下回る。もし，β町と土地開発公社を同意した者の数に入れるとしても，どちらか一方のみにすべきであるが，この場合も法定必要数は下回る。
イ　本件事業が成り立たないことについて
（ア）　本件事業は，当初，地下１階から地上３階までの１万９４９０平方メートルを核店舗が占めることを前提に計画されていた。この面積はＡブロックの店舗部分の約５分の４を占めるもので，本件事業は核店舗抜きでは成り立たない計画である。この核店舗として，株式会社大丸百貨店（以下「大丸」という。）の出店が予定されていたが，大丸は平成１１年４月に出店しないことを明らかにし，γ地域整備室に対し，出店しないことを正式に伝えた。その後，核店舗は株式会社西友（以下「西友」という。）にかわり，本件事業は，地下１階は，核店舗部分がなくなり，専門店と駐車場だけになって，駐車場部分が広くなっている。１階以上の部分もバックヤードが広くなるなど，核店舗と専門店の床面積が減り，駐車場部分が増やされるといった大幅な計画の変更がなされた。変更後の計画は駐車場ばかりが多くなっているということは，保留床の処分ができず，駐車場の収入も期待できず，本件事業は大幅な赤字になると予想される。
（イ）　本件事業計画は，当初，Ａ棟だけで，地下２階に１万５９３０平方メートルと５６０平方メートルの駐車場を作って，駅前に車を誘致しようというものであった（その後，平成１３年１月には，約２万９３４０平方メートルになっている。）。周辺道路は渋滞に悩まされており，道路の抜本的解決なしに駐車場とそこへの道だけを広くしても渋滞をひどくするだけである。
（ウ）　β駅は，電車で大阪のθから３０分，ιから１５分の距離にあり，同駅付近にはスーパーが２つ，車で１０分以内の距離に郊外型大型店舗が４つある。現在の経済情勢でこのうえ同駅前に大型店舗を作って経営が成り立つとは考えられない。
（エ）　保留床が簡単に売却できないので，第三セクターを作り，これに買い取らせて本件事業を進めようとしているが，この第三セクターは実質的にはβ町と同一であり，第三セクターが破綻すれば，β町の財政も破綻する。駐車場についても，住宅用の部分を除いて，β町が町営駐車場として買い取る予定であったが，新たに第三セクターを作って買い取らせるということである。第三セクターを作って事業を進めること自体がその事業が既に破綻していることを示しており，本件事業が成り立たないことを示している。
（被告の主張）
ア　本件組合の設立認可申請に際しては，都市再開発法１４条所定の「施行地区となるべき区域内の宅地について所有権を有するすべての者及びその区域内の宅地について借地権を有するすべての者（以下「同意権者」という。）のそれぞれの３分の２以上の同意」を得ており（同意を得たことを証する書類の添付もあった。），本件設立認可は適法である。
イ　本件事業は，老朽化した家屋が密集しているために防災機能及び都市基盤整備も立ち遅れ，人口の流出と高齢化に伴い，商業をはじめとする様々な都市機能が衰退の傾向にある本件地区について，再開発事業を実施することにより，土地の集約化・高度利用を行い，駅前広場と国道κ線を結ぶ道路などの公共施設の整備，建築物の不燃化，公益施設の誘導及び商業の活性化など，複合的な都市機能の再構築を図るための都市計画事業であって，β町の重要課題の一つである。β町は，本件組合と協力しながら，本件地区を便利で活力のあるまちにするために，本件事業を進めている。本件事業に欠くことのできない核店舗については，西友と本件組合との間で，出店に関する基本協定の締結がなされているし，第三セクターであるβ都市開発株式会社（以下「本件会社」という。）も，本件事業により権利変換を受けた権利者の資産の保全と有効な運用を図り，また，保留床を買い取り，魅力ある商業施設を展開する企業を誘致して，保留床を賃貸し，将来にわたり健全な商業施設の管理運営を図るものである。本件補助金は，市街地再開発事業の適正な執行と円滑な運用を実施するため，再開発事業の経費に対し，予算の範囲内において補助金を交付するものであり，被告は，本件要綱に従って，交付を行うものである。
ウ　本件事業に対する補助の相当性
　以上により，本件事業の公益性は明らかであり，補助金の交付は，地方自治法２３２条の２に反するものではない。
第３　争点に対する判断
１　争点（１）について
（１）ア　地方自治法２４２条の２第１項各号の訴えを提起し得る「住民」は，同法１０条１項に規定する「住民」と同義であると一般に解されている。
イ　ところで，同法１０条１項は「市町村の区域内に住所を有する者は，当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民とする」と規定するが，住民基本台帳法４条の規定は，地方自治法１０条１項所定の「住所」が，常に住民票記載の住所によつて決定されることまでを規定したものということはできないとしても，当該区域内に住所を有するか否かの判断基準としては，当初から，住民票に住民として記載されている場所に生活の本拠を有しなくなっていることが明らかであるといった特段の事情がなければ，第一次的には，住民の居住関係の確定，証明一般について定める住民基本台帳法による住民票の記載によるのが相当である。なぜなら，住民票の記載は，住民の届出に基づいて市町村長がこれを作成するものであって，高度の公証的機能を有し，選挙人名簿の登録をはじめとして，住民に関する各種行政事務はこれを基礎として行われているのみならず，生活の本拠を推認させる重要な資料ともなるからである。
ウ　したがって，地方自治法２４２条の２第１項各号の訴えを提起し得る「住民」とは，原則として，当該市町村に住民票上の住所を有する者を指すものと解するのが相当である。この点，原告Ｐ１は，原告Ｐ２及び同Ｐ１両名とも，それぞれβ町内に生活経済関係としての生活の本拠があるから，β町内に住所を有すると認めるべきであると主張する。しかし，この主張は，複数の住所を認める前提に立つところ，私法上の住所はさておき，公法上の住所については，選挙権その他住民としての公的な権利を行使する基準となることから考えると，１か所に限られるというべきである。そして，住民訴訟提起の適法要件である住民としての資格は，原告が立証すべきものであるところ，本件においては，原告Ｐ１及び原告Ｐ２が，それぞれ各住民票上の住所において，生活している実態が全くないなどといった主張，立証はないから，同住所が生活の本拠であるとの，住民票の記載による推認を覆すことはできない。したがって，本件において，原告Ｐ２及び同Ｐ１は，いずれも住民訴訟における「当該普通地方公共団体の区域内に住所を有すること」という要件を欠くというべきである。
（２）　そうすると，原告Ｐ１及び原告Ｐ２は，地方自治法２４２条の２第１項各号の訴えを提起し得る「住民」であるということはできないから，原告Ｐ１及び原告Ｐ２が提起した甲事件の訴えは不適法である。
２　争点（２）について
（１）ア　地方自治法２４２条の２第１項１号に基づく差止めの請求は，当該行為がされる以前か，当該行為がされつつあるときにのみ認められ，差止請求訴訟の係属中にその行為が終了したときには，その訴えの利益は消滅するものと解される。
　前提事実及び弁論の全趣旨によれば，被告は，本件口頭弁論終結時である平成１４年１０月１６日までに，本件補助金として，平成１１年度に１億０２００万円を，平成１２年度が２６００万円，及び，平成１３年度（平成１４年３月３１日まで）に１億８２５０万円等を，本件組合に対し，それぞれ支出していること，本件事業は，本件認可処分後実施され，平成１６年４月完成予定であり，本件口頭弁論終結後もその支出が予定されていることが認められる。そうすると，本件差止めを求める訴えのうち，上記の当審口頭弁論終結時までに実行されたことが明らかな各補助金の支出については，差止めを求める利益が消滅したというべきであるから，上記支出された部分に係る訴えは不適法として却下を免れないが，その余の部分についてはいまだ訴えの利益はあるというべきである。
イ　なお，本件の差止請求は，本件事業の完成に向けての一連の経費の支出等が違法であるとしてその差止めを求めているものであると解されるところ，証拠（丙１）及び弁論の全趣旨によれば，参加人らは，本件監査請求において，監査委員に求める措置として，「（本件）事業の続行は極めて危険な行為であり，これに対する補助金の支出は不当な公金の支出である。平成１１年度分がまだ支出されていない場合は支出を中止し，すでに出されている場合には返還を求める」などとしており，本件監査請求も，本件事業を全体として一体とみて，その完成に向けて行われる一連の財務会計行為（ここでは補助金の支出ないしそのための支出命令）についてその差止めを求めるものとみることができるし，本件事業についての個々の行為を個別，具体的に摘示しなくても，差止請求の対象は特定されていることになるものというべきであるから（最高裁判所平成５年９月７日判決・民集４７巻７号４７５５頁参照），本件訴えは，住民監査請求の前置の要件をみたしているし，差止請求の対象となる行為の特定にも欠けることはないというべきである。
（２）ア　ところで，参加人らは，本件補助金の支出の差止めを求める訴えにおいて，その違法事由として，本件事業が，①本件認可が違法であり，また，②破綻するおそれが大きい，といった理由で危険で不適切であると主張している。参加人らの主張の趣旨からすれば，本件支出の違法事由は，直接的に本件財務会計行為（補助金の支出）についてのものではなく，本件再開発事業の内容についてのものであり，その結果として，本件補助金の支出は，「公益上の必要性」（地方自治法２３２条の２）がないと主張しているものと解される。
イ（ア）　地方自治法２４２条の２の規定に基づく住民訴訟は，普通地方公共団体の執行機関又は職員による同法２４２条１項所定の財務会計上の違法な行為又は怠る事実の予防又は是正を裁判所に請求する権能を住民に与え，もって地方財務行政の適正な運営を確保することを目的とするものである（最高裁判所昭和５３年３月３０日判決・民集３２巻２号４８５頁参照）。そして，同法２４２条の２第１項１号の規定に基づく差止請求訴訟は，このような住民訴訟の一類型として認められているものにほかならない。したがって，当該職員の財務会計上の行為をとらえて上記規定に基づく差止めをすることができるのは，たとえこれに先行する原因行為に違法事由が存する場合であっても，上記原因行為を前提としてされた当該職員の行為自体が財務会計法規上の義務に違反する違法なものであるときに限られると解するのが相当である（最高裁判所平成４年１２月１５日判決・民集４６巻９号２７５３頁参照）。
（イ）　しかし，本件差止めを求める訴えにおける請求の原因として財務会計行為の違法を問題にしていると解される以上は，上記のとおり，原告らが実質的に問題としているのは，その背後にある原因行為であるというべき本件認可の違法性であって，これがそれ自体財務会計行為ではなく，しかも，本件訴えで被告とされている者とは別個の法主体がなした独立した行政処分であって，本来，被告は，本件認可について何らの権限も有していないから，本件事業の違法性を問いうるものではなく，あくまで，参加人らが違法であると主張する本件事業に補助金を支出したことを問題にすべきものであることを考慮してもなお，本件訴えがそのことを理由に直ちに不適法となるということはできない。
ウ　ただし，この問題が本案の問題としてどのように扱われるべきかについては，別途検討を要する。すなわち，およそ公金の支出を伴わない行政上の行為は存在し難いものであるから，公金支出の背後にある財務会計行為以外の行為の違法を理由に公金支出も違法であると主張することにより背後の財務会計行為以外の行為の違法を争うことを無限定に認めると，住民訴訟の対象を財務会計上の行為に限定した趣旨を没却することにもなりかねないし，特に，財務会計行為以外の行為が行政処分である場合において，無限定にその違法性を争う余地を認めると，行政処分の公定力を否定したり，行政事件訴訟法が処分の取消しの訴えについて出訴期間等の制限を設け，法的安定性を図っていることを否定する結果をもたらしかねない。他方，住民訴訟において主張することのできる違法事由を財務会計行為が直接，法規に違反する場合に限定すると，地方財務行政の適正な運営確保を図る機会は減少するといわざるを得ない。したがって，住民訴訟において主張することのできる違法事由としては，当該財務会計行為自体に存在する財務会計法規上の違法のほか，財務会計行為と事実上直接的な関係に立つ非財務会計上の行為（原因行為）に，法令違反があってこれを看過しては執行機関の誠実管理執行義務（地方自治法１３８条の２）違反をもたらすような場合の違法に限って主張することができると解するべきである。そして，原因行為に無効事由といえるような重大明白な違法がある場合，あるいは著しい裁量権濫用の違法がある場合には，財務会計行為自体も違法となると解するのが相当である。
（３）　以上の見地から，本件事業の違法性について検討する。
ア　本件認可処分の違法性について
（ア）　都市再開発法１４条所定の同意権者は，「施行地区となるべき区域内の宅地について所有権を有するすべての者及びその区域内の宅地について借地権を有するすべての者」であり，これらの者らのそれぞれの３分の２以上の同意を得ることが要求され，また，この場合において，同意した者が所有するその区域内の宅地の地積と同意した者のその区域内の借地の地積との合計が，その区域内の宅地の総地積と借地の総地積との合計３分の２以上でなければならない旨規定されている。
（イ）　証拠（甲１１）及び弁論の全趣旨によれば，本件事業の施行地区となるべき区域内の権利者数は，所有権者が８１名，借地権者が４５名の合計１２６名であり，このうち，所有権者には，β町及び土地開発公社が含まれていること，地積については，宅地が１万９３８６．８６平方メートル，借地が４８７７．４４平方メートルの合計２万４２６４．３０平方メートルであることが認められる。そして，設立認可申請時における同意した者の数は，所有権者において，５６．８名（７０．１パーセント），その所有地の地積にして，１万４７７５平方メートル（７６．２パーセント），借地権者において，３７名（８２．２パーセント），その借地の地積にして，３２５１．６３平方メートル（８４．５パーセント）であったことが認められる。
（ウ）ａ　ところで，参加人らは，β町及び土地開発公社は同意した者の数に算入すべきでない，算入するとしてもどちらか一方のみにすべきである旨主張する。しかし，その根拠とするところは，地方公共団体であるβ町と公有地の拡大の推進に関する法律１０条１項に基づき設立された土地開発公社というそれぞれ別個の人格を有する法人を同一視したり，都市再開発法の規定に明らかに反する解釈に基づくなど，独自の見解に基づくものであって，採用することはできない。さらに，参加人らは，β町及び土地開発公社とも地権者ではなく，同意権者でなかったとも主張するが，証拠（甲２０ないし２７，乙１４の１ないし４，１５，１６，１９，２０，Ｐ３証人（第１９回弁論））及び弁論の全趣旨によれば，参加人らが問題とするλ３５３７番の土地については，確かに，不動産登記簿上は日本国有鉄道（国鉄清算事業団）が所有者となっているものの，平成４年度中に実測の上，β町に売却されており，公図と現況の不一致等の理由で，本件認可時において，所有権移転登記手続が未了であったため，β町と，実際に土地代金を決済し，後でβ町に当該土地を買い戻させた土地開発公社が協議の上，土地購入時に実測した６．８３平方メートル分のみをβ町の所有地として，同意を行ったものであり，原告らの主張をもってしても，β町が所有していた土地について，都市再開発法２条５項の「宅地」に当たらないということはできないし，土地開発公社についての理由付けは，上記主張についてのそれと同様のものであるから，いずれも採用することはできない。
ｂ　また，参加人らは，本件設立認可申請時に同意した者のうち２名の同意が錯誤による無効，ないし，取り消されあるいは撤回されたとして，これらの者についても同意した者の数に算入することはできない旨主張する。確かに，証拠（甲１６の１及び２，甲１９）及び弁論の全趣旨によれば，平成１１年３月２４日付で，２名の者が，奈良県知事宛に「同意の無効ないし撤回の通知」と題する書面を送付したこと，これに対し，奈良県土木部都市計画課課長補佐が，同年４月５日付で，上記書面による申出には応じられないと回答の上，上記書面を返送していることが認められる。しかし，市街地再開発組合の設立認可申請に当たって必要とされる都市再開発法１４条所定の同意は，当該組合の定款及び事業計画に対する同意であることはもちろんのこと，実質的にみても，当該組合の定款及び事業計画を承認した上で，それに基づく組合が設立され，再開発事業を行うことについての同意としての意味があるというべきであって，これを基礎として，知事による設立認可がなされ，これにより，組合設立の効力が発生し，新たな公法上の法律関係を形成させるものと解される。そうすると，同条所定の同意は，公法上の意思表示であって，民法の意思表示に関する規定が当然に適用されるものではないし，行政処分の公定力や法的安定性の見地からすれば，仮に，錯誤により同意がなされたとしても，当然にそれに基づく無効主張が可能であるとはいえないし，瑕疵ある意思表示による取消主張についても同様のことがいえるというべきである（なお，本件においては，「同意の無効ないし撤回の通知」の書面を奈良県知事宛に送付した同意権者らが錯誤，あるいは，詐欺により同意の意思表示をしたと認めるに足りる証拠はない。）。また，都市再開発法１４条の規定上も，同条の同意は，組合の設立認可申請時に所定の要件をみたしていることが必要であり，かつ，それで足りるというべきであるから，認可申請後は，同意の撤回は認められないというべきである。
（エ）　以上，原告らの同意権者についての主張はいずれも採用できない。そうすると，前記（イ）で認定した同意権者数をそのまま前提にすると，本件においては，「同意した者が所有するその区域内の宅地の地積と同意した者のその区域内の借地の地積との合計が，その区域内の宅地の総地積と借地の総地積との合計３分の２以上」という土地再開発法１４条所定の要件をみたしているというべきである。そうすると，本件認可は，所定の要件をみたした同意権者らの同意を基礎になされたものであり，その他，手続的に違法であることを窺わせる事情も認められないから，本件認可は適法である。この点についての原告らの主張は理由がない。
イ　破綻のおそれについて
（ア）　原告らは，本件事業は破綻のおそれが大きいから，本件事業への交付金の支出は，地方自治法２３２条の２にいう「公益上の必要性」がない旨主張している。
（イ）　ところで，補助金交付の適法性に関する判断基準について，地方公共団体の長は，地方自治の本旨の理念に沿って，住民の福祉の増進を図るために地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を担う地方公共団体の執行機関（地方自治法１４８条，１４９条参照）として，住民の多様な意見及び利益を勘案し，補助の要否についての決定を行うものであって，その決定は，事柄の性質上，当該地方公共団体の地理的・社会的・経済的事情及び他の行政政策との関連等諸般の事情を総合的に考慮した上での高度に政策的な判断を要するものであるから，公益上の必要性に関する判断に当たっては，第一次的には補助の要否を決定する地方公共団体の長の裁量に委ねられていると解される。したがって，その判断が裁量権の逸脱又は濫用があったと認められる場合にはじめて，当該補助金の支出は違法と評価すべきものと解するのが相当である。そして，本件のように，地方公共団体の長が特定の事業について補助金を交付する際に行った公益上の必要性に関する判断について，事業自体の違法性が問題とされている場合，裁量権の逸脱又は濫用があったか否かは，補助の対象となる事業の目的，性質及び状況等諸般の事情を当該補助金の交付の目的，趣旨及び経緯などを総合的に考慮した上で検討することが必要であると解される。そこで，以上のような見地から，本件補助金の交付が公益性を有するものか否かを検討する。
（ウ）　証拠（甲１０ないし１３，１５，１７，１８，４６ないし４９，乙１，４，５ないし１３，２，８，１５，２１，２４の１及び２，Ｐ３証人（第１４回弁論，第１９回弁論）によれば，以下の事実が認められる。
ａ　本件地区は，大阪中心部まで３０分以内という時間距離にあるβ駅を中心とする周辺地域であって，大阪のベッドタウンとして発展し，β駅の乗降客は１日８万人以上に及ぶ一方で，大和川と鉄道軌道に囲まれ，老朽化した家屋が密集しているために土地基盤整備も立ち後れ，人口の流出と高齢化に伴い，商業をはじめとする様々な都市機能が衰退の傾向にあり，再開発に向けての要請が高まっていった。
ｂ　本件事業の経過とそれをめぐる動き
（ａ）　上記のような要請から，昭和５２年２月，本件地区の地元住民が，再開発に向けての勉強会組織として，「γ地域整備推進研究会」を発足させ，以下，再開発に向けての討議を続けてきた。β町及び奈良県についても，このような事情を踏まえ，本件地区の再開発を重要施策とし，β町においては，その後，商業調査実施などを経て，平成元年４月，β町において，γ地域整備室が設置された。平成５年１２月，駅前再開発事務所が開設された。
（ｂ）　平成８年１２月，本件事業につき，公共施設（道路・駅前広場），再開発地区，高度利用地区についての都市計画が決定した。
（ｃ）　平成１０年１２月，第３セクター方式によって設立された株式会社が再開発ビルの保留床を買い取り，これを本件再開発ビルに誘致する核店舗に賃貸しながら，同ビルの管理，運営をしていく事業計画が立てられていたことから，地権者やβ町等が出資し，被告を代表取締役とする本件会社が設立された。
（ｄ）　β町から核店舗としての出店を打診されていた大丸は，平成６年ころから出店について検討を行っていたが，結局，出店を断念することとなり，本件設立認可後の平成１２年４月に，その旨をβ町に通知した。その後，β町は，大丸に出店についての再検討を促すとともに，新たな核店舗の候補を探していたが，その後，西友が，本件再開発ビルへの核店舗としての出店を決定し，同年９月，本件組合との間で，出店についての基本協定書を締結した。
（ｅ）　本件認可後，本件組合の組合員において，都市再開発法７２条に基づく権利変換計画を定めるため，同法による諸手続及び各権利者の意向把握等に基づき，権利変換計画案が作成された。上記権利変換計画案は，平成１２年１２月２日，本件組合の総会において承認する旨の議決がなされ，本件組合は，権利変換計画案を２週間公衆の総覧に供した後，平成１３年１月２４日，同法８４条の規定による審査委員の同意が得たことなどで，同法による権利変換についての所定の諸手続を完了した。
（ｆ）　本件組合は，同年２月９日付で，奈良県知事に対し，権利変換計画認可を申請し，これに対し，奈良県知事は，平成１３年３月２３日，これを認可した。
（ｇ）　その後，平成１３年６月ころから，工事が着工され，現在，本件再開発ビルの工事等が進行中である
ｃ　本件事業の目的及び設計の概要
（ａ）　本件事業は，本件地区について，都市基盤としての駅前広場と国道κ線にアクセスする県道β 停車場線を整備しながら，人々が生活することを基本として複合的な都市機能の再構築を図ることによって，合理的な高度利用を行うことを目的として，行われるものとされており，その設計方針としては，本件地区が，γ地区整備においてβ駅の北に直面する中核であり，周辺整備を誘導していく重要な位置となることから，施設建築物の設計に当たっては，都市景観を十分考慮するとともに，西和地域の玄関口にふさわしい都市的イメージをもった町のシンボルとなりうるもので，広域に対する「生活都心」の拠点としての，複合的施設を目指し，あわせて，駅前広場・都市計画道路等の公共施設を整備し，適切な街路の形成を図り，円滑な交通を確保するものとされた。
（ｂ）　上記のような設計方針の下に，本件事業においては，百貨店などの核店舗，専門店街，集合住宅，立体駐車場などが入る地下２階，地上１１階建ての再開発ビル２棟（ＡブロックとＢブロックとに分かれ，ペデストリアンデッキで接続されている。）を建設するとともに，駅前広場の建設や，国道κ線に接続する県道β停車場線を道幅７メートルから１６メートルへの拡張などの公共施設の整備が行われるものとされた。
ｄ　本件補助金の目的
　本件補助金は，都市再開発法に基づき，事業主体としての市街地再開発組合による都市計画決定により整備する施設に加え，β町における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新する等の総合的な再開発のために交付されるものである。
ｅ　本件補助金は，本件事業の進行段階に応じて定められた補助対象項目の事業実績に基づき，本件要綱等に従い，所定の手続を経て交付されるものであり，被告は，上記（１）で認定したように，本件事業の進捗に従って，適宜補助金を支出している。
（エ）　前記認定事実によれば，本件事業の目的は，明らかに公益性があるものといえ，その施行により，再開発ビルの建設や周辺道路の整備が行われれば，地域振興や都市再開発といった都市政策として一定の効果があると認められる。そして，その態様としても，本件地区の現況などに照らし，特に不合理なものということはできない。
（オ）ａ　参加人らは，本件事業に採算性がないから，破綻するおそれが大きい旨主張するようである。参加人らは，その主張の根拠として，多くの駅前再開発計画において，地域の活性化促進や経済波及効果の期待に反する結果が出ていること，本件事業においても，一旦核店舗として出店を予定していた大丸が本件認可後辞退したこと，新たに西友が核店舗として出店することになったが，当初の計画と比べて，核店舗の規模が縮小されていること，また，第三セクター方式で設立された本件会社が保留床の買取りを行っており，駐車場についても，新たに第三セクター方式で会社を設立して，これに買い取らせることなどを挙げている。しかし，まず，他の再開発計画の例については，参加人らの主張は，それらの例との抽象的な類似性や公共事業の一般的な問題点を指摘するにとどまるし，原告らの主張に沿う証拠（甲１４，３１，４１ないし４５，５０，５１）が提出されているものの，ここから直ちに本件事業についても同様の結果が生じると認めることはできない。また，本件事業においては，大丸の辞退後，権利変換計画認可に至るまでに，西友の核店舗としての出店が決まり，それに沿って本件事業が進行しているものと認められるし，核店舗の変更やそのほかの事情によって事業計画が変更になったからといって，出店した核店舗の経営や本件事業自体の運営が破綻することには直結しない。その他の参加人らの指摘する点を考慮しても，本件事業に採算性がないことを具体的に認めるには足りず，この点についての参加人らの主張は採用できない。
ｂ　また，参加人らは，第三セクターを作って事業を進めること自体がその事業が既に破綻していることを示しており，本件事業が成り立たないことを示しているなどとも主張する。確かに，前提事実によれば，本件事業の事業費は，国や奈良県，β町からの補助金のほかは，再開発ビルの保留床の処分金で賄われることとされ，この保留床処分金が総事業費の約４４パーセントを占めるところ，保留床の処分が円滑に実施されるかどうかが，本件事業を施行する上で重要な要素の一つであると認められるし，また，保留床の処分の方法としては，都市再開発法上，原則として公募によることとされているものである。しかし，保留床を取得し，これを賃貸などで運用することにより長期間での採算の確保を目的とする会社を，地権者等とともに地方公共団体が出資者となっていわゆる第三セクター方式により設立する方法については，無利子や低金利融資などの優遇措置が受けやすくなることから，多額の資金を調達することができ，その資金で保留床を買い取って，長期的に賃貸運用することが可能となるなどの利点があり，むしろ，本件事業の採算性を高める側面も否定できないから，この点についての参加人らの主張も採用できない。その他に，参加人らが主張している理由も，本件補助金の交付について公益上の必要性がなかった根拠とするには十分でない。
（カ）　以上，本件事業はその目的において公益性を有していると認められる。そして，本件補助金の支出は，その対象となる本件事業が適法なものであり，それを実施する目的でなされるもので，本件事業の実現のためには欠くことができないものであって，またその態様，程度においても特に不合理なものであるとは認められないから，本件補助金を交付することにつき，被告の判断に裁量権の逸脱又は濫用があったと認めることはできず，地方自治法２３２条の２にいう「公益上の必要性」がなかったということはできない。その他，本件補助金の交付について，これを違法とするような事由は認められない。
ウ　そうすると，被告が本件組合に対し，本件事業に対し，今後，事業の進捗にしたがって本件補助金を支出することは違法ではないから，これが違法であることを前提とする今後の支出についての差止め請求は理由がない。
３　結論
　以上によれば，本件訴えのうち，原告らの訴えは不適法であるからこれを却下することとし，参加人の訴えのうち，本件口頭弁論終結時である平成１４年１０月１６日までに支出がなされた公金の支出等の差止めを求める部分は不適法であるから却下することとし，その余の公金の支出等の差止めを求める部分は理由がないので棄却することとし，主文のとおり判決する。
奈良地方裁判所第２民事部
裁判官　島川勝
裁判官　谷口真紀
裁判長裁判官宮城雅之は，転補のため署名押印できない。
裁判官　島川勝
      
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   <title>H15. 2.26 東京地裁 平成12(行ウ)281 延滞税課税処分取消等請求事件 </title>
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   <published>2008-12-11T07:43:51Z</published>
   <updated>2008-12-11T07:45:15Z</updated>
   
   <summary>H15. 2.26 東京地裁 平成12(行ウ)281 延滞税課税処分取消等請求事件
　主文： １　原告の被告東京国税局長に対する訴えを却下し、被告国税不服審判所長に対する請求を棄却する。
２　原告と被告国との間で、原告の亡Ａの遺産相続に係る相続税の延滞税納付債務が４２万７４００円を超えて存在しないことを確認する。</summary>
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      H15. 2.26 東京地裁 平成12(行ウ)281 延滞税課税処分取消等請求事件

　主文
１　原告の被告東京国税局長に対する訴えを却下し、被告国税不服審判所長に対する請求を棄却する。
２　原告と被告国との間で、原告の亡Ａの遺産相続に係る相続税の延滞税納付債務が４２万７４００円を超えて存在しないことを確認する。
３　原告の延滞税納付債務不存在確認請求のうち、その余の部分を棄却する。
４　原告の被告国に対する金員請求を棄却する。
５　訴訟費用のうち、原告と被告東京国税局長及び被告国税不服審判所長との間で生じた分は全部原告の負担とし、原告と被告国との間で生じた分は、これを２分し、その１を原告の、その余を被告国の各負担とする。
　事実及び理由
第１　請求
１　被告東京国税局長が、平成１０年１０月２７日付けでした原告の延滞税のうち３９７万９１００円を超える部分を免除しなかった処分を取り消す。
２　被告国税不服審判所長が、平成１２年１０月５日付けでした原告の延滞税に係る課税処分についての審査請求を却下する旨の裁決を取り消す。
３　被告国との間で、原告の延滞税納付債務金６７６万４１００円が存在しないことを確認する。
４　被告国は、原告に対し、金８０万４６００円及びこれに対する平成１０年１２月２３日から支払済みまで年７・３パーセントの割合による金員を支払え。
第２　事案の概要
　本件は、原告が、「亡Ａの遺産相続に伴って発生した相続税につき、違法に高額の延滞税が課せられた。」と主張して、原告のいう「延滞税課税処分」及び同処分を不服として提起した審査請求に対する却下裁決の取消し、延滞税納付債務の不存在確認、並びに過誤納金の還付を求める事案である。
１　前提事実等
　以下の事実は、証拠上容易に認めることができる（被告国との間では争いがなく、被告東京国税局長は、明らかに争わない事実でもある。）。
１）原告は、浅草税務署長に対し、昭和６３年１１月２日付けで亡Ａの遺産相続に伴う相続税申告をし（以下「当初申告」という。甲１）、平成元年２月１２日付けで当初申告について更正の請求をし（以下「本件更正請求」という。）、同年５月２６日付けで本件更正請求を全部認容する更正（以下「本件更正」という。）を受けた（甲１、２、弁論の全趣旨）。
　当初申告及び本件更正の内容は、別表１、２各記載のとおりであり、この段階においては、遺産分割協議が成立していなかったため、配偶者に対する税額控除は適用されていなかった。
２）原告は、本件更正後の相続税を納付しなかったため、平成５年１２月１５日付けで、別紙物件目録記載の土地建物（以下「本件土地建物」という。）の原告の共有持分（持分割合は６分の３）につき、滞納処分としての差押え（以下「本件差押え」という。）を受けた（甲３、４）。
３）平成９年１０月２２日、亡Ａの遺産についての遺産分割審判が確定した。
４）原告は、浅草税務署長に対し、平成１０年２月１３日付けで遺産分割審判の確定を理由として相続税に関する更正の請求をし（以下「本件再更正請求」という。）、同年４月２８日付けで本件再更正請求を全部認容する再更正（以下「本件再更正」という。）を受けた（甲５、７）。
　本件再更正の内容は、別表３記載のとおりであるところ、原告が取得すべき相続財産の価額が増加した一方で、遺産分割審判（以下「本件遺産分割審判」という。）の確定によって配偶者に対する税額控除が適用された結果、原告が納付すべき相続税額は、本件更正時の４４４４万９７００円から８９２万２５００円に減少した。そして、原告は、同年３月１０日、相続税の支払として、８９３万０６００円を納付した（甲６）。
５）被告東京国税局長（以下「被告国税局長」という。）は、平成１０年１０月２７日付けの「延滞税免除通知書」と題する書面をもって、原告の相続税に係る延滞税（以下「本件延滞税」という。）につき、１３３万２６００円を免除した結果、免除後の延滞税額は１０７４万３２００円となった旨を通知（以下「本件延滞税免除通知」という。）した（甲１０）。
　なお、本件延滞税免除通知における延滞税額の計算方法は、次のとおりであった。
（１）　免除前の延滞税額・・・１２０７万５８００円
ア）昭和６３年１１月２日（法定納期限）から昭和６４年１月２日（法定納期限の翌日から２か月後）までにつき１０万８８２４円
　８９２万円×７．３（％）×６１（日）÷３６５（日）＝１０８，８２４（円）
イ）昭和６４年１月３日から平成１０年３月１０日（相続税本税の納付日）までにつき１１９６万７０７２円
　８９２万円×１４．６（％）×３３５４（日）÷３６５（日）＝１１，９６７，０７２（円）
ウ）以上の合計・・・・・１２０７万５８００円
（２）　延滞税の免除額・・・・１３３万２６００円
　ただし、平成５年１２月１５日から平成７年１２月３１日までは、本件差押えによって滞納された相続税の全額を徴収するために必要な財産につき差押えがされていたものと認め（国税通則法６３条５項）、延滞税額の２分の１の範囲内で免除をしたもの。
（３）　免除後の延滞税額・・・１０７４万３２００円
　ただし、（１）から（２）を控除した残額。
６）原告は、平成１０年１１月２５日、被告国税局長に対し、本件延滞税免除通知を不服として、異議申立てをしたが、平成１２年２月２９日付けで、異議申立ての対象となる行政処分が存在しないとの理由でこれを却下する旨の決定を受け、同年３月２８日、被告国税不服審判所長（以下「被告審判所長」という。）に対し審査請求（以下「本件審査請求」という。）をしたが、同年１０月５日付けで、同様の理由により審査請求を却下する旨の裁決（以下「本件裁決」という。）がされ、同月７日、本件裁決書謄本の送達を受けたため、同月２７日、本訴を提起した（甲１１ないし１４、弁論の全趣旨）。
７）なお、被告国税局長は、原告が前記３）のとおり相続税の支払いとして納付した８９３万０６００円のうち、相続税本税額（８９２万２５００円）を超過する８１００円を本件延滞税の支払に充当し、また、原告の共同相続人であり、原告の相続税につき連帯納付義務を負うＢに対して支払うべき還付金６４万８２００円及びＣに対して支払うべき還付金４１２万７４００円をいずれも本件延滞税の支払に充当する旨の処理をしている（甲１０、１５、１６）。
８）原告が、本訴において、被告国税局長による延滞税額の計算に対して不服を述べている点は、次の２点である。
（１）　本件更正の際に、配偶者控除がされていれば、納付すべき相続税額は３８１万９０００円（ただし、相続税額である４４４４万９７００円から配偶者控除の額である４０６３万０７００円を控除した残額。）となるはずであったところ、本件再更正において配偶者控除後の相続税額が８９２万２５００円に増加したのは、本件遺産分割審判によって原告が取得すべき相続財産の価額が増額されたためである。したがって、本件遺産分割審判の結果増加した相続税（５１０万３５００円。以下「相続税増加部分」という。）に対しては、相続税法５１条２項２号ロにより延滞税が発生しないものとして処理されるべきであるのに、この分に対しても延滞税が課されている（以下、これを「延滞税不発生の不服部分」という。）。
（２）　国税通則法６３条５項に基づく延滞税の免除が平成７年１２月３１日までの分についてしかされていないのは違法であり、平成１０年３月１０日までの分を免除の対象とすべきである（以下、これを「延滞税不免除の不服部分」という。）。
２　争点と争点に関する当事者双方の主張
　本件の争点は、①本件延滞税免除通知は、取消訴訟の対象となる行政処分に当たるかどうか、及びこれについて審査請求前置、出訴期間の要件が満たされているといえるかどうか、②上記１、８）の（１）に掲げた原告の主張の適否、③同（２）に掲げた原告の主張の適否、④原告に対して還付されるべき過誤納金が存するかどうかであり、これらの点に関する当事者双方の主張は次のとおりである。
１）争点①について
（１）　被告
ア）原告が主張する相続税不発生の不服部分、延滞税不免除の不服部分のいずれについても、取消訴訟の対象となるべき行政処分は存在しない。したがって、原告の本訴請求中、本件延滞税免除通知の取消しを求める訴えは不適法なものとして却下されるべきであり、また、本件裁決の取消しを求める部分は、理由がないものとして棄却されるべきである。その理由は、次のとおりである。
　まず、延滞税は、法律上当然に発生するものであって、賦課決定処分等の行政処分がされて始めて発生するものではない。したがって、延滞税不発生の不服部分に係る延滞税納付義務は、法律上当然に発生しているか発生していないかのいずれかであって、本件延滞税免除通知によって、その義務の有無が左右されるものではなく、同通知は、延滞税納付義務が法律上当然に発生していることを告知したのにすぎないのである。そうすると、本件延滞税免除通知の取消しを求める訴えのうち、延滞税不発生の不服部分に対応する部分には、何ら取消しの対象となる行政処分は存在していないものというべきであるから、不適法である。
　また、国税通則法６３条５項に基づく延滞税の免除は行政処分であるが、これは、あくまでも延滞税の一部を免除するという行政処分であって、免除しなかった部分につき延滞税不免除処分という行政処分が存在するものではない。したがって、本件延滞税免除通知の取消しを求める訴えのうち、延滞税不免除の不服に対応する部分は、不免除処分という行政処分が存在するという誤った前提に基づくものであり、やはり不適法というべきである。
イ）また、延滞税不発生の不服部分と延滞税不免除の不服部分とは、別個の法律関係に基づく別個の事柄なのであるから、仮にこれらに対応する行政処分が存在するとしても、それは別個の行政処分であり、それぞれについて審査請求前置、出訴期間遵守の要件を満たす必要がある。
　しかしながら、原告は、本件審査請求においては、延滞税不免除の不服部分に関する具体的主張はしておらず、また、本訴提起時においてもこの点を明確に主張せず、むしろ、「延滞税に係る課税処分」の取消しを求めるとして、延滞税不発生の不服部分のみを訴えの対象とすることを明言し、本訴第７回口頭弁論期日（平成１４年３月５日）の裁判所の釈明を受けた第７準備書面（同年３月２０日付け、同年４月１６日の本訴第８回口頭弁論期日において陳述）において初めて、延滞税不免除の不服部分についても処分の取消しを求める旨を明らかにしたものであり、これは訴えの変更（拡張）に当たるものである。
　そうすると、少なくとも延滞税不免除の不服部分に関する訴えは、審査請求前置の要件を満たしておらず、仮に審査請求前置の要件を満たしていたとしても、出訴期間を遵守していないことは明らかであるから、いずれにせよ不適法というべきである。
ウ）被告審判所長は、ア）と同様の理由から、本件審査請求を不適法と認め、これを却下する旨の本件裁決をしたものであり（なお、延滞税不免除の不服部分については、もともと審査請求の対象となっていたとは認められないことは、イ）で指摘したとおりである。）、本件裁決は適法である。
（２）　原告
ア）原告は、平成１０年２月１３日、同年５月２１日の２度にわたって、浅草税務署長に対し、延滞税不発生の不服部分のとおりの内容を記載した「事情説明書」（甲８、９）を提出し、相続税額増加部分に対しては、延滞税が課されるべきではない旨を主張していたにもかかわらず、被告国税局長はこの主張を無視した本件延滞税免除通知を発し、この部分に対しても延滞税を課したものである。延滞税は、法律上当然に発生するものであり、賦課決定処分等の行政処分は不要であるとしても、本件のように、原告の主張を無視して、延滞税が発生したとの取扱いがされている場合には、ここに被告国税局長の判断が介在しているのであるから、この判断を行政処分に準ずるものとして、取消訴訟の対象とすることが許されるものと解すべきである。
　また、延滞税不免除の不服部分に関しては、被告国税局長は、平成７年１２月３１日までの分の延滞税を２分の１の範囲内で免除するとともに、その余の分については免除しないという一部免除一部不免除の行政処分をしたものと解すべきであるから、一部不免除の部分の取消しを求めることが許されるものというべきである。
イ）原告は、本件審査請求及び本訴提起当初から延滞税不発生の不服部分及び延滞税不免除の不服部分の両者を不服として審査請求をし、訴えを提起しているのであるから、審査請求前置、出訴期間遵守の要件に欠けるところはない。
ウ）以上によれば、本件延滞税免除通知は行政処分に当たり、本件審査請求は適法というべきであるにもかかわらず、被告審判所長は、これを不適法却下する旨の本件裁決をしたのであるから、本件裁決は違法であり、取り消されるべきである。
２）争点②について
（１）　原告
　本件更正と本件再更正とを比較すると、本件遺産分割審判の結果、原告が取得すべき遺産の価額が増額される一方で、配偶者控除の規定（相続税法１９条の２）が適用された結果、全体としてみれば、税額が減額されることとなった。
　しかしながら、本件更正時点において配偶者控除の規定が適用されなかったのは、当事者間において遺産分割協議が成立していなかったからにすぎず、本件は、本来的には配偶者控除の規定が適用されて当然の事案なのであるから、本件再更正は、実質的には、本件遺産分割審判の結果、原告が取得すべき遺産の価額が増額されたことを理由とし、その増額部分について相続税額を増額させる増額再更正とみるべきものである。そうだとすると、相続税法５１条２項２号ロにより、増額された相続税額（相続税増加部分）に対しては、相続税は発生しないものと考えるべきである。
　また、上記の点に照らしてみれば、本件再更正は、配偶者控除の適用によって相続税額を減額させる減額再更正部分と、取得すべき遺産の価額が増額されたことを理由として相続税額を増加させる増額再更正部分とに分けることができ、この増額再更正部分については、相続税法５１条２項２号ロが適用され、延滞税が発生しないものというべきである。
（２）　被告
　配偶者控除の規定は、本件遺産分割審判が確定したことによって初めて適用が可能となったものであり、本件更正時点においてはその適用の余地がなかったものであるから、あたかも本件更正時点においてその適用が認められるかのような前提に立ち、本件再更正を実質的には増額再更正であるとするのは誤りである。
　また、本件再更正は、相続税額を減額させる減額再更正であり、原告のいう「増額再更正部分」や「減額再更正部分」は、結論に至るまでの計算過程の問題にすぎず、それ自体が独立した更正になるものではない。そして、減額再更正は、専ら税額を減額させるものにすぎず、更正によって納付すべき税額は存在しない以上（国税通則法２９条２項によって、減額更正は、これにより減少した税額に係る部分以外の部分の国税についての納税義務に影響を及ぼさないこととされているのであるから、減額後の納税額が、減額更正によって「納付すべき税額」となるものではないことは明らかである。）、相続税法５１条２項２号ロが適用される余地はないものである。
　以上の次第で、この点に関する原告の主張はすべて失当というべきである。
３）争点③について
（１）　原告
　本件差押えの対象となった本件土地建物の当初申告時における評価額（ただし、原告の持分である２分の１に対応する評価額。以下同じ。）は、当初申告時において合計１０３２万０７９２円であったところ、本件土地建物は、被告国税局長が延滞税の免除を認めなかった期間についても、
平成８年当時は１６１４万６９１９円
平成９年当時は１２５４万６０９９円
平成１０年当時は１０７４万５６８９円
の価値を有するものであった（甲１７－１９）。
　これに対し、相続税の本税の額は、８９２万２５００円であり、延滞税の対象となるべき相続税額は３８１万９０００円にすぎないのであるから、これを前提とした計算をすると、本件土地建物の差押えによって、平成元年から平成１０年まで一貫して「滞納に係る国税の徴収に必要な財産につき差押え」がされていたものということができるから、国税通則法６３条５項により、上記の全期間にわたって延滞税の免除がされるべきであったのに、平成８年以降の分につき延滞税の免除がされなかったのは違法である。
（２）　被告
　平成８年以降の分については、国税通則法６３条５項に基づく延滞税の免除処分がされておらず、また、延滞税不免除の不服部分に関する原告の訴えが不適法であることは、既に主張したとおりであるから、原告が延滞税の不免除を争う余地はなく、原告の主張は主張自体失当である。したがって、争点③に関する原告の主張について具体的な認否反論をする必要はない。
４）争点④について
（１）　原告
ア）２、２）、３）の主張を前提とすると、原告が納付すべき相続税の本税の額は８９２万２５００円であり、延滞税の額は、次のとおり合計３９７万９１００円であって、その合計額は１２９０万１６００円となる。
昭和６３年１１月３日から昭和６４年１月２日まで
３８１（万円）×６１（日）×７・３（％）÷３６５（日）＝４６、４８２（円）
昭和６４年１月３日から平成５年１２月１４日まで
３８１（万円）×１８０７（日）×１４・６（％）÷３６５（日）＝２、７５３、８６８（円）
平成５年１２月１５日から平成１０年３月１０日まで
３８１（万円）×１５４７（日）×７・３（％）÷３６５（日）＝１、１７８、８１４（円）
以上の合計は、３９７万９１６４円
イ）これに対し、原告が納税した相続税本税及び延滞税額（還付金が充当された分も含む。）は、次のとおり、合計１３７０万６２００円となる。
原告の納付額・・・・・・・・・・８９３万０６００円
Ｂへの還付金の充当額・・・・６４万８２００円
Ｃへの還付金の充当額・・・４１２万７４００円
ウ）したがって、被告国が主張する延滞税額である１０７４万３２００円と上記ア）に記載した正しい延滞税額である３９７万９１００円との差額である６７６万４１００円については延滞税の納付債務が存在しないものであり、また、上記イ）記載の納付済税額１３７０万６２００円は、上記ア）記載の相続税本税額と延滞税額の合計１２９０万１６００円を８０万４６００円上回っており、同額の過誤納金が生じていることになるので、被告国は、原告に対し、上記部分について延滞税の納付債務が存在しないことを確認するとともに、過誤納金を返還すべき義務を負うことになる。
（２）　被告
　原告の主張は争う。
　２、２）、３）に関する原告の主張が理由のないものであることは既に主張したとおりであり、原告による延滞税額の計算は、誤った前提に基づくものであって失当であることは明らかである。
第３　争点に対する判断
１　争点①について
１）延滞税不発生の不服部分について
　原告は、「延滞税不発生の不服部分に関しても、被告国税局長による延滞税賦課決定処分に準ずる行政処分がされたものと解すべきである。」という趣旨の主張をする。しかしながら、延滞税は、一定の事由が存在する場合には当然に発生することが予定されており（国税通則法６０条等）、その発生について賦課決定処分等の行政処分を要するものではないことは被告が主張するとおりであり、このことは、延滞税不発生の不服部分についても何ら異なるものではない。
　原告は、「事情説明書（甲８、９）による原告の主張を無視して延滞税発生の処理がされており、ここには被告国税局長の判断が介在するのであるから、この判断を行政処分に準ずるものとみるべきである。」という趣旨の主張をするが、行政庁の判断があれば行政処分が存在するとの主張に根拠がないことは明らかであり（どのような行政上の行為でも、その前提として行政庁の何らかの判断が存在することは当然である。したがって、行政庁の判断行為があるから行政処分に当たるということはできず、それが行政処分に当たるかどうかは、その判断に基づく行為に特別な法的効果が与えられているかどうかという観点から検討されるべきものである。また、延滞税が当然発生の税である以上、原告に延滞税を発生させないための申請権が認められるものではないことも明らかなのであるから、原告の申請に対する拒否処分があったと理解して、行政処分性を肯定することもできない。）、上記主張は到底採用できるものではない。そして、行政処分の存在が認められないとしても、原告としては、延滞税納付債務の不存在確認を求めることによって、延滞税が発生しているかどうかを争うことができ、現に本件においても、この訴えを提起しているのであるから、何ら不都合は生じないものというべきである。したがって、この点に関する原告の主張は失当であり、採用することはできない。
２）延滞税不免除の不服部分について
　国税通則法６３条５項は、国税局長等は、滞納に係る国税の全額を徴収するために必要な財産につき差押えをした場合等においては、その差押え等に係る国税の計算の基礎とする延滞税につき、その差押え等がされている期間のうち、当該国税の納期限の翌日から２月を経過する日後の期間に対応する部分の金額の２分の１に相当する金額を限度として、免除することができる旨を定めている。そして、この規定は、延滞税の免除をする場合に、免除処分という行政処分をすることを定めているのみであって、免除をしない場合に何らかの処分をすべき旨は何ら定めていないのであるから、免除をしない場合に不免除処分という行政処分をすることは予定していないものと解さざるを得ない。このことは、一部免除処分の場合であっても同様であり、延滞税の一部免除処分とは、一部免除処分と一部不免除処分を含むとする原告の主張は失当といわざるを得ない。そうすると、本件延滞税免除通知において延滞税免除の対象とはされていなかった期間について、延滞税不免除処分という行政処分がされたと理解することはできないのであるから、延滞税不発生の不服部分と同様に、取消しの対象となる行政処分は存在しないものというべきである。
　このように解すると、国税局長等が延滞税の免除の要否に関する判断を誤り、本来延滞税を免除すべきであるにもかかわらず、免除処分をしなかった場合であっても、納税者としては不免除処分の取消訴訟を提起することはできず、また、延滞税の免除がされていない以上、延滞税納付債務不存在確認訴訟等によってこれを争うこともできないということとなり、不当な結果をもたらすとの疑問が生じないではない。しかしながら、このことは、国税通則法６３条５項の解釈上やむを得ない結果であるといわざるを得ないし、また、この場合であっても、納税者としては、延滞税の免除がされないことが違法であり、その結果損害を受けたとすれば、国家賠償を請求することによってその救済を求めることは可能であると解すべきであるから、これによって最低限の救済措置は確保されているものというべきである。
　したがって、この点に関する原告の主張は、審査請求前置主義違反や出訴期間徒過についての被告の主張について判断するまでもなく失当であるといわざるを得ない。
３）以上によれば、本件延滞税免除通知の取消しを求める訴えは、対象となる行政処分が存在せず、不適法として却下するほかはない。また、同様の理由に基づく本件裁決は適法というべきであるから、その取消しを求める請求は、理由がないものとして棄却すべきものである。
２　争点②について
　前示のとおり、本件においては、①本件遺産分割審判の結果、原告が取得すべき遺産の価額が増額する一方で、②本件遺産分割審判の確定により、配偶者控除の規定の適用が可能になったため（相続税法１９条の２第２項ただし書）、納税すべき税額が減額されることとなったものである。
　ところで、①の事由は、相続税法３１条１項（及び同法３２条１号）によって修正申告をすべき事由に当たり、②の事由は、同法３２条６号によって更正の請求をすべき事由に当たるものであるところ、同法３１条、３２条は、いずれも、同法３２条各号（同法３１条の場合には同３２条１号から４号まで）に規定する事由が生じたため、既に確定した相続税額に不足を生じた場合又は税額が過大となったときには、修正申告又は更正の請求をすべき旨を定めている。そして、これらの規定の仕方からすると、同法３１条、３２条の規定は、所定の事由が生じて相続税額に変動が生じた場合には、その事由ごとに修正申告又は更正の請求をすべきことを定めているものと解するのが相当であるから、納税者が規定の趣旨を忠実に守ってその事由ごとに修正申告と更正の請求の双方の手続を行った場合はもとより、両者の事由をまとめて更正の請求を行った場合においても、延滞税については、その事由ごとに修正申告と更正の請求の双方がされたことを前提とした処理がされるべきものである。したがって、本件における延滞税の計算についていえば、①の事由を理由とする修正申告と、②の事由を理由とする更正の請求があったことを前提とした処理をするのが本来の姿であり、このことは、原告が相続税の更正の請求書（甲５）という書面のみを提出した場合であっても異なるものではないというべきである。
　そうだとすると、①の事由を理由とする修正申告によって増額された税額に対しては、相続税法５１条２項１号ロにより、当該申告書の提出があった日までの期間は延滞税が課されないものと解すべきこととなるから（原告の主張には、このような主張も含まれているものと解することができる。）、その意味において、原告の主張は理由があるものというべきである。
　なお、このような見解に対しては、「仮に、上記のような理解をするとしても、修正申告と更正の請求とが同時にされた場合、修正申告は直ちに確定するからそこで相続税額増額の効果が発生し、その後、更正の請求に基づく本件再更正（減額更正）によって相続税額が減額され、その結果、最終的な税額は、本件更正当時の税額を下回ることとなるのであるから、これらを全体として見れば、税額が減額されているだけであって、増額部分に対する延滞税の不発生という効果が発生する余地はない。」との反論があり得るかもしれない。この反論を本件に即した数値で説明すると、当初の申告によって確定していた税額が４４４４万９７００円であったところ、修正申告と更正の請求が同時にされ、まず修正申告によって税額が５１０万３５００円増加して４９５５万３２００円となり、その後更正により税額が４０６３万０７００円減少して８９２万２５００円となったのであって、全体としてみれば税額が減額されているだけであるということになる。しかしながら、修正申告によって税額が増額した時点においては、その時点における相続税本税の総額４９５５万３２００円のうち、当初から存在した４４４４万９７００円については、従来どおり、その法定納期限以降の延滞税が発生しているのに対し、増額された５１０万３５００円については、修正申告書提出日の翌日以降延滞税が発生するにすぎないのである。すなわち、その後の更正によって、全体としての相続税本税が減少するとしても、その時点における相続税本税には延滞税の発生時期を異にする２つの部分があるといわざるを得ないのであって、更正の結果減額された相続税本税について、上記のいずれの部分がどのように残存していると考えるかによって、相続税法５１条２項１号ロの適用の結果も大きく異なることとなるのである。そして、このように相続税本税の中に延滞税の発生時期を異にする２つの部分がある場合において、更正によって税額が減額されるときにいずれの部分から減額すべきかについては法律上の定めがないのであるから、相続税法全体の趣旨からその結果を導くほかないところ、本件のように減額更正の事由が修正申告の事由の存在を前提としたものではなく、仮に修正申告事由がない場合においても、当初の申告税額を同じように減額するものであるときには、更正によって減額されるのは、その時点で存在する相続税本税のうち、修正申告事由の存在にかかわりなく存在する当初申告の部分であると考えるのが相当である。このように考えると、更正の後には、修正申告によって新たに発生した部分５１０万３５００円については、更正によって影響を受けず、相続税法５１条２項１号ロにより、当該申告書（本件の場合は、これと同視すべき更正請求書）提出の日の翌日以降延滞税が発生することとなり、その余の部分についてのみ、相続税の法定納期限以降の延滞税が発生していることとなるのであって、被告の主張は採用できない。
３　争点③について
　既に説示したとおり、延滞税は、賦課決定処分を待つまでもなく当然に発生するものなのであるから、原告が不服としている平成８年から平成１０年までについても、年１４・６パーセントの割合による延滞税が発生していることは明らかである。
　これに対し、原告は、この期間については、国税通則法６３条５項によって延滞税の半額が免除されるべきであると主張するが、本件においては、その旨の免除決定はされておらず、また、原告において免除決定がされていないことを争うこともできないことは１、２）において説示したとおりである。
　そうすると、この点に関する原告の主張は失当というほかはない。
４　争点④について
　以上によると、原告の主張のうち、延滞税不発生の不服部分（争点③）は理由があるが、延滞税不免除の不服部分（争点④）は理由がないこととなるので、これを前提として、原告が支払うべき延滞税の額を計算すると、次のとおり、その額は、５２１万１１００円となる。
昭和６３年１１月３日から昭和６４年１月２日まで
３８１（万円）×６１（日）×７・３（％）÷３６５（日）＝４６、４８２（円）
昭和６４年１月３日から平成１０年２月１２日（更正の請求書により修正申告をした日）まで
３８１（万円）×３３２８（日）×１４・６（％）÷３６５（日）＝５、０７１、８７２（円）
平成１０年２月１３日から同年３月１０日まで
８９２（万円）×２６（日）×１４・６（％）÷３６５（日）＝９２、７６８（円）
以上の合計・・・・・５２１万１１２２円
　他方、上記延滞税の支払として評価されるべき金額は、原告が相続税本税の額よりも多く支払った８１００円、Ｂへの還付金を延滞税の支払に充当した６４万８２００円、Ｃへの還付金を延滞税の支払に充当した４１２万７４００円の合計４７８万３７００円となるから、結局、現段階においては、上記延滞税額から支払済みの額を控除した残額である４２万７４００円の延滞税が残存していることとなる。
　したがって、原告の延滞税納付債務不存在確認請求は、延滞税納付債務が４２万７４００円を超えて存在しないことの確認を求める限度では理由があるから認容すべきであるが、これを超える部分は理由がないものとして棄却すべきものである（なお、原告は、原告が発生せず、あるいは免除されるべきであると主張する延滞税の合計額金６７６万４１００円について延滞税納付債務の不存在確認を求めている。しかしながら、延滞税納付債務の存否やその額を確定させるためには、同債務の一部の存否確認ではなく、口頭弁論終結時における同債務の存否やその額を確認するのが相当というべきであるところ、原告の請求には、この趣旨も含まれているものと解されるので、主文においては、延滞税納付債務が４２万７４００円を超えて存在しないことの確認をすることとする。）。また、原告の過誤納金返還請求は、上記のとおり過誤納金は存在しないものというべきである以上、棄却するほかはないものである。
第４　結論
　以上の次第で、原告の本件延滞税免除通知取消請求に係る訴えを却下し、裁決取消請求を棄却し、延滞税納付債務不存在確認請求を主文２項記載の限度で認容し、その余を棄却し、過誤納金返還請求を棄却することとし、訴訟費用の負担につき、行政事件訴訟法７条、民事訴訟法６１条、６４条、６５条を適用して、主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第３部
裁判長裁判官　藤山雅行
裁判官　鶴岡稔彦
裁判官　加藤晴子
      
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   <title>H15. 2.25 高松地裁 平成12(行ウ)2 勧告無効確認請求事件 </title>
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   <summary>H15. 2.25 高松地裁 平成12(行ウ)2 勧告無効確認請求事件
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      H15. 2.25 高松地裁 平成12(行ウ)2 勧告無効確認請求事件

　主文
　　　　１　本件訴えをいずれも却下する。
　　　　２　訴訟費用は原告の負担とする。

　事実及び理由
第１　請求
１　被告が原告に対し，平成９年１２月８日付でした，観音寺徳洲会病院の開設に対する中止勧告が無効であることを確認する。
２　被告が原告に対し，平成１０年２月２６日付け観音寺徳洲会病院開設許可処分に付した，上記病院の開設の中止を勧告する附款部分が無効であることを確認する。
第２　事案の概要
　医療法人である原告が，香川県観音寺市内に病院の新規開設を計画して，医療法７条１項に基づき，被告に対し，観音寺徳洲会病院開設の許可申請をしたところ，被告が，同法３０条の７に基づき，平成９年１２月８日付けで病院の開設中止を勧告し（以下「本件勧告」という。），平成１０年２月２６日付けで前記病院開設の許可処分（以下「本件許可処分」という。）をしたことから，原告は，本件勧告は，原告に服従義務を課する下命としての性質を有する独立の行政処分であるか，本件許可処分に付された附款のいずれかにあたり，いずれにせよ，保険医療機関の指定を受けるにあたっての原告の法的地位に著しい不利益を与え，原告の病院開設を恣意的に排除しようとの意図の下に重大かつ明白な瑕疵のある手続により行われたものであるとして，選択的に，本件勧告自体の無効確認，または本件許可処分に付された附款の無効確認を求めた。
１　前提となる事実
　争いのない事実，証拠（甲１ないし８，乙１，２，４，７，９，１１，５６及び５７）及び弁論の全趣旨によれば，以下の事実が認められる。なお，本件勧告後に法改正が行われているが，特段の記載のない限り，処分権者等は本件勧告時のものであり，法文についても同様である。
（１）被告は，香川県において，国の機関委任事務として医療法７条に基づく病院開設許可処分を，国の団体委任事務として同法３０条の７に基づく勧告を行う権限を有する行政庁であり，香川県において，これらの事務は，香川県健康福祉部医務福祉総務課（現在の医務国保課。以下「県担当課」という。）が所管していた。
医療法７条（病院等の開設の許可）
１項　病院を開設しようとするとき，医師及び歯科医師でない者が診療所を開設しようとするとき，又は助産婦でない者が助産所を開設しようとするときは，開設地の都道府県知事（診療所又は助産所にあっては，その開設地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては，当該保健所を設置する市の市長又は特別区の区長。以下，この条，第八条，第九条，第十二条，第十八条，第二十四条及び第二十七条から第三十条までの規定において同じ。）の許可を受けなければならない。
２項　病院を開設した者，医師及び歯科医師でない者で診療所を開設したもの又は助産婦でない者で助産所を開設したものが，療養型病床群を設けようとするとき，若しくは病床数，療養型病床群に係る病床数，病床の種別（精神病床，伝染病床，結核病床及びその他の病床の区別をいう。以下同じ。）その他厚生省令で定める事項を変更しようとするときも，厚生省令で定める場合を除き，前項と同様とする。
３項　都道府県知事は，前二項の許可の申請があった場合において，その申請に係る施設の構造設備及びその有する人員が第二十一条及び第二十三条の規定に基づく省令の定める要件に適合するときは，前二項の許可を与えなければならない。
（４項省略）
（２）香川県は，平成６年３月，医療法の定めるところにより第２次香川県保健医療計画を策定し，香川県内における医療法３０条の３第２項１号に規定する区域の１つとして，香川県西部の観音寺市，Ａ町等の１市９町で構成される三豊保健医療圏を設定した。
同法３０条の３（医療計画）
１項　都道府県は，当該都道府県における医療を提供する体制の確保に関する計画（以下「医療計画」という。）を定めるものとする。
２項　医療計画においては，次に掲げる事項を定めるものとする。
一　主として病院の病床（次号に規定する病床及び第七条第二項に規定するその他の病床以外の病床を除く。）の整備を図るべき地域的単位として区分する区域の設定に関する事項
二　二以上の前号の規定する区域を併せた区域であって，主として厚生省令で定める特殊な医療を提供する病院の第七条第二項に規定するその他の病床であって当該医療に係るものの整備を図るべき地域的単位としての
区域の設定に関する事項
三　第七条第二項に規定するその他の病床に係る必要病床数及び同項に規定するその他の病床以外の病床に係る必要病床数に関する事項
（３）公正取引委員会は，平成８年１２月２６日，社団法人観音寺市三豊郡医師会（以下「三豊郡医師会」という。）に対し，私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律４８条１項に基づき，病院又は診療所の開設，診療科目の追加，病床の増床，増改築等を制限する行為を行わないことなどを内容とする勧告（以下「公取委勧告」という。）をした。また，公正取引委員会は，被告に対しても同日付けで，三豊郡医師会への指導を行うよう要請した。
（４）県担当課は，平成９年５月２０日，三豊郡医師会から，三豊保健医療圏内の増床等を希望する医療機関に関する一覧表の提出を受けた。
（５）原告は，平成９年７月２５日，県担当課に対し，病床数４１９床の病院を香川県観音寺市内に開設したいとの意向を表明し，同年９月１日付けで，開設場所を観音寺市Ｂ町，許可病床数を４１９床とする観音寺徳洲会病院の病院開設許可申請書を県担当課に送付した。
（６）県担当課は，上記（４）で増床を希望していた地元の８つの医療機関（以下「地元８病院」という。）との間で事前協議を行い，同年９月５日までに，当時の三豊保健医療圏における不足病床数であった４６９床を，地元８病院に一応配分する計画を立てた。
（７）原告は，平成９年１０月２４日，県担当課に対し，開設予定地を香川県観音寺市Ｃ町に，病床数を３１０床にそれぞれ変更したいとして，当初の病院開設計画の変更を申し出た。
（８）平成９年１１月６日，香川県医療審議会が開催され，同審議会は，同月２６日，被告に対し，地元８病院については増床許可相当，原告については開設中止勧告相当とする答申をした。
　被告は，前記答申を受けて，同年１２月２日，地元８病院に対して，合計４６９床の病院開設許可事項の一部変更（増床）を行い，原告に対しては，同月８日，医療法３０条の７に基づき，勧告の内容を「観音寺徳州会病院の開設を中止すること。」，勧告の理由を「観音寺徳洲会病院の開設予定地である観音寺市を含む三豊医療圏の病床数が，第２次香川県保健医療計画に定める必要病床数に既に達しているため。」とする勧告（本件勧告）をした。
医療法３０条の７（病院の開設等に関する勧告）
　都道府県知事は，医療計画の達成の推進のため特に必要がある場合には，病院を開設しようとする者又は病院の開設者若しくは管理者に対し，都道府県医療審議会の意見を聴いて，病院の開設又は病床数の増加若しくは病床の種別の変更に関して勧告することができる。
（９）原告は，平成１０年１月２２日，被告に対し，本件勧告には従うことができないので，医療法７条３項により速やかに病院開設の許可をするよう求めるとともに，勧告の撤回をも求めた。
　これに対し，被告は，同年２月２６日，上記（７）による変更後の内容について，病院の開設許可処分（本件許可処分）を行い，これと同時に，原告に対し，香川県健康福祉部長名で，留意事項として，病院の保険医療機関としての指定については，厚生省保険局長通知（昭和６２年９月２１日付け保発６９号）があることを指摘する文書を送付した。
（１０）原告は，平成１１年８月２６日，保険医療機関指定申請予定者として，被告に対し，行政手続法９条２項に基づき，
　観音寺徳洲会病院に対する保険医療機関の指定申請の許否について，情報の提供を求めた。
　これに対し，被告は，同年１２月１３日，「観音寺徳洲会病院については，平成９年１２月８日，医療法３０条の７の規定による開設中止勧告を受け，これに従っていないことから，仮に保険医療機関の指定の申請があった場合は，健康保険法第４３条の３第４項第２号の規定に基づき，申請に係る病床の全部について指定拒否することとなる。」と回答した。
　健康保険法（平成１０年法律第１０９号による改正後のもの。以下「改正健康保険法」という。）４３条ノ３（保険医療機関及び保険薬局－指定）
１項　保険医療機関又ハ保険薬局ノ指定ハ命令ノ定ムル所ニ依リ病院若ハ診療所又ハ薬局ニシテ其ノ開設者ノ申請アリタルモノニ就キ都道府県知事之ヲ行フ
２項　前項ノ申請ハ病院又ハ医療法（昭和二十三年法律第二百五号）第一条の五第三項ニ規定スル療養型病床群（本項ニ於テ単ニ療養型病床群ト称ス）ヲ有スル診療所ニ付テハ同法第七条第二項ニ規定スル病床ノ種別（診療所ニ設置スル療養型病床群ニ係ル病床ニ付テハ同項ニ規定スル其ノ他ノ病床ト看做ス本条ニ於テ単ニ病床ノ種別ト称ス）毎ニ其ノ数ヲ定メテ之ヲ行フモノトス
３項　都道府県知事保険医療機関又ハ保険薬局ノ指定ノ申請アリタル場合ニ於テ当該病院若ハ診療所又ハ薬局ガ本法ノ規定ニ依リ保険医療機関若ハ保険薬局ノ指定若ハ第四十四条第一項第一号ニ規定スル特定承認保険医療機関ノ承認ヲ取消サレ五年ヲ経過セザルモノナルトキ又ハ保険給付ニ関シ診療若ハ調剤ノ内容ノ適切ヲ欠ク虞アリトシテ重テ第四十三条ノ七第一項（第四十三条ノ十七第九項，第四十四条第十三項及第十四項，第五十九条ノ二第八項並ニ第六十九条の三十一ニ於テ準用スル場合ヲ含ム）ノ規定ニ依ル指導ヲ受ケタルモノナルトキ其ノ他保険医療機関若ハ保険薬局トシテ著シク不適当ト認ムルモノナルトキハ其ノ指定ヲ拒ムコトヲ得
４項　都道府県知事第二項ノ病院又ハ診療所ニ付保険医療機関ノ指定ノ申請アリタル場合ニ於テ左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ其ノ申請ニ係ル病床ノ全部又ハ一部ヲ除キテ其ノ指定ヲ行フコトヲ得
一　当該病院又ハ診療所ノ医師，歯科医師，看護婦其ノ他ノ従業者ノ人員ガ医療法第二十一条第一項第一号若ハ第一号ノ二又ハ第二項第一号ニ規定スル厚生省令ノ定ムル員数ヲ勘案シテ厚生大臣ノ定ムル基準ニ依リ算定シタル員数ヲ満タサザルトキ
二　当該申請ニ係ル病床ノ種別ニ応ジ医療法第七条の二第一項ニ規定スル地域ニ於ケル保険医療機関ノ病床ノ数ガ其ノ指定ニ依リ同法第三十条の三第一項に規定スル医療計画ニ於テ定ムル必要病床数ヲ勘案シテ厚生大臣ノ定ムル所ニ依リ算定シタル数ヲ超ユルコトトナルト認ムル場合（其ノ数ヲ既ニ超エタル場合ヲ含ム）ニシテ当該病院又ハ診療所ノ開設者又ハ管理者ガ同法第三十条の七ノ規定ニ依ル都道府県知事ノ勧告ヲ受ケ之ニ従ハザルトキ
三　其ノ他適正ナル医療ノ効率的ナル提供ヲ図ル観点ヨリ当該病院又ハ診療所ノ病床ノ利用ニ関シ保険医療機関トシテ著シク不適当ナル所アリト認ムルトキ
７項　都道府県知事保険医療機関ノ指定ヲ拒ミ若ハ其ノ申請ニ係ル病床ノ全部若ハ一部ヲ除キテ指定（指定ノ変更ヲ含ム）ヲ行ヒ又ハ保険薬局ノ指定ヲ拒ムニハ地方社会保険医療協議会ノ議ニ依ルコトヲ要ス（５項，６項，８項ないし１０項省略。なお，保険医療機関，保険病床の指定または指定拒否の主体は，平成１１年法律第８７号地方分権の推進を図るための関係法律の整備に関する法律１４６条により「厚生大臣」に，さらに平成１１年法律第１６０号中央省庁等改革関係法施行法４２条ノ４により，平成１３年１月６日から「厚生労働大臣」に，それぞれ改められた。）
２　争点
（１）本件勧告の処分性
　本件勧告が，行政事件訴訟法３条２項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」にあたり，同条４項の無効等確認の訴えの対象となる「処分」にあたるか。
（２）本件勧告の無効理由
　本件勧告の処分性が認められる場合，これが無効であると認められるか。
３　争点（１）（本件勧告の処分性）についての原告の主張
（１）総論
　都道府県知事が，医療法３０条の７に基づき，病院を開設しようとする者に対し開設の中止を勧告し（以下「中止勧告」という。），その後に病院開設の許可処分をした場合，中止勧告は，それ自体が下命としての性質を有する独立の行政処分であるか，病院開設の許可処分に付された附款のいずれかにあたり，そのいずれであっても，その後に行われる保険医療機関（保険病床）の指定における消極要件として，名宛人に不利益を生じさせるから，抗告訴訟の対象となる行政処分にあたる。
　中止勧告の処分性を検討するにあたっては，中止勧告によって，名宛人が実際に如何なる法的地位に置かれるかを重視して判断すべきであって，中止勧告が名宛人の法律上の地位に与える影響については，中止勧告に関する都道府県知事の権限を規定する法律自体に，法律効果として定められている必要はなく，法律上の地位に対する影響が他の法律から導かれる場合や，法律の合理的解釈から実際上導かれる場合であってもよく，中止勧告によって名宛人に生じる不利益が，確定的である必要もない。
（２）中止勧告が名宛人の法律上の地位に与える影響
ア　中止勧告と旧健康保険法との関係
（ア）医療法に基づく病院の開設と，健康保険法に基づく保険医療機関の指定は，法的には別個独立の制度であるが，我が国では，国民健康保険法５条により国民皆保険制度が採用されており，保険医療機関に指定された病院でなければ患者は来院しない。したがって，ある者が病院を開設しようとして都道府県知事から病院開設の許可を受けても，保険医療機関に指定されない限り，病院経営は実質的に不可能となる。
　都道府県知事（現在は厚生労働大臣）は，保険医療機関の指定申請があった場合，健康保険法（平成１０年法律第１０９号による改正前のもの。以下「旧健康保険法」という。）４３条ノ３第２項が定める消極要件に該当しない限り，当該申請者を保険医療機関に指定しなければならないとされていた。すなわち，旧健康保険法の制度としては，病院を開設して保険医療機関の指定を申請した者は，同項の消極要件に該当しない限り，保険医療機関としての指定を受けることのできる法的地位を有していたことになる。
旧健康保険法４３条ノ３
１項　保険医療機関又ハ保険薬局ノ指定ハ命令ノ定ムル所ニ依リ病院若ハ診療所又ハ薬局ニシテ其ノ開設者ノ申請アリタルモノニ就キ都道府県知事之ヲ行フ
２項　都道府県知事保険医療機関又ハ保険薬局ノ指定ノ申請アリタル場合ニ於テ当該病院若ハ診療所又ハ薬局ガ本法ノ規定ニ依リ保険医療機関若ハ保険薬局ノ指定若ハ第四十四条第一項第一号ニ規定スル特定承認保険医療機関ノ承認ヲ取消サレ二年ヲ経過セザルモノナルトキ又ハ保険給付ニ関シ診療若ハ調剤ノ内容ノ適切ヲ欠ク虞アリトシテ重テ第四十三条ノ七第一項（第四十三条ノ十七第九項，第四十四条第十二項及び第十三項，第五十九条ノ二第七項並ニ第六十九条の三十一ニ於テ準用スル場合ヲ含ム）ノ規定ニ依ル指導ヲ受ケタルモノナルトキ其ノ他保険医療機関若ハ保険薬局トシテ著シク不適当ト認ムルモノナルトキハ其ノ指定ヲ拒ムコトヲ得
３項　都道府県知事保険医療機関又ハ保険薬局ノ指定ヲ拒ムニハ地方社会保険医療協議会ノ議ニ依ルコトヲ要ス
（４項ないし６項省略）
（イ）他方，厚生省保険局長は，各都道府県知事宛に，「医療計画公示後における病院開設等の取扱いについて」と題する通達（昭和６２年９月２１日付け保発６９号厚生省保険局長通知。以下「昭和６２年通知」という。）を発しており，本件勧告がなされた平成９年１２月８日当時，旧健康保険法４３条ノ３による保険医療機関の指定は，昭和６２年通知に依拠して行われていた。
　昭和６２年通知によれば，中止勧告を受けた名宛人が，これに従わずに病院を開設し，当該病院について保険医療機関の指定申請をした場合，旧健康保険法４３条ノ３第２項に規定する「著シク不適当ト認ムルモノナルトキ」に該当するものとして，保険医療機関の指定拒否または受理拒否を，地方社会保険医療協議会に諮問することとされていた。
　そうすると，都道府県知事から中止勧告を受けた名宛人は，同法４３条ノ３第２項の消極要件（著シク不適当ト認ムルモノナルトキ）に該当し，都道府県知事から保険医療機関の指定申請を拒否されかねない著しく不安定な法的地位に置かれることになる。すなわち，中止勧告を受けた名宛人は，中止勧告を受けていない医療機関に比して著しく不安定な立場に置かれるところ，これは中止勧告によって名宛人に生じる重大な法律上の不利益である。
イ　中止勧告と改正健康保険法との関係
　健康保険法の改正に伴い，改正健康保険法４３条ノ３第４項２号には，医療法７条の２第１項に規定する地域における保険医療機関の病床の数が，その指定を行うことによって，同法３０条の３第１項に規定する医療計画において定める基準病床数を勘案して厚生労働大臣の定めるところにより算定した数を超えることになると認める場合であって（その数を既に超える場合を含む。），当該病院の開設者等が，同法第３０条の７の規定に依る都道府県知事の勧告を受け，これに従わないときは，厚生労働大臣は，その申請に係る病床の全部又は一部を除いて，保険医療機関の指定を行い得る旨が新たに規定され，これに伴い，昭和６２年通知は廃止された。
　すなわち，改正健康保険法においては，中止勧告に対する不応諾が保険病床の指定に対する消極要件であることが明文化されており，これは，中止勧告に従わない者に対し，保険医療機関の指定を拒否するという昭和６２年通知に基づく旧健康保険法下の実務に，いわば実定法上の根拠を与えたものといえる。
ウ　中止勧告がされた後の保険医療機関（保険病床）の指定の実務
（ア）中止勧告の名宛人に対する保険医療機関（保険病床）の指定については，以下のような実務運用が行われている。
Ａ　鹿児島県揖宿郡Ｄ町所在の山川病院について，同病院の開設者が中止勧告に不応諾で病院を開設し，保険医療機関の指定申請をしたところ，鹿児島県知事は，旧健康保険法４３条ノ３第２項に基づき，保険医療機関の指定を拒否した。
Ｂ　富山県知事は，平成９年１２月１６日付け「病院の開設許可について」と題する書面の中で，「中止勧告にもかかわらず病院を開設した場合には，厚生省通知（昭和６２年９月２１日付保発第６９号厚生省保険局長通知）において，保険医療機関の指定を拒否することとされている。」と回答した。
Ｃ　熊本県の八代鏡病院の開設を計画している者が，中止勧告を受けたことから，熊本県知事に対し，行政手続法９条２項に基づき，保険医療機関の指定申請の許否についての情報の提供を求めたところ，熊本県知事は，平成１１年１０月２０日付け「行政手続法第９条２項に基づき求められた情報の提供について」と題する書面の中で，「八代鏡病院については，医療法第３０条の７の規定による県知事の中止勧告を受けて，これを拒否しているので，仮に保険医療機関の指定申請があった場合には，健康保険法第４３条ノ３第４項第２号に基づき，申請に係る全病床について指定拒否することとなる」と回答した。
Ｄ　前記１（１０）のとおり，原告が，観音寺徳洲会病院に対する保険医療機関の指定申請の許否について情報の提供を求めたところ，被告は，原告が本件勧告に不応諾であることから，観音寺徳洲会病院については，保険病床の指定を拒否することを明らかにした。
（イ）保険医療機関（保険病床）の指定に関する上記（ア）のような実務運用に鑑みれば，一旦都道府県知事から中止勧告がなされると，保険医療機関（保険病床）の指定は，必然的に拒否されることになる。このことは，厚生省健康政策局が，昭和６１年８月３０日付け局長通知において，各都道府県知事に宛てて，中止勧告の名宛人に対し社会福祉・医療事業団からの融資を行わないよう指示していることからも裏付けられる。
（ウ）以上のとおり，中止勧告を受けた名宛人は，保険医療機関（保険病床）の指定を拒否されるという重大な法律上の不利益を受ける。
（３）中止勧告の法的性質
ア　中止勧告は，旧健康保険法の下では，６２年通知とあいまって，中止勧告に従わない者を「著シク不適当ト認ムルモノナルトキ」として保険医療機関に指定しないことにより，名宛人に対し，病院を開設してはならないとの服従義務を課すところの下命処分としての性質を有していた。また，中止勧告の不利益処分としての性質は，中止勧告に従わない者には保険病床の指定をしないという改正健康保険法４３条ノ３第４号２号により，より明確になった。
イ　仮に，中止勧告の法的性質が行政指導であるとしても，行政指導に対する不服従が次の不利益処分の要件として
　法律上仕組まれている場合には，当該行政指導に処分性が認められるべきである。中止勧告については，これに応諾しない名宛人に対し，必然的に保険医療機関（保険病床）の指定が拒否されることになっており，中止勧告への不服従が，次の不利益処分である保険医療機関（保険病床）の指定拒否の要件として法律上仕組まれているから，中止勧告には処分性が認められるべきである。
ウ　被告は，「指定ヲ拒ムコトヲ得」（旧健康保険法４３条ノ３第２項），「其ノ申請ニ係ル病床ノ全部又ハ一部ヲ除キテ其ノ指定ヲ行フコトヲ得」（改正健康保険法４３条ノ３第４項２号）との文言から，必然的に保険医療機関（保険病床）の指定が拒否されることにはなっていない旨を主張するが，前記（２）ウの実状を無視した議論であり，詭弁である。前記１（１０）のとおり，仮に原告が保険医療機関の指定の申請をしたとしても，申請に係る病床の全部について指定拒否されることは確実であるから，本件勧告は，保険病床の指定についての，行政庁の最終的意思表示というべきものである。
　また，行政手続法５条１項によれば，行政庁は，許認可等の審査基準を定めるべきところ，厚生労働省は，健康保険法４３条ノ３にいう保険医療機関（保険病床）の指定の許否について，何ら審査基準を設けていない。このことは，中止勧告の名宛人に対しては，当然に保険医療機関（保険病床）の指定が拒否されることを前提とするものである。
（４）救済の必要性
　病院の開設者が保険医療機関の指定を申請するには，省令の定めにより，医療法２７条の病院の使用許可を受ける必要がある。すなわち，病院の建物を建築し，医療器材を備える等の物的設備を備え，法所定の医師，看護婦を雇用する等の人的設備を備えることが，保険医療機関の指定申請の前提となる。
　被告は，中止勧告を受けた名宛人が保険医療機関の指定申請を行い，保険病床の指定拒否等の不利益処分がされれば，これに対する取消訴訟で争えば足りる旨を主張するが，仮の救済規定のないわが国の行政事件訴訟法の下では，名宛人は，病院の物的，人的設備を整えた上，保険病床の指定のないまま，取消判決の確定まで争わなければならないから，実際には，著しく過重な経済的負担のため，病院の開設を断念せざるを得ない。
　名宛人の上記不利益については，中止勧告の段階でその違法性を争わせる以外に救済の方法はなく，また，そのようにしても，何らの不都合も生じない。
４　争点（１）（本件勧告の処分性）についての被告の主張
（１）総論
　一般に，処分性の有無を判断する際には，①行政庁の行為であるかどうか，②行政庁が法律の授権に基づいて優越的な意思の主体として一方的に意思決定をし，その結果について相手方の受忍を強制できる効果を持つかどうか（行為の公権力性の有無），③その行為が国民の権利義務や法律上の地位に直接具体的な影響を及ぼすものといえるか（法律上の地位に対する影響）といった観点からの検討を加え，これらがいずれも満足されて初めて，当該行為が抗告訴訟の対象としての行政処分と認められるべきものである。
　そして，法律による行政の原則に鑑みれば，行政処分の趣旨，目的，要件，効果等の処分の性質に関わる事情は，当該処分の根拠となった実定行政法規によって定められるべきであり，上記①ないし③については，その行為の根拠となる実定行政法規の解釈から判断すべきである。
　一般に，行政行為としての勧告は，事実行為であって，確定的な法的効果を発生させるものではなく，相手方の法律上の地位ないし権利義務に直接の影響を及ぼすものではないから，原則として処分性を否定すべきものである。しかし，その後に代執行や直接強制が行われることがほぼ確実になるなど，その後に予定される行政行為によって名宛人の法律上の地位に直接具体的な影響が生じる場合（すなわち，当該事実行為とその後の行政行為との間に法的見地からみた関連性，必然性がある場合）には，処分性を肯定することがあり得る。
　原告は，勧告等の事実行為によって名宛人がいかなる法的地位に立たされるかによって行政処分性を判断すべきであると主張するが，如何なる法的地位に立たされるかの判断の中核となるのは，結局，当該事実行為がその後の行政行為との間に法的必然性があるか，事実上の関係があるにすぎないかであり，単に事実行為により不利益を被ることがあるというだけでは，当該事実行為に処分性を認めることはできない。
（２）中止勧告の処分性
　改正健康保険法４３条ノ３第４項２号によれば，中止勧告に対する名宛人の不応諾は，保険医療機関の指定申請に対し，不利益処分を行い得る場合の要件の１つとされている。しかし，名宛人が不応諾の場合に，都道府県知事が必ず保険病床の全部または一部を除外して指定しなければならないものとは規定されておらず，仮に都道府県知事が指定拒否を相当と判断した場合でも，地方社会保険医療協議会が指定相当と議決すれば，都道府県知事が指定拒否をしたり，病床を制限することはできない。
　また，同じく保険医療機関の指定拒否について定めていた旧健康保険法４３条ノ３第２項も，中止勧告に対する名宛人の不応諾自体を指定拒否の要件とは定めていないし，昭和６２年通知の通達実務においても，名宛人が不応諾の場合に必ずしも指定が拒否されることにはなっていない。また，そもそも，昭和６２年通知は，旧健康保険法４３条ノ３第２項の文言の解釈指針について定めた行政通達にすぎないから，法理論上，これが旧健康保険法４３条ノ３第２項の解釈，適用や，保険医療機関の指定手続の法的性質に影響を与えるということもありえない。
　以上を総合すれば，医療法及び健康保険法の諸規定を検討しても，中止勧告によって名宛人の法的地位に影響が及ぶと解することはできず，名宛人の権利義務に直接の影響が生じるとも認められない。また，名宛人が中止勧告に応諾しない場合，保険医療機関（保険病床）の指定拒否がなされる可能性が高いことは否定できないが，条文構造上，必然的に保険医療機関（保険病床）の指定拒否がされることにはならず，中止勧告に対する不応諾が，必ずしも後にされる不利益処分の要件として法律上仕組まれていると解することはできない。
　このような事情からすると，中止勧告は，それ自体としては法的拘束力を持たない行政指導であり，国民の権利義務ないし法律上の地位に直接具体的な影響を及ぼすものではないし，中止勧告に不応諾であっても必ず保険医療機関（保険病床）の指定が拒否されるわけではないから，中止勧告を受けることで生じる名宛人の地位の変化は事実上のものにすぎない。
　医療法，健康保険法その他保険医療機関（保険病床）の指定に係る諸法令を概観しても，中止勧告に独自に不服申立てや取消訴訟の提起によって有効性を争う方途を認めた規定が存在しないことからも，医療法及び健康保険法は，中止勧告を行政処分として取り扱うとの立法政策を採用していないものと解するのが相当である。
（３）原告のその他の主張に対する反論
ア　原告の主張（１）について
　原告は，被告が本件許可処分に際して，本件勧告に対する不応諾及び昭和６２年通知を根拠に，保険医療機関の指定を拒否する旨予告したとして，このことを理由に，本件勧告は，本件許可処分に付せられた附款である旨主張する。
　しかし，平成１０年２月２６日付け病院開設許可の内容（甲第４号証）からも明らかなように，本件許可処分には何らの附款も付されていない。また，保険医療機関の指定を行うかどうかは，保険医療機関の指定申請が現実になされた段階で，健康保険法の趣旨に基づいて個別に判断されるものであるから，保険医療機関の指定拒否が予め通告されたとしても，本件勧告が，本件許可処分の附款となるわけではない。
イ　原告の主張（３）に対して
　原告は，保険医療機関の指定申請に対し，許否を判断する基準がないことを，中止勧告の処分性を肯定すべき理由として主張する。しかしながら，原告が指摘する行政手続法５条１項は，行政庁に対して許認可等に係る審査基準の設定を義務づけることで，裁量権の恣意的な逸脱または濫用の危険を手続的側面から抑制し，行政運営における公正の確保と手続的透明性の向上を図ることを目的とする手続規定であって，同条にいう審査基準も，行政庁が自ら合理的と判断するところにより措定される内部的基準にすぎない。そうすると，同法にいう審査基準がないことをもって，中止勧告に処分性がある根拠とすることはできない。
ウ　原告の主張（４）に対して
　原告の主張はいわゆる成熟性の議論と思われるが，根拠法規が当該行為にどのような法的地位に対する直接具体的な影響を結び付けているかの検討を離れて，いわゆる成熟性の有無，程度を論ずることによって行政処分性が認められ得ると主張するのであれば，そもそも，主張自体が失当である。また，成熟性による処分性の議論とは，同一あるいは一連の手続の中のどの段階で抗告訴訟の提起を認めるべきかという問題であるが，本件にいう中止勧告は，医療法７条による病院開設許可の手続の過程で行われる事柄であって，同手続は原告に対する本件許可処分により終結している。これに対し，保険医療機関の指定は病院の開設許可とは別個の手続であるから，中止勧告については，保険医療機関の指定申請に至る経緯として考慮されるとしても，あくまで別個の手続でしかない。そうすると，本件ではそもそも事件の成熟性は問題とならない。
　もっとも，原告の主張は，要するに，病院を開設してからでは危険負担が大きすぎ，勧告の段階で名宛人にこれを争う余地を肯定しなければ，実効的な救済にならないとの趣旨と理解される。
　しかし，本件では，保険医療機関の指定申請に対する処分が別途の手続としてその後に予定されており，指定拒否処分に対する抗告訴訟を提起して勝訴すれば，指定処分を受け得る可能性が回復され，勝訴判決の拘束力に従って再度される処分において指定を得れば，既に建設している病院施設において保険医療機関としての医療活動を行うことは可能である。したがって，中止勧告が，保険医療機関の指定申請に対する最終的な拒否の態度表明にあたるとはいえない。
　また，健康保険法は，病院開設者に対し，施設の完成，医療機器・医療従事者の確保，病院の使用許可（医療法２７条）の後に保険医療機関の指定申請を行うべきものとしているが，上記のように，準備を了した段階に至って指定を拒否されるに伴うリスクは，原告だけのものではなく，保険医療機関の指定申請をする者が等しく負うものであり，そのことが直ちに中止勧告に行政処分性を認める根拠とはならない。
エ　結論
　以上によれば，本件勧告は，原告の法律上の地位や権利義務に直接影響を及ぼすものとはいえず，処分性を認めることはできない。また，本件勧告は本件許可処分の附款とはいえない。
５　争点（２）（本件勧告の無効理由）についての原告の主張
（１）本件勧告が不公平な手続に基づくものであること
　行政処分は，公平・公正な手続により行われるべきであり，病院開設等の病床申請が競合した場合，各申請者を処理する手続が不公平であり，行政庁の恣意や独断を疑わせるものがあれば，これに基づく行政処分は違法であり，さらに，重大な手続違反が明白であれば，当該行政処分は無効と評価されるべきである。
　本件では，原告が病院開設の許可を申請した平成９年９月１日の時点で，三豊保健医療圏における不足病床数は４６９床であり，原告の他に病院の開設や増床申請は一切なされていなかったにもかかわらず，被告は，原告に劣後して同月１０日から同月３０日にかけて増床申請をした地元８病院に対しては，増床を許可しておきながら，原告には本件勧告をした。
　このような手続は著しく不公平であり，重大な手続違反があることが明白であるから，本件勧告は無効である。
（２）公的医療機関に対する増床配分の違法性
　医療法は，私人による病院開設等の許可申請については，「その申請に係る施設の構造設備及びその有する人員が第二十一条及び第二十三条の規定に基づく省令の定める要件に適合」する以上，申請を許可すべきものとしているが（同法７条３項），公的医療機関による病院開設等の許可申請に対しては，当該申請により当該保健医療圏の必要病床数を超える場合には申請を許可しないことができるものと定める（同法７条の２）。すなわち，同法は，私人による病院開設等の自由を保障するために，公的医療機関による病院開設等の自由を制限している。
　ところが，被告は，原告その他の私人が競合して病院開設等を申請していたのに，公的医療機関である三豊総合病院及び永康病院に増床を許可し，原告に対しては，本件勧告をした。
　したがって，私人による病院開設等の自由を保障する医療法の趣旨に反する重大かつ明白な瑕疵があるから，本件勧告は無効である。
（３）本件勧告が行政手続法に違反すること
　被告は，本件勧告に際し，わずかに「開設予定地である観音寺市を含む三豊医療圏の病床数が，第２次香川県保健医療計画に定める必要病床数に既に達しているため。」との理由を付すにとどまり，地元８病院に先行して病院開設を申請した原告が，本件勧告を受けることになった具体的な理由や，病床配分を決定した経緯等を，何ら明らかにしていない。
　したがって，本件勧告については，行政庁の恣意を防止して判断の公平を担保するため，拒否処分の理由を示すよう求めた行政手続法８条に照らし，重大かつ明白な瑕疵があるから，無効というべきである。
（４）被告の裁量論について
　医療法に基づく地域医療計画の策定の技術的方法については，厚生省健康政策局長通知をもって全国一律に定められており，同法３０条の７に基づく都道府県知事の勧告についても，前記通知によって審査基準が定められているから，被告の裁量といったものは存在しない。裁量処分であることを理由に，権限の逸脱，濫用が重大明白である場合に限り無効であるとする被告の主張は失当である。
６　争点（２）（本件勧告の無効理由）についての被告の主張
（１）総論
　裁量性のある行政処分については，裁量権の逸脱濫用があった場合に限りこれを違法とすべきであり，行政処分が無効とされるのは，行政処分が違法であるにとどまらず，その瑕疵が重大かつ明白である場合に限られる。
　したがって，本件勧告が仮に行政処分にあたるとしても，これを無効と評価し得るのは，被告が医療法３０条の７の規定により認められる裁量権を著しく逸脱・濫用したという重大な瑕疵があり，かつ，その瑕疵が本件勧告時において外形上客観的に明白であると評価できる場合に限られると解すべきである。
（２）本件勧告の経緯
ア　公正取引委員会の勧告
　公正取引委員会は，平成８年１２月２６日，三豊郡医師会が，昭和５４年以降，同医師会員による増床等を制限していた事実を認め，同医師会に対し，私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律４８条１項に基づき，病院または診療所の開設，診療科目の追加，病床の増床，増改築等を制限する行為を行わないことなどを内容とする勧告を行い，被告に対しても，同医師会への指導を要請した。
　県担当課は，前記勧告を受けて，平成９年初めから改善策を協議し，同年３月１９日，社団法人香川県医師会（以下「県医師会」という。）に対し，医療法上の申請等の手続は保健所に直接行うこととするよう通知した。
イ　増床の配分
　県担当課は，平成８年１０月以降，三豊保健医療圏内の複数の病院が，増床を計画していることを知り，また増床希望の申入れを受けたことから，同医療圏において，形式上は４６９床の病床不足状態となっているが，医師会による制約がなければ，既に増床等が行われていた可能性があると考えた。そして，地域住民にとっても不都合であるなどの事情を考慮し，増床が制約されていたこれらの地元医療機関の救済（増床許可）を，前記勧告を踏まえた事件処理と位置づけた。
　県担当課は，地元医療機関に対する説明会及びヒアリングを行ったが，増床希望が不足病床数を上回っていたことから，平成９年９月５日ころまでに病床の仮配分を終え，地元８病院は，これに従って，同月末までに，病床数
　変更のための許可申請書を県担当課に提出した。
　この間，原告は，同年７月２５日，県担当課に対し，病床数を４１９床とする病院を新規に観音寺市内に開設したいとの意向を表明し，同年９月１日付けで，病院開設許可申請書を観音寺保健所に郵送した。
　県担当課としては，従来制約されていた地元医療機関の増床を実現することは，公取委の勧告に係る事件処理であり，速やかに実現する必要がある反面，原告は４１９床の病院開設許可に固執する姿勢を示したことから，調整は困難であると考え，地元８病院に病床を配分した。
ウ　本件勧告及び本件許可処分
　原告は，同年１０月２４日，県担当課に対し，病床数を４１９床から３１０床に，開設予定地を観音寺市Ｂ町内から同市Ｃ町内にそれぞれ変更し，敷地面積，階層等の構造概要のほか，医師数，看護婦数についても変更したい旨の申し出を行い，同年９月１日付けの申請書の差し替えを求めた。県担当課は，本来であれば，新たな申請にあたると思料したが，原告が，同年１１月６日開催予定の県医療審議会への諮問を希望したことから，申請書の修正（差替え）を認めることとした。
　原告に対するヒアリングの際にも，原告が，３００床以下に削減する予定はない旨を述べたことから，被告は，累積していた地元医療機関の増床希望を無視して原告の希望のみを実現することはできないと考え，県医療審議会の審議，答申を経て，同年１２月２日，地元８病院に対する増床の許可を行い，同月８日，原告に対し本件勧告を行った。
　平成１０年１月２２日，原告から県担当課に対し，病院開設中止勧告に対する不応諾通知と，勧告の撤回要求があり，被告は，同年２月２６日，原告の病院開設許可申請に対する本件許可処分を行った。
（３）本件勧告の適法性
ア　中止勧告の裁量性
　医療法３０条の７によれば，都道府県知事が中止勧告をするにあたっては，①「医療計画の達成の推進のため特に必要がある場合」に，②「勧告することができる」ものとされており，都道府県知事に，必要性という適法要件の認定判断の場面及び中止勧告を行うか否かの判断の場面において，一定の要件裁量及び効果裁量が認められていることは明らかである。
　また，医療法３０条の７が，都道府県知事の勧告の制度を設けた趣旨は，いわゆる病床過剰地域における病院の開設や増床，病床の種別の変更に関し勧告することができるものとして，無秩序な病床の増加が行われることがないよう企図するものであり，その目的実現に必要な範囲で，都道府県知事の裁量が認められることは明白である。
　医療法は，必要病床数を超えることとなる申請が競合した場合，都道府県知事がこれを不許可とし，あるいは勧告を行うことができると規定するものの，その際の手続については特に規定するところはないが，諸事情を総合的に勘案した上で，都道府県知事の裁量により，競合する各病院に対する病床の配分を決定し，その結果，当該地域の必要病床数を超えることとなる場合には，都道府県医療審議会の意見を聴いた上で，中止勧告を行うことになるのである。
　原告は，中止勧告を行うにあたって，都道府県知事に裁量の余地はない旨を主張するが（前記５（４）），実定行政法規の文言自体が行政庁の裁量を認める内容となっている場合に，法規範性のない行政通達や，行政庁の運用如何により，裁量性がなくなるということはあり得ず，原告の主張は失当である。
イ　本件勧告の適法性
　以上の経緯に照らすと，被告は，三豊保健医療圏における適正な医療体制を実現，確保するため，被告に許された合理的な裁量権の範囲内で，地元８病院に対しては増床を配分し，原告に対しては中止を勧告したものであるから，本件勧告は，医療法３０条の７にいう「医療計画の達成の推進のため特に必要がある場合」との要件を具備するということができる。
　また，原告の病院設置許可申請に係る案件は，適法に設置，開催された県医療審議会で審議された上，中止勧告相当との答申がなされたものであって，「都道府県医療審議会の意見を聴くこと」との要件も具備されている。
　そうすると，原告に対して本件勧告を行った被告の判断には十分な合理性があり，裁量権の逸脱，濫用は認められないから，仮に本件勧告に処分性が認められるとしても，本件勧告を無効と評価することはできない。
第３　当裁判所の判断
１　争点（１）（本件勧告の処分性）について
（１）総論
　行政事件訴訟法３条２項，４項は，無効等確認訴訟を含む抗告訴訟の対象を「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に限っているが，これは，行政庁が，直接国民の権利義務を形成し，またはその範囲を確定することが法律上認められている行為については，正当な権限を有する機関によって取り消されるまでは一応これを有効なものと扱う一方，その効力については，特別な手続である抗告訴訟において争わせる趣旨と解される（最高裁昭和３０年２月２４日第１小法廷判決・民集９巻２号２１７頁，同昭和３９年１０月２９日第１小法廷判決・民集１８巻８号１８０９頁参照）。他方，法律の規定に基づく行政庁の行為であっても，直接国民の権利義務を形成し，またはその範囲を確定する効果がないものについては，抗告訴訟の対象としての適格性，すなわち処分性がなく，公定力等，行政処分としての性質も有しないことになる。
　本件は，被告が原告に対してした，医療法３０条の７に基づく病院開設の中止勧告（本件勧告）の無効確認を求める訴えであるから，訴えが適法とされるためには，中止勧告が，名宛人の法律上の地位ないし権利義務に直接何らかの影響を及ぼすか否か，すなわちその処分性の有無をまず検討すべきことになる。
（２）手続の概観
　中止勧告の処分性について検討するのに必要な限度で，関係する手続について概観することとする。なお，本件勧告の処分性の有無については，本件勧告当時の法制度に照らし検討すべきものであるが，原告が，今後，保険医療機関の指定申請（以下単に「指定申請」という。）に及んだ場合，改正健康保険法が適用されることから，必要な範囲で，改正健康保険法にも言及することとする。
ア　医療計画
　医療法は，医療を提供する体制の確保を図り，もって国民の健康の保持に寄与することを目的とし，病院等の医療提供施設その他において，その機能に応じ，医療を効率的に提供すること等を理念として，その体制の確保を国及び地方公共団体の責務と定める法律である（同法１条，１条の２，１条の３）。
　この目的等に照らし，都道府県は，当該都道府県における医療を提供する体制の確保に関する医療計画を定めるものとされ（同法３０条の３），この医療計画において，主として病院の病床の整備を図るべき地域的単位として区分する区域の設定に関する事項，二以上の前記区域を併せた区域であって，主として省令で定める特殊な医療を提供する病院の療養病床又は一般病床であって当該医療に係るものの整備を図るべき地域的単位としての区域の設定に関する事項，療養病床及び一般病床に係る基準病床数，へき地の医療，医師及び歯科医師並びに薬剤師，看護婦その他の医療従事者の確保に関する事項その他について定めることとされている（同法３０条の３第２項各号）。
　また，前記区域の設定及び基準病床数の標準については，省令で定めることとされているが（同条４項），急激な人口の増加が見込まれることその他の政令で定める事情があるときは，基準病床数に関し，省令の標準によらないことができるとされている（同条５項以下）。
イ　病院の開設許可
　病院を開設しようとする者は，開設地の都道府県知事の許可を受けなければならないが（医療法７条），申請に係る施設の構造設備及びその有する人員が同法２１条及び２３条の規定に基づく省令の要件に適合するときは，都道府県知事は許可を与えなければならない（同法７条４項）。ただし，営利を目的とする病院開設に対しては，許可を与えないことができるとされる（同条５項）。
　また，公的医療機関等については，当該申請に係る病院の所在地を含む地域における病院の病床が，医療計画において定めるその地域の基準病床数に既に達しているか，又は当該病院の開設によってこれを超えることになると認めるときは，許可を与えないことができるとされるが（同法７条の２），それ以外の病院については，医療計画の達成の推進のため特に必要がある場合に，都道府県知事が，病院を開設しようとする者に対し，都道府県医療審議会の意見を聴いて，病院の開設に関して勧告することができるとされるにとどまる（同法３０条の７）。
ウ　旧健康保険法における保険医療機関の指定
　病院等が，健康保険の被保険者に，診察，薬剤又は治療材料の支給，処置，手術その他の治療等の療養の給付をするためには，保険医療機関の指定を受けなければならず，保険医療機関の指定は，病院等の開設者の申請により，都道府県知事が行うが（旧健康保険法４３条，４３条の３第１項），指定申請にあたっては，前記病院の開設許可を得て，病院の施設及び人員を用意し，都道府県知事の検査を受けて使用許可証の交付を受けることが前提となる（医療法２７条）。
　都道府県知事は，指定申請に対し，当該病院等に以下の①ないし③の事由がある場合，指定を拒むことができる（「其ノ指定ヲ拒ムコトヲ得」，旧健康保険法４３条の３第３項）。
①　保険医療機関の指定等を取り消され２年を経過しないとき
②　保険給付に関し診療等の内容の適切を欠くおそれがあるとして，重ねて指導を受けたとき
③　その他保険医療機関として著しく不適当と認められるとき
　また，都道府県知事は，指定申請に対し，指定しようとするときは地方社会保険医療協議会に諮問しなければならず（同法４３条の１４第２項），指定を拒否しようとするときは，地方社会保険医療協議会の議によることを要するとされている（同法４３条の３第３項）。このため，都道府県知事は，同協議会に諮問し，指定拒否の答申を得た場合であっても，指定をすることができるのに対し，都道府県知事としては指定拒否を相当と思料する場合であっても，その旨の同協議会の議決がなければ，指定を拒否することはできないと解される。
　なお，中止勧告を受けた名宛人が，これに従わずに病院を開設し，当該病院について指定申請をした場合，上記③に規定する「保険医療機関として著しく不適当と認められるとき」に該当するものとして，保険医療機関の指定拒否または受理拒否を地方社会保険医療協議会に諮問することとする昭和６２年通知が存したことは，前述のとおりである。
エ　改正健康保険法における保険医療機関の指定
　厚生労働大臣は，指定申請に対し，当該病院等に以下の①ないし③の事由がある場合，保険医療機関の指定を拒むことができる（「其ノ指定ヲ拒ムコトヲ得」，改正健康保険法４３条の３第３項）。
①　保険医療機関の指定等を取消され，５年を経過しないとき
②　保険給付に関し診療等の内容が適切を欠くおそれありとして，重ねて指導を受けたとき
③　その他保険医療機関として著しく不適当と認められるとき
　また，病院又は診療所が保険医療機関の指定を申請する際には，病床の種別ごとにその数を定めてこれを行わなければならず（同条２項），厚生労働大臣は，以下の④ないし⑥の事由に該当するときは，その申請に係る病床の全部又は一部を除いて，保険医療機関の指定を行うことができる（「其ノ申請ニ係ル病床ノ全部又ハ一部ヲ除キテ其ノ指定ヲ行フコトヲ得」，同条４項）。
④　当該病院等の医師，歯科医師，看護婦その他の従業者の人員が，厚生労働大臣の定める基準により算定した員数を満たさないとき
⑤　医療法７条の２第１項に規定する地域における保険医療機関の病床の数が（病床の種別ごとに算定する。），その指定を行うことによって，同法３０条の３第１項に規定する医療計画において定める基準病床数を勘案して厚生労働大臣の定めるところにより算定した数を超えることになると認める場合であって（その数を既に超える場合を含む。），当該病院の開設者等が，同法第３０条の７の規定に依る都道府県知事の勧告を受け，これに従わないとき
⑥　その他適正なる医療の効率的なる提供を図る観点より，当該病院等の病床の利用に関し，保険医療機関として著しく不適当なところがあると認めるとき
　なお，旧健康保険法と同様，厚生労働大臣は，保険医療機関の指定をする場合に，地方社会保険医療協議会に諮問することを要し（改正健康保険法４３条の１４第２項），保険医療機関の指定を拒み，あるいは申請に係る病床の全部若しくは一部を除いて指定をするには，地方社会保険医療協議会の議によることを要する（同法４３条の３第７項）。
（３）処分性についての検討
上記法制度を前提に，中止勧告の処分性について検討する。
ア　医療法の関係
　中止勧告は，医療法７条の病院開設許可申請に対し，同法３０条の７に基づいてなされるものであるから，まず，医療法上の手続の関係で処分性を肯定することができるかを検討するに，前記（２）イのとおり，都道府県知事は，病院の開設許可申請に対し，施設の構造設備等が要件に適合するときは，許可を与えなければならず，営利を目的とする病院開設について，許可を与えないことができるとされているにとどまり，中止勧告が発せられたこと，あるいは中止勧告に対する名宛人の不応諾が，病院開設許可の可否に影響を及ぼす旨の規定は存しない。本件勧告についても，原告がこれに応じない旨を明らかにした後，被告が本件許可処分をしたことは，前記第２の１（９）のとおりである。
　また，中止勧告が，病院の使用許可（同法２７条）等，医療法上のその他の手続に影響を及ぼす旨の規定はなく，中止勧告に対する不服申立てを認める旨の規定もない。
　したがって，中止勧告は，病院の開設許可等，医療法に基づく手続の関係では，文字どおり，行政指導としての勧告の性質を有するに止まり，名宛人の法律上の地位ないし権利義務に具体的な影響を及ぼすものではないというべきである。
イ　健康保険法の関係
　次に，中止勧告が，保険医療機関の指定等，健康保険法に基づく手続の関係で，名宛人の法的地位に影響を与えると認められるかについて検討する。
（ア）まず，本件勧告当時，中止勧告を受けた者が，勧告に応じることなく当該病院の開設を行い，使用許可を得て指定申請に及んだ場合，中止勧告またはこれに対する不応諾が，直接，保険医療機関の指定の障害事由となる旨の法律の規定はなく，病院の新規開設の事案では，旧健康保険法４３条の３第３項が定めるもののうち，前記（２）ウ③の事由（保険医療機関として著しく不適当と認められるとき）を理由とする指定拒否が問題になるものと解される。
　この場合，指定申請を受けた都道府県知事としては，中止勧告を発したにもかかわらず，申請者がこれに応じずに病院を開設したことをもって，保険医療機関として著しく不適当と評価することができるかを判断すべきことになる。そして，この判断にあたって，都道府県知事は，中止勧告の前提となる医療計画の内容，当該病院開設計画の内容，医療計画の達成の推進のために特に必要があると認め中止勧告を発した理由，申請者において中止勧告に応じなかった理由，指定をした場合に保険医療制度が受けると予想される影響等の一切の事情を，医療計画，中止勧告及び保険医療機関指定の各制度趣旨に照らし，総合的に検討すべきものと思われる。
　その結果，中止勧告を受け，これに応じなかったことについて，保険医療機関として著しく不適当とまで評価することができず，他に指定を拒むべき理由もない場合には，都道府県知事は指定をすべきことになるし，都道府県知事において，保険医療機関として著しく不適当と評価する場合であっても，地方社会保険医療協議会が指定拒否を相当とする旨の決議をしなければ，指定を拒否できないことは，既に述べたとおりである。
　以上で検討したところによれば，医療法に基づく中止勧告を受けたとしても，名宛人の指定申請が当然に不適法となったり，指定申請が当然に拒否されるわけではないから，中止勧告に対する不応諾が保険医療機関の指定の消極要件に当たるということはできない。したがって，旧健康保険法に基づく保険医療機関の指定手続の関係で，中止勧告が名宛人の法的地位に影響を及ぼすということはできない。
（イ）なお，原告が今後指定申請に及んだ場合，改正健康保険法が適用されることから，この点についても検討するに，中止勧告にもかかわらず病院を開設した場合，直接に同法４３条の３第４項２号に該当する点で，旧健康保険法との相違点がある。しかしながら，この場合においても，厚生労働大臣としては，前記（ア）と同様の判断過程を経た上で，申請に係る病床の全部を指定除外とする，一部について指定除外とする，あるいは病床の指定除外をせず，申請どおり指定するとのいずれかの判断をしなければならないのであって，地方社会保険医療協議会の議決のない限り，病床の除外指定ができないことも，旧健康保険法と同様である。
　したがって，改正健康保険法の下においても，中止勧告があれば，当然に不利益処分がなされるということにはなっていない。
（ウ）以上検討したところによれば，中止勧告は，旧健康保険法に基づく保険医療機関の指定手続の関係で，名宛人の法律上の地位又は権利関係に影響を及ぼすものではないというべきである。
　また，原告が，改正健康保険法の下で指定申請に及んだとしても，当然に保険医療機関（保険病床）の指定が拒否されることにはならないから，本件勧告後の健康保険法の改正は，上記結論を左右するものではない。
（４）原告の主張について
　処分性についての原告の主張について検討する。
ア　原告は，６２年通知や実務慣行から，中止勧告が発せられた場合に，指定申請を受けた行政庁（都道府県知事または厚生労働大臣）の裁量といったものは存在せず，保険医療機関（保険病床）の指定は当然に拒否されるから，中止勧告は，名宛人の法的地位に影響を及ぼす行政処分である旨を主張する。
　しかしながら，医療法及び健康保険法の法律上の枠組みが既に述べたものである以上，指定申請を受けた行政庁としては，前記（３）イ（ア）及び（イ）で述べたような判断の過程を経なければならないのであって，通達や実務慣行を理由に，これを別異に解することはできない。したがって，中止勧告があれば指定申請が必ず拒否される，あるいは中止勧告への不応諾が，不利益処分の要件として法律上仕組まれているとの原告の主張は採用できない。中止勧告が発せられれば，指定申請が拒否される可能性が高いとしても，これは事実上の問題に過ぎず，このことを理由に，中止勧告の処分性を認め得るものではない。
イ　原告は，中止勧告は，保険医療機関の指定を拒否する旨の，行政庁の最終的判断を示すものであると主張する。
　しかしながら，この問題に対する処分行政庁の最終的判断は，現実に指定申請があり，前記（３）イ（ア）及び（イ）で述べた判断の過程を経た後に，指定または指定拒否の判断として示されることが予定されているのであって，指定拒否の判断が示されれば，これを抗告訴訟で争い得ることは当然であるし，抗告訴訟が提起された場合も，審理の対象は明確である。
　これに対し，中止勧告の時点では，そもそも指定申請自体が存在せず，中止勧告及びこれに対する不応諾という事実を保険医療機関指定の手続においてどのように評価するかという，前記（３）イ（ア）及び（イ）で述べたような行政庁の判断自体が行われておらず，具体的な処分として何を選択するかについての行政庁の判断も示されていない。
　結局，中止勧告がされたに過ぎない状態と，指定申請に対する拒否処分がされた状態とは，法的には異なるというべきであるから，単に前者がなされれば後者に至る可能性が高いことをもって，両者を同視することはできず，中止勧告が，保険医療機関（保険病床）の指定を拒否する旨の行政庁の最終的判断にあたるということはできない。
ウ　原告は，病院の開設者が指定申請に及ぶためには，病院の物的，人的設備を整える必要があり，その後に指定申請が拒否された場合には著しい不利益を受けることから，病院の開設自体を断念せざるを得ず，これを解消するためには，中止勧告の段階でその違法性を争わせる以外になく，また，そのようにしても，何らの不都合も生じない旨を主張する。
　しかしながら，中止勧告がされたに過ぎない段階では，名宛人が中止勧告を正当としてこれに応じる，施設の構造設備や人員が要件に適合しないために病院の設置許可や使用許可が得られない，あるいは財政上の理由その他により，名宛人が病院の開設自体を断念するといった様々な可能性があり，そもそも名宛人が指定申請に及ぶか否かも未確定である。そうすると，中止勧告がされたに過ぎず，指定申請もされていない段階では，名宛人が保険医療機関の指定を受ける関係で不利益を受けるといっても，これを具体的，現実的なものと解することができるかは疑問といわざるを得ない。
　また，原告の主張に与して，指定申請手続に著しい不利益が及ぶことを理由に，中止勧告の適法性について実体判断をしたとしても，判決後に，名宛人が，中止勧告とは別の理由で病院の開設を断念するなど，実際には指定申請に及ばなかった場合，当該判決は，結局のところ，行政行為の違法の有無を抽象的に判断したに過ぎないものとなってしまう。
　さらに，中止勧告に処分性を認める以上，これを不服とする者は，期間内にその取消しを求めなければ，その後，これを争い得ないことになるし，中止勧告に対する取消訴訟を提起したとしても，その訴訟係属中に，中止勧告に対する不応諾を理由とする指定拒否処分がされた場合，前訴訟の帰趨が不明である以上，後者に対する取消訴訟をも提起せざるを得ないことになるため，中止勧告それ自体に対する取消訴訟と，中止勧告を前提とする指定拒否処分に対する取消訴訟とが，別異の訴訟物として係属するという複雑な状態が生じる。
　かえって，中止勧告は行政処分には当たらないと解した場合，指定申請を受けた行政庁としては，中止勧告の前提となった事実の存否や，中止勧告の当否自体を，自らの判断の前提として改めて検討することができるし，抗告訴訟を審理する裁判所も同様に，中止勧告の当否を含め，全体を一個の訴訟手続で判断し得ることになる。このように考えると，原告が主張するほど単純に，中止勧告の処分性を肯定しても，何らの不都合も生じないとまで言い切ることはできないと思われる。
（５）結語
　指定申請に対する拒否処分を待たなければこれを争い得ないとした場合，中止勧告を受けた者が事実上不利益な立場に置かれることはそのとおりであろう。しかしながら，これまで検討したところによれば，医療法及び健康保険法が既に検討したような制度を採用する以上，保険医療機関（保険病床）の指定を受けることができないことに対する不服は，中止勧告に対する抗告訴訟ではなく，指定拒否処分に対する抗告訴訟において争うことを，法は予定しているものと考えざるを得ない。
２　結論
（１）本件勧告の無効確認を求める訴えについて
　前記１で検討したとおり，医療法３０条の７に基づく中止勧告は，抗告訴訟の対象となる行政処分とは認められないから，本件勧告の無効確認を求める訴えは，不適法というべきである。
（２）本件許可処分に付した，病院の開設中止を勧告する附款部分の無効確認を求める訴えについて
　本件許可処分は，前記第２の１（９）のとおり，原告の申請内容をそのまま認めるものであって，不利益処分の要素を含むものではない。その際に，香川県健康福祉部長名で，６２年通知がある旨の留意事項の指摘がされているが，これによって本件許可処分の効力が制約されたり，本件許可処分が負担付きのものになったと解することはできない。将来の健康保険法に基づく指定申請の際に，不利益処分がされる可能性があることを理由に，本件勧告が，病院開設許可処分の附款であると解すべき法律上の根拠はない。
　したがって，本件許可処分に附款が付されているとの主張自体が失当といわざるを得ないから，その附款部分のみの無効確認を求める訴えは，不適法である。
（３）以上によれば，争点（２）（本件勧告の無効理由）について判断するまでもなく，本件訴えは，いずれも不適法として却下すべきであるから，主文のとおり判決する。
高松地方裁判所民事部
裁判長裁判官　窪田正彦
裁判官　谷有恒
裁判官　空閑直樹
      
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   <title>H15. 2.21 秋田地裁 平成13(行ウ)11 採掘権鉱区区域復元及び採石登録取消等請求事件 </title>
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   <published>2008-12-11T07:33:40Z</published>
   <updated>2008-12-11T07:35:11Z</updated>
   
   <summary>H15. 2.21 秋田地裁 平成13(行ウ)11 採掘権鉱区区域復元及び採石登録取消等請求事件
　主文： １　被告西木村長及び被告秋田県知事に対する本件訴えをいずれも却下する。
２　原告の被告株式会社西宮組及び被告Ａに対する請求をいずれも棄却する。
３　訴訟費用は原告の負担とする。</summary>
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      H15. 2.21 秋田地裁 平成13(行ウ)11 採掘権鉱区区域復元及び採石登録取消等請求事件

　主文
１　被告西木村長及び被告秋田県知事に対する本件訴えをいずれも却下する。
２　原告の被告株式会社西宮組及び被告Ａに対する請求をいずれも棄却する。
３　訴訟費用は原告の負担とする。
　事実及び理由
第１　請求
１　請求の趣旨
（１）　原告と被告西木村長との間で，別紙物件目録記載の土地が，別紙採掘権目録記載の採掘権の鉱区区域内にあることを確認する。
（２）　被告株式会社西宮組及び被告Ａは，原告に対し，別紙物件目録記載の土地から，原告の鉱物を含む採石採取をしてはならない。
（３）　被告株式会社西宮組及び被告Ａは，原告に対し，被告株式会社西宮組が別紙物件目録記載の土地から掘り出した堀土を復元せよ。
（４）　被告秋田県知事が昭和５５年１０月２４日付けで被告株式会社西宮組に対してした採石業者の登録処分を取り消す。
２　被告株式会社西宮組及び被告Ａの答弁
　原告の被告株式会社西宮組及び被告Ａに対する請求をいずれも棄却する。
３　被告西木村長の答弁
（１）　本案前の答弁
　被告西木村長に対する本件訴えを却下する。
（２）　本案の答弁
　原告の被告西木村長に対する請求を棄却する。
４　被告秋田県知事の答弁
（１）　本案前の答弁
　被告秋田県知事に対する本件訴えを却下する。
（２）　本案の答弁
　原告の被告秋田県知事に対する請求を棄却する。
第２　事案の概要
　本件は，他人の土地を鉱区とする採掘権を取得している原告が，被告西木村長との間で，①別紙物件目録記載の土地（以下「本件土地」という。）が上記採掘権の鉱区区域内にあることの確認を求めるとともに，本件土地で採石業を実施している採石業者である被告株式会社西宮組（以下「被告西宮組」という。）及び被告西宮組に本件土地を採石実施の目的で賃貸した本件土地の所有者である被告Ａに対し，②原告の鉱業権の対象となる鉱物を含む岩石を採取することの差止め，及び，③既に採取した堀土を原告の採掘権の鉱区区域内に復元することを求め，採石業者の登録権限を有する被告秋田県知事に対し，④被告秋田県知事が被告西宮組に対してした採石業者の登録処分の取消しを求めた事案である。
１　争いのない事実等
（１）　別紙採掘権目録記載の採掘権（以下「本件採掘権」という。）は，昭和４８年８月１１日付けで鉱業原簿に設定登録され，平成１３年２月２１日付けで，原告が，同月１９日の譲渡契約を原因として前主から取得した旨登録されている。（甲１，２）
　原告は，平成１３年６月１３日付けで，東北経済産業局長から，本件採掘権に基づく事業につき，平成１５年６月２９日まで事業着手の延期の認可を受けている。（甲１４の２）
（２）　被告Ａは，本件採掘権の鉱区区域内に所在する本件土地の所有者である。（争いがない）
　被告西宮組は，採石事業等を目的として設立された株式会社である。（甲８）
（３）　被告西宮組は，被告秋田県知事職務代理者秋田県副知事から，昭和５５年１０月２４日付けで，採石業者の登録を受けた（登録番号・秋田県採石業者登録第２７３号。以下「本件登録処分」という。）。（乙イ１）
（４）　被告Ａは，平成６年８月５日，被告西宮組に対し，本件土地を，山土採取，運搬路及び仮設調整池敷地として使用する目的で，期間を同年９月１日から平成９年８月３０日まで，賃料及び採取料を年額２０万円との約定で賃貸した。その後も同契約は更新され，被告Ａは，平成１２年９月３０日，被告西宮組に対し，土石採取及びこれに関する用途に使用させる目的で，賃料を定め，期間を同年１０月１日から平成１４年１２月３０日までと定め，本件土地を賃貸した。（甲１２，１６，弁論の全趣旨）
（５）　被告西宮組は，平成６年１２月１２日付けで，採取期間を同日から平成９年１０月１４日までとし，岩石採取場の所在地を本件土地とする岩石採取計画について被告秋田県知事の認可を受けた。（乙イ２）
　また，被告西宮組は，平成９年１２月５日付けで，採取期間を同日から平成１２年１１月３０日までとする上記岩石採取場の岩石採取計画について被告秋田県知事の認可を受けた。（乙イ３）
　さらに，被告西宮組は，平成１２年１１月２２日，被告秋田県知事に対し，上記岩石採取場の岩石採取計画を申請したところ，被告秋田県知事は，同月２７日付けで，被告西木村長に対し，同申請につき，採石法３３条の６に基づき意見を求めた。被告西木村長は，同年１２月８日付けで，被告秋田県知事に対し，同申請にかかる区域が森林法上の保安林，地域森林計画区域等に該当するとし，岩石採取により他人の財産に及ぼすと考えられる危害若しくは損害はないとし，岩石採取に伴う災害防止方法等については，「土砂の流出等による災害防止に万全を期すこと。開発関係車両が通行する場合，一般車両を優先通行させ危険防止の対策をとること。地域住民からの苦情等については，速やかに対処すること。」とした上，鉱業権について，特段の意見を付することなく回答した。被告秋田県知事は，同年１２月１８日付けで，被告西宮組に対し，採取期間を同月１９日から平成１４年１２月１８日までとする上記岩石採取場の岩石採取計画を認可した（以下「本件認可処分」という。）。（乙イ４，乙ロ２，３）
（６）　原告と被告西宮組との間で，採石法３４条１項所定の協議は実施されておらず，また，原告又は被告西宮組から経済産業局長に対し，同条２項所定の決定の申請も行われていない。（弁論の全趣旨）
（７）　被告西宮組は，本件土地上において，土砂，岩石の採取を行っている。（弁論の全趣旨）
２　争点及び当事者の主張
（１）　本案前の争点
ア　争点１
　被告西木村長は，本件土地が本件採掘権の鉱区区域内にあることの確認の訴えの当事者能力を有するか。
（ア）　原告の主張
　原告の被告西木村長に対する本件訴えは適法である。
（イ）　被告西木村長の主張
　争う。原告の被告西木村長に対する本件訴えは，市町村に委任されていない鉱業権に関するものであって，不適法な訴えである。
イ　争点２
　被告秋田県知事に対する本件登録処分の取消しを求める訴えは訴訟要件（原告適格，訴えの利益，出訴期間）を備えているか，また，本件認可処分の取消しを求める訴えへの追加的変更は許されるか。
（ア）　原告の主張
　原告の被告秋田県知事に対する上記各訴えは適法である。
（イ）　被告秋田県知事の主張
　争う。
ａ　原告には採石業者登録の取消しを求める直接の利益は認められないから，原告適格を欠く。
ｂ　原告は，採石法３４条に基づき，鉱業権者として採石業者である被告西宮組に対し協議手続を取ることによって，より直接的に，本件土地での原告の利益を確保することができるものであり，さらには，被告西宮組の本件土地での岩石採取計画の認可取消しを求めることによって原告の利益を確保することができ，原告に本件登録処分による利益侵害があるとしても，これに対する他の適切な救済手段が存在するから，本件登録処分の取消しを求める訴えの利益を欠く。
ｃ　被告西宮組の採石業者登録は昭和５５年１０月２４日であるところ，その取消しを求める本件訴えは，登録から２０年以上経過してからされている。取消訴訟は，処分又は裁決の日から１年を経過したときは提起することができないから，被告秋田県知事に対する本件訴えは，出訴期間を徒過したものとして不適法である。
　また，原告は，平成１１年８月，被告西宮組による鉱区内における採石の事実を知ったものであり，出訴期間経過後の提訴を認める正当な理由もない。
（２）　本案の争点（争点３）
　被告Ａが被告西宮組に対して本件土地を採石業を行う目的で賃貸し，採石業を行わせた行為及び被告西宮組が実施した採石行為は違法といえるか。
ア　原告の主張
　そもそも被告西宮組と被告Ａとの間で締結された本件土地の土地賃貸借契約においては，土石採取を目的とする旨規定しているが，岩石の採取を規定したものではないから，被告西宮組には採石権が存しないはずである。
　また，採石業者は，土地の区域と鉱区が重複するときは岩石採取計画申請をする前に鉱業権者の承諾を得なければならない。採石権は物権として排他的性質を有するものであり，他の用益物権と一緒に設定することはできないから，先に設定され登記を経ている他の用益物権のあるところに，後から採石権を設定することはできない。そして，他の用益物権には鉱業権も含まれる。
　原告は，本件採掘権の鉱区において，採掘権者として，登録鉱物及びこれと同種の鉱床中に存する他の鉱物の採掘を行いうるのであるから，被告西宮組と被告Ａとの間で，本件土地につき岩石採石の合意をしているとしても，採石業者は，無断で鉱区を妨害してはならないはずである。また，被告Ａは本件土地の所有者であるが，そもそも土地の所有権が及ぶ範囲は地上のみである。さらに，被告西宮組の採石権は，登記を経ていないのであるから第三者に対抗できるものではない。しかるに，被告西宮組又は被告Ａは，本件土地が本件採掘権の鉱区区域内にあることを知りながら，原告と何らの協議をすることもないまま，本件採掘権の鉱区区域内において，鉱物を含む岩石を採掘し，一部を土に埋め，一部を砕石に混ぜて搬送しているものであって，盗掘というべきものである。
　したがって，原告は本件採掘権の効力として，被告西宮組及び被告Ａに対し，採石行為の差止めと既に採取した土石の原状回復を求める権利を有する。
イ　被告西宮組及び被告Ａの主張
　原告は，鉱区内に採石権を設定することはできない旨主張する。しかし，鉱業権，採石権はともに物権ではあるものの，鉱業権は，「登録を受けた一定の土地の区域（以下「鉱区」という。）において，登録を受けた鉱物及びこれと同種の鉱床中に存する他の鉱物を掘採し，及び取得する権利」（鉱業法５条）であり，採石権は「他人の土地において岩石及び砂利（砂及び玉石を含む）を採取する権利」（採石法４条１項）であるから，同じ物権とはいえず，採石業を行う土地の区域と鉱区が重複することはあり得ることであって，鉱区内にある土地所有者が自己所有地内の採石契約を締結すること自体，何ら違法とはいえない。採石法３４条１項は，「採石業を行う土地の区域と鉱区とが重複するときは」と規定して，重複することがあり得ることを当然の前提として同条２項以下で当事者間の協議もしくは協議ができない場合の手続を定めている。もっとも，同条１項は，「協議することができる」としており，協議は既存の鉱区と重複する地域で採石業を行うための必要条件ではない。さらに，原告は，鉱業法６２条１項により鉱業権の移転の登録のあった日から６か月以内に事業に着手しなければならないところ，同条２項による事業着手延期申請をしており，また，同法６３条２項では採掘権者は事業に着手する前に省令で定める手続により施業案を定め認可を受けなければならないのに，それらの手続をしていないのであって，採石法３４条１項にいう「事業の実施」に関する協議の要否すら現段階では未確定であるから，被告西宮組において同項の協議を経なかったことは，何ら被告西宮組の採石行為が違法であることを根拠づけるものではない。
　また，原告は，鉱業権は物権であり，物権とは物を直接に支配して利益を受ける排他的権利のことをいうから，鉱区内には鉱業者の承諾がない限り採石権は設定できないなどと，被告Ａと被告西宮組との間の契約で採石権の設定はできない旨主張する。しかし，鉱業権は鉱区内の土地において鉱物を排他的に掘採取得することを内容とする権利ではあるが，土地所有者は自己の土地内の土砂・岩石等の採取，処分，そのための土地使用について法令に定める以外，鉱業権者からの制限は受けない。すなわち，土地所有権と鉱業権とは別個独自の権利であり，鉱区内にある土地所有者は鉱業権者の地下の利用につき鉱業法に定める制限を受け，その限りにおいて不作為の義務を負担しあるいは受認の義務を負担するが，土地所有者は，鉱物取得を目的としない限り，自己の土地内においてトンネルを開拓し，または井戸を掘削することができることはいうまでもないのである。したがって，土石採取すなわち土砂・岩石採取を目的とする被告Ａと被告西宮組との土地賃貸借契約により，当事者間において被告西宮組が土地所有者である被告Ａから同人の土地内において同人の所有する土砂・岩石を採取できる合意が成立しており，原告の鉱区内であっても被告西宮組は採石できる権利を有する。原告の鉱業権は土砂や岩石には及ばない。
第３　当裁判所の判断
１　争点１について
　被告西木村長に対する本件訴えは，本件土地が原告の有する本件採掘権の鉱区区域内に存することの確認を求める訴えであり，私法上の財産権の確認を求める民事訴訟というべきである。
　しかしながら，被告西木村長は，地方公共団体の執行機関であって，私法上の権利義務の帰属主体にはなり得ないのであるから，被告西木村長は，民事訴訟である本件訴訟において当事者能力を有しない。
　したがって，被告西木村長に対する本件訴えは，不適法なものといわざるを得ない。
２　争点２について
　上記争いのない事実等に摘示したとおり，本件登録処分は，昭和５５年１０月２４日付けで，被告秋田県知事職務代理者秋田県副知事によって行われており，また，本件登録処分の取消しを求める本件訴えが，平成１３年１２月７日受理されたことは，記録上明らかであるから，本件登録処分の取消しを求める本件訴えは，処分の日から１年間の出訴期間を経過して提起されたものであることが明らかである。
　そこで，出訴期間を徒過したことにつき正当な理由があるかについて検討する。
　上記のとおり，本件訴えは，本件登録処分がされた時から２０年以上経過してから提起されていることに加え，岩石採取計画の認可を受けた採石業者は，当該認可に係る岩石採取場に氏名等通商産業省令で定める事項を記載した標識を掲げることが義務づけられていること（採石法３３条の１５，同法施行規則８条の１９），原告は平成１１年８月に本件土地へ行って被告西宮組による採石行為を発見した旨主張していることを併せ考慮すると，原告は，遅くとも平成１１年８月ころには，被告西宮組が掲示を義務づけられている標識を見るなどして，被告西宮組が登録業者であること，さらには本件登録処分の存在を知り得たものと認められるから，そのころからさらに約２年３か月経過して本件訴えを提起したことについて正当な理由を見出すことはできない。さらに，証拠を精査しても上記正当理由の存在を基礎づける事実を認めるに足りない。
　したがって，本件登録処分の取消しを求める本件訴えは，その余の訴訟要件について判断するまでもなく不適法である。
　なお，原告は，平成１４年７月２４日，本件認可処分の取消しを求める旨記載した同月１９日付け準備書面（冒頭に「県知事に要求と採石認可の方法をいう」との記載があるもの）を提出し，さらに，同月２９日の第２回弁論準備手続期日において，本件登録処分の取消しを求める本件訴えに本件認可処分の取消しを求める訴えを追加する旨の訴えの変更を求める意思を明示したものであるところ，同弁論準備手続期日において，同年８月３０日を期限として訴えの変更にかかる手数料の追貼を命じられたにもかかわらず，その後の口頭弁論終結日に至るまで，手数料となる印紙の追貼をしなかった。したがって，上記訴えの変更は，民事訴訟費用等に関する法律の規定に従った手数料を納付しない不適法なものといわざるを得ないから，上記訴えの変更は許されない。
３　争点３について
　採掘権を含む鉱業権は物権とみなされており（鉱業法１２条），これを妨害する者がある場合には，鉱業権者は，妨害排除請求として，当該妨害行為により生じた損害の回復を求め，また，妨害行為の差止めを求め得るものである。
　そして，上記争いのない事実等に摘示したとおり，本件採掘権の鉱区区域内に所在する本件土地の所有者である被告Ａは，平成１２年９月３０日，被告西宮組に対し，土石採取及びこれに関する用途に使用させる目的で，賃料を定めた上，期間を同年１０月１日から平成１４年１２月３０日までとして，本件土地を賃貸し，被告西宮組は，本件土地において，採石業を実施し，土砂，岩石の採取を行っているところ，本件採掘権の鉱区区域内の岩石に本件採掘権の鉱種が含まれている場合には，被告西宮組による採石行為が原告の本件採掘権の侵害となり得る場合があるといわざるを得ない（なお，原告は，上記土地賃貸借契約の目的として「土石採取」と規定されている点を捉えて，岩石の採取を目的とする旨規定されていないから，同契約が採石権の設定を内容とするものではない旨主張するが，文理上「土石」に岩石を含むと解することは可能であり，また，被告西宮組及び被告Ａの合理的意思解釈としても「土石」と「岩石」とを殊更区別しているとは解されないから，原告の上記主張は理由がない。）。
　他方，被告西宮組の採石行為は，本件土地所有権者である被告Ａとの合意のもとに本件土地を賃借した上，本件土地の所有権が及ぶ本件土地の表土について，採石法上の採石業として行われているものである。
　ところで，採石権は，採石法に基づき土地所有権者との間の契約により設定され，他人の土地において岩石及び砂利を採取する権能を有する権利であって，土地所有権に基づく権利であるから，土地所有権と同様の制限に服するのに対し，鉱業権は，鉱区において，許可を受けた鉱物及びそれと同種類の鉱床に属する他の鉱物を掘採する権能を内容とし，鉱区の所在する土地の所有権又は使用権を有する者に対し，鉱業権の内容たる鉱物の掘採取得を制限するものであり，民法２０６条に規定される「法令ノ制限」に当たるものであるから，所有権の内容をなす権利とはいえない。したがって，鉱業権は，採石権のごとく土地所有権から派生する権利とは別個の権利であって，当然に鉱区区域内の土地の使用収益権限を内容とするものではないから，鉱業権を用益物権とする原告の主張は前提を誤っているものといわざるを得ない。そうすると，鉱業権と採石権とは，権利の得喪につき登記をもってしなければ対抗できない関係には立たないのであって，鉱業権の設定登録がされた土地についても，採石権を設定することは可能であるから，先に鉱業権を設定している土地に採石権を二重に設定することはできないとする原告の主張は採用することができない。
　もっとも，鉱業権の鉱区区域と採石法上の採石業を行う土地の区域が重複している場合には，結果的に，採石行為が鉱物の掘採となることが想定できるから，この場合については，鉱業権と採石権との調整が必要となる。そして，採石法３４条によれば，鉱業権者と採石業者とは互いに協議することができ，協議不能又は協議不調のときは経済産業局長の決定を申請し，その決定を協議に代えるとする旨規定されていることに照らすと，採石行為を鉱業権侵害行為としてその差止めや鉱業権侵害によって生じた損害の回復を常に採石業者に義務づけていると解することは相当でなく，また，鉱物取得を目的としない限り土地所有権者や土地所有権者から採石権の設定を受けた者が常に土地の掘削をすることができると解するのも相当ではなく，上記協議の成立又は上記経済産業局長の決定がないときの鉱業権者の権利と採石業者及び採石業者に土地を賃貸した土地所有権者の権利との調整については，鉱業権者が有する鉱業権の鉱種，品位，事業遂行の実情等と採石の目的，土地利用の実情等を考慮し，鉱業権と採石業の社会的有用性及び公益貢献度を比較し，いずれが優れているかにより決するのが相当であると解される。
　そして，上記争いのない事実等，証拠（甲１１，乙ハ３）及び弁論の全趣旨によれば，原告は平成１３年２月２１日付けで本件採掘権の取得登録を経ているものの，同年６月１３日付けで，事業着手の延期申請をして，平成１５年６月２９日まで延期することの認可を受けており，具体的な事業着手には至っていないこと，他方，被告西宮組は，平成６年１２月１２日以降，継続的に本件土地における岩石採取計画の認可を受けて採石業を営み，本件土地上に採石のためのプラントを設置するなどしていること，本件採掘権の鉱区区域内から採取したと考えられる試料を原告において秋田大学工学資源学部応用地球科学教室へ分析依頼し，その結果，金については，０．４３ｐｐｍ未満の金が含有されている可能性があり，銀については，最大３．５６ｐｐｍの銀が含有されていることが判明したところ，これらの数値は平成１２年４月１日現在の金及び銀の可採粗鉱量を相当下回るものであることが認められ，以上の認定を覆すに足りる証拠はない。これらの事情を総合すれば，本件採掘権は，著しく低品位であり，実際に事業着手にも至っていないのに対し，被告西宮組が行う採石業は，既に実施されているのであるから，かかる事実関係を前提とする限り，現時点における社会的有用性，公益貢献度は被告西宮組が行っている採石業が優れているというべきである。したがって，本件採掘権の効力として被告西宮組が行っている採石行為を理由に鉱業権侵害行為による損害の回復を求め又は今後の採石行為の差止めを求めることはできないというべきである。
　以上のとおりであって，原告の被告西宮組及び被告Ａに対する採石行為の差止め及び採取した土石の回復を求める請求はいずれも理由がない。
第４　結論
　よって，被告西木村長及び被告秋田県知事に対する本件訴えは，いずれも不適法であるから，これらを却下し，原告の被告西宮組及び被告Ａに対する請求は，いずれも理由がないからこれらを棄却し，訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法７条，民事訴訟法６１条を適用して，主文のとおり判決する。
秋田地方裁判所民事第一部
裁判長裁判官　今泉秀和
裁判官　菊池絵理
裁判官　石田寿一
      
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   <title>H15. 2.19 大阪高裁 平成11(行コ)44 損害賠償等請求控訴事件</title>
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   <summary>H15. 2.19 大阪高裁 平成11(行コ)44 損害賠償等請求控訴事件
　主文： １　本件控訴を棄却する。
２　控訴費用は，控訴人の負担とする。</summary>
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      H15. 2.19 大阪高裁 平成11(行コ)44 損害賠償等請求控訴事件（原審・大阪地方裁判所平成６年（行ウ）第７８号）

　主文
１　本件控訴を棄却する。
２　控訴費用は，控訴人の負担とする。
　事実
第１　申立て
１　原判決中，控訴人敗訴部分を取り消す。
２（１）　本案前の答弁
　前記１の取消部分にかかる本件訴えを却下する。
（２）　本案の答弁
　前記１の取消部分にかかる被控訴人らの請求を棄却する。
第２　主張
１　以下のとおり付加，訂正するほか，原判決事実摘示のうちの控訴人に関する部分のとおりであるから，これを引用する。
（１）　原判決８頁９行目及び９頁３行目の各「公共」の次にいずれも「的」を加える。
（２）　原判決８頁９行目の「水利」の次に「権等」を加える。
（３）　原判決２０頁１行目の「請求を棄却する」を「請求に理由がないと認める」に改める。
２　控訴人の当審における主張
（１）　本案前の主張
ア　地方自治法２４２条の２第１項４号の非該当性について
　地方自治法２４２条の２第１項４号（平成１４年法律第４号による改正前のもの。以下，同様）の請求は財務会計上の行為又は事実についてのみ行うことができるものであるところ，岸和田市加守財産区管理者が岸和田市加守財産区協議会に対し取扱要綱等に則り地元交付金を交付した状態は，財産の管理に当たらず，違法な財務会計上の行為又は事実に該当しない。
イ　住民監査請求の前置の違反について
　被控訴人らは，本訴提起後に主張の変更が続き，当初違法としたことが変わってきており，住民監査請求の前置を満たしていない。
（２）　地元交付金の交付の有効性について
　岸和田市加守財産区管理者の岸和田市加守財産区協議会に対する地元交付金の交付は違法ではない。なぜならば，地元交付金の交付には公益上の必要性があり，地元交付金の交付は岸和田市加守財産区管理者の裁量権の範囲内の行為であり，岸和田市加守財産区協議会会長が地元交付金の交付を受けるために提出した公共事業計画書に沿った事業が計画されているからである。
　まして，従前例と同様の手続を踏み，取扱要綱等に沿った経緯の下で交付されているから，重大かつ明白な違法があるということはできない。
（３）　控訴人に対する不当利得の不成立について
ア　法律上の原因の存在について
　控訴人は，α池を管理し，かつ水利権を有しており，水利権補償等の代償を受ける権利がある。そして，その水利権等補償が１０００万円を下回ることはあり得ない。したがって，控訴人が岸和田市加守財産区協議会，加守耕作者組合，加守実行組合及び同水利部を介して，α池の売却代金の一部である地元交付金から１０００万円を受領したことは，法律上の原因のない受益でない。
イ　岸和田市加守財産区の損失の不存在について
　財産区の財産は，当該地区の基本財産としての性格が認められるから，その処分代金の７割は少なくとも地元に交付されるのである。したがって，岸和田市加守財産区には，損失は生じない。
ウ　因果関係の不存在について
　控訴人は，岸和田市加守財産区管理者が岸和田市加守財産区協議会に対し交付した地元交付金を，加守耕作者組合から加守実行組合及び同水利部という第三者を経て，受領したものである。しかも，岸和田市加守財産区協議会，加守耕作者組合及び加守実行組合においては，適法な透明性のある決議がされている。したがって，控訴人の利得と岸和田市加守財産区の損失との間には因果関係がない。
エ　控訴人の悪意又は重過失の不存在について
　金銭が転々としている場合に，最終に金銭を受領した者に不当利得が成立するためには，受領者に悪意又は重大な過失があることが必要となり，善意で受領したときは，その金銭の取得は不当利得にならない。ところで，控訴人は，１０００万円を水利権等補償として受領することについて善意であり，何ら悪意も，重大な過失もない。したがって，不当利得は成立しない。
（４）　相殺について
　控訴人は，岸和田市加守財産区に対し，α池の売却により１０００万円以上の水利権等補償請求権を有する。
　よって，控訴人は，平成１４年１１月１９日の当審における本件口頭弁論期日において，上記水利権等補償請求権をもって，岸和田市加守財産区の控訴人に対する本訴請求債権とその対当額において相殺するとの意思表示をした。
　理由
１　以下のとおり付加するほか，原判決理由説示のうちの控訴人に関する部分のとおりであるから，これを引用する。
（１）　原判決４６頁８行目の「三項」，同頁９行目の「一一項」及び同行の「二九六条の五」の次にいずれも「（平成１１年法律第８７号による改正前のもの）」を加える。
（２）　原判決４７頁９行目の「七」の次に「，９」を加える。
２　控訴人の当審における主張に対する判断
（１）　本案前の主張について
ア　地方自治法２４２条の２第１項４号の該当性の有無について
　前記１で認定したとおり，被控訴人らの控訴人に対する本訴請求は，岸和田市加守財産区管理者が岸和田市加守財産区協議会に対し地元交付金を一括交付した行為が無効であることを前提に，控訴人が岸和田市加守財産区協議会から加守耕作者組合を経由して交付を受けた金員が不当利得金に当たることを理由に，その全部を岸和田市加守財産区に返還するよう求めているものである（被控訴人らが本訴請求をこのように主張していることは明らかであって，被控訴人らの主張をこのように理解することが弁論主義に違反するものではない。）。したがって，被控訴人らの控訴人に対する本訴請求が，地方自治法２４２条の２第１項４号の請求に該当することは明らかである。
　控訴人の主張は，被控訴人らの控訴人に対する本訴請求を正しく理解せずに，これが前記法条に該当しないと主張するものであって，失当である。
イ　住民監査請求の前置の違反の有無について
　前記１で認定したとおり，被控訴人らは，本訴提起前の住民監査請求において，岸和田市加守財産区管理者が岸和田市加守財産区協議会に対し地元交付金を一括交付した行為が違法，不当であり，岸和田市加守財産区管理者が地元交付金を回収した上，改めて妥当な交付を行うことを求めていたものである。この住民監査請求の内容と，前記アで判示した被控訴人らの控訴人に対する本訴請求の内容とを対比すれば，本訴請求が住民監査請求を経ていることは明らかである。
（２）　地元交付金の交付の有効性について
　前記１で認定したとおり，岸和田市加守財産区管理者が岸和田市加守財産区協議会に対し地元交付金を一括交付した行為は，形式的には地方自治法２３２条の２所定の「補助」の体裁が採られているものの，同条所定の「補助」に名を借りた法的根拠に基づかない違法な公金の支出に当たるというべきである。そして，岸和田市加守財産区管理者は，そのような事情を承知した上で地元交付金の交付を行っているから，その違法は重大かつ明白なものであるといわざるを得ない。したがって，岸和田市加守財産区管理者が岸和田市加守財産区協議会に対し地元交付金を一括交付した行為は無効である。
　控訴人は，地元交付金の交付には公益上の必要性があるなどの理由を挙げて，これが違法ではないと主張する。しかしながら，地元交付金の交付は，地方自治法２３２条の２所定の「補助」に名を借りた法的根拠に基づかない違法な公金の支出であるから，同条の「公益上必要がある場合」に当たるか否か，岸和田市加守財産区管理者の裁量権の範囲に含まれるか否かなどについて検討するまでもなく，違法な支出である。仮に地元交付金の交付が同条の「補助」に当たるとしても，地元交付金の交付が同条所定の「公益上必要がある場合」に当たるというためには，地元交付金を交付する相手方及びその使途等が地元交付金を交付するにふさわしいものでなければならない。ところが，岸和田市加守財産区協議会がその目的，権限及び構成に照らして，地元交付金を交付する相手方としてふさわしいというには疑問がある。また，その使途とされる事業内容は，交付当時，具体的に確定していたものではなかった。したがって，地元交付金の交付が「公益上必要がある場合」に当たる，又は岸和田市加守財産区管理者の裁量権の範囲内であるなどと到底認めることはできない。
　また，控訴人は，地元交付金の交付が，従前例と同様の手続を踏み，取扱要綱等に沿った経緯の下で交付されているから，重大かつ明白な違法があるということはできないと主張する。しかしながら，上記の違法の内容及び程度，岸和田市加守財産区管理者が上記の違法を承知の上で地元交付金の交付を行っていたことなどの事情を勘案すれば，控訴人が指摘する事情を考慮しても，上記の違法は重大かつ明白なものであるといわざるを得ない。
（３）　控訴人に対する不当利得の成否について
ア　法律上の原因の存否について
　前記１のとおり，控訴人が地元交付金の中から受領した１０００万円が，水利権の補償としてであると認めることはできない。したがって，仮に控訴人がα池に関し水利権を有しており，その一部の売却によって水利権の補償を受けることができるとしても，これを理由に上記１０００万円の受領を正当化できるものではない。また，仮に控訴人が上記１０００万円を水利権の補償として受領したものであるとしても，後記ウ及びエで判示のとおり，岸和田市加守財産区管理者の岸和田市加守財産区協議会に対する地元交付金２１億６０２０万円の交付が無効であるところ，社会通念上岸和田市加守財産区管理者が岸和田市加守財産区協議会に交付した地元交付金２１億６０２０万円と控訴人が受領した１０００万円との間に連結があり，控訴人には悪意又は重大な過失があるから，控訴人は，岸和田市加守財産区に対し，上記１０００万円について不当利得返還義務を負うものと解するのが相当である。
イ　岸和田市加守財産区の損失の存否について
　岸和田市加守財産区管理者の岸和田市加守財産区協議会に対する地元交付金の交付が無効である以上，岸和田市加守財産区は，地元交付金相当額の損害を被ったと認めるのが相当である。
　控訴人は，岸和田市加守財産区管理者が岸和田市加守財産区の地元に地元交付金相当額を交付しなければならないことから，岸和田市加守財産区に損失はないと主張する。しかしながら，岸和田市加守財産区管理者が岸和田市加守財産区の地元に対し地元交付金相当額を交付しなければならないとしても，岸和田市加守財産区協議会に対し交付しなければならないものではないのであるから，岸和田市加守財産区は，岸和田市加守財産区協議会に対し交付した地元交付金相当額の損失を被ったというべきである。
ウ　因果関係の存否について
　前記１で認定のとおり，控訴人が受領した１０００万円は，岸和田市加守財産区協議会が岸和田市加守財産区管理者から受領した地元交付金２１億６０２０万円のうち加守耕作者組合に交付した１３億６６６６万２１５０円の中から交付されたものであるから，社会通念上岸和田市加守財産区管理者が岸和田市加守財産区協議会に交付した地元交付金２１億６０２０万円と控訴人が受領した１０００万円との間に連結があるというべきである。したがって，岸和田市加守財産区管理者が岸和田市加守財産区協議会に交付したことによって被った損失２１億６０２０万円と控訴人が受領した利得１０００万円との間には，岸和田市加守財産区協議会及び加守耕作者組合等の第三者が介在しているものの，それにもかかわらず，なお，因果関係があると認めることができる。岸和田区加守財産区協議会及び加守耕作者組合等が適法な決議に基づき地元交付金の分配及び交付を行っていることは上記認定の妨げとなるものではない。
エ　控訴人の悪意又は重過失の存否について
　前記１で認定のとおり，控訴人には悪意又は重大な過失があったと認めるのが相当である。
　なお，控訴人は，悪意又は重大な過失はなかったと主張する。しかし，甲第１２号証，第１８号証の１，乙第３６号証の３ないし５，第３８号証の１及び２によれば，控訴人は，平成４年２月２３日開催された加守財産区有財産α池係耕作者総会において議長を務め，岸和田市加守財産区協議会議員（副会長）を務め，α 池係耕作者（加守耕作者組合）結成のための代表世話人を務め，岸和田市加守財産区協議会における加守耕作者組合と各加守町会との間の地元交付金の配分割合を定めるに当たっても，主導的に議論を進めていたことが認められる。これらの事情を勘案すれば，控訴人は，岸和田市加守財産区管理者が岸和田市加守財産区協議会に地元交付金２１億６０２０万円を交付するに至った経緯及び岸和田市加守財産区協議会から加守実行組合を介して控訴人が１０００万円を受領するに至った経緯等を十分に認識していたと考えられるから，控訴人には悪意又は重大な過失があったと認めるのが相当である。
（４）　相殺について
　控訴人が岸和田市加守財産区に対し水利権の補償請求権を有すると認めるに足る証拠はない。
　控訴人がα池について水利権を有するとしても，岸和田市加守財産区管理者はα池の一部を売却したにすぎず，これによって直ちに控訴人に水利権の補償をしなければならないとまで解することはできず，その補償を要することを認めるに足る証拠もない。
　控訴人は，当審において成立した和解において原審相被告らに水利権の補償をが認められているとして，これを根拠に控訴人にも水利権の補償が認められるべきであると主張する。しかしながら，上記和解等において原審相被告らが水利権の補償を認められたか否かは明らかではない上，仮にこれが認められているとしても，原審相被告らとは異なる当事者である控訴人についても当然に水利権の補償が認められると解することはできない。
　なお，付言すると，控訴人は，１０００万円を受領する際に法律上の原因がないことについて悪意又は重大な過失があったのであるから，民法５０９条の趣旨により，相殺をもって対抗することは許されないというべきである。
３　よって，被控訴人らの本訴請求を認容した原判決は相当であるから，本件控訴を棄却することとし，主文のとおり判決する。
大阪高等裁判所第５民事部
裁判長裁判官　太田幸夫
裁判官　川谷道郎
裁判官　牧賢二
      
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   <title>H15. 2.19 岐阜地裁 平成14(行ク)9 被告変更申立事件</title>
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   <published>2008-12-11T07:23:59Z</published>
   <updated>2008-12-11T07:25:08Z</updated>
   
   <summary>H15. 2.19 岐阜地裁 平成14(行ク)9 被告変更申立事件
　主文： 本件申立てを却下する。</summary>
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      H15. 2.19 岐阜地裁 平成14(行ク)9 被告変更申立事件

　主文
本件申立てを却下する。
　理由
１　本件申立ての趣旨及び理由は，原告代理人作成の別紙平成１４年１２月１６日付け「訴えの変更申立書」と題する書面記載のとおりであり，被告とすべき者を誤ったことについて原告に故意または重過失がないことの主張は，原告代理人作成の別紙平成１５年１月１０日付け「被告の変更許可の理由及び事情について」と題する書面記載のとおりである。
２　本案事件の訴えは，原告が，地方自治法（以下，単に「法」という。）上の住民訴訟（法２４２条の２第１項）として，瑞浪市に代位して，瑞浪市長である被告Ａ個人に対し，瑞浪市に違法な公金支出に関する損害の賠償を求める事案である。
　そして，当該職員の損害賠償責任などを追及する住民訴訟を提起する場合，平成１４年法律第４号による改正前の法２４２条の２第１項４号前段では，当該職員個人を被告として，地方公共団体に代位して，地方公共団体に対し損害賠償などをすることを求める住民訴訟を提起すべきものとされていたが，上記改正後の法２４２条の２第１項４号前段及び同改正附則１条及び４条，平成１４年政令第９４号により，改正法が施行される平成１４年９月１日以降に提起される住民訴訟については，当該職員個人を被告とするのではなく，普通地方公共団体の執行機関または職員を被告として，当該職員に対して損害賠償などをすることを求める訴えを提起すべきこととなったのであるから，上記改正法施行後の同年９月２７日に提起された本件訴えは，被告とすべき者を誤っていることになる。
３　原告は，本件訴えは，その提起段階では代理人弁護士を選任しておらず，いわゆる本人訴訟として提起したものであること，上記改正法は当時市販されていた六法全書にも未だ記載がなく，その改正には気付かなかったこと，出訴期間が迫っていたこと等の事情から，被告とすべき者を誤ったことについて故意又は重大な過失がない（行政事件訴訟法１５条１項）として，被告変更の申立てが許されるべきである旨主張するが，上記改正法は平成１４年３月３０日に公布され，その施行期日は上記政令によって同年９月１日と定められたのであり，もとより改正法の法文上，その施行後に提起する住民訴訟については，職員個人ではなく普通地方公共団体の執行機関又は職員を被告とすべきことは明らかであること，本件訴訟代理人の委任状によれば，原告は，本件訴え提起に先立つ同年９月２６日付けで訴訟代理人弁護士に委任したことが認められ，法律専門家の助言を得る機会があったと解されること，これらを原告主張にかかる上記の諸事情と対比して検討してみると，原告には、被告とすべき者を誤ったことにつき重大な過失があるといわざるを得ない。
４　よって，上記被告変更の申立ては許されないから，主文のとおり決定する。
平成１５年２月１９日
岐阜地方裁判所民事第１部
裁判長裁判官　中村直文
裁判官　末永雅之
裁判官　加藤靖
      
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   <title>H15. 2.18 大阪高裁 平成14(行コ)66 道路位置指定廃止等承認申請却下処分取消請求控訴事件</title>
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   <published>2008-12-11T07:18:47Z</published>
   <updated>2008-12-11T07:20:27Z</updated>
   
   <summary>H15. 2.18 大阪高裁 平成14(行コ)66 道路位置指定廃止等承認申請却下処分取消請求控訴事件
　主文： １　本件控訴を棄却する。
２　控訴費用は控訴人の負担とする。</summary>
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      H15. 2.18 大阪高裁 平成14(行コ)66 道路位置指定廃止等承認申請却下処分取消請求控訴事件（原審・大阪地方裁判所平成１３年（行ウ）第７７号）

　主文
１　本件控訴を棄却する。
２　控訴費用は控訴人の負担とする。
　事実及び理由
第１　当事者の求めた裁判
１　控訴人
（１）　原判決を取り消す。
（２）　被控訴人の請求を棄却する。
（３）　訴訟費用は，第１，２審とも被控訴人の負担とする。
２　被控訴人
　主文同旨
第２　事案の概要
１　本件は，その一部が建築基準法４２条１項５号の規定により位置指定道路に認定されている土地及びその余の残部が同法４２条２項の規定により私道認定されている数筆の土地を所有する被控訴人が，同法４５条１項に定める権限を有する特定行政庁である控訴人（寝屋川市長）に対してした道路位置指定の廃止及び私道認定廃止承認の申請につき，上記位置指定道路を前面道路として使用している者の承諾書が添付されていないことを理由にこれを却下した控訴人の処分が違法であると主張して，その取消しを求めている事案である。
２　本件に関連する法令の定め，前提事実（争いのない事実及び証拠から容易に認定できる事実），争点及び争点に対する当事者双方の主張は，後記３のとおり付加するほか，原判決の事実及び理由，第２の１ないし４に記載のとおりであるから，これを引用する（ただし，原判決３頁２３行目から２４行目にかけての「法４条の２」を「本件細則４条の２」に改める。）。
３　控訴人の控訴理由
　原判決の認定には，本件条例及び本件細則の存在意義及びその解釈に誤りがあり，取消しを免れないものである。
（１）　私道の廃止に伴う利害関係人の承諾を求める理由について
ア　私道の廃止等により建物敷地が接道義務を満たさないことにならないとしても，私道の利害関係人は，多くの場合，その私道に接して建築物を建築しているので，私道の廃止等によって，建築基準法上，容積率の適用や道路斜線制限の適用において不利益を受ける場合があるのみならず，日常生活上においても，その私道に存するいわゆるライフラインの使用ができなくなるとか，複数の接道がある敷地であっても，玄関の面している私道が廃止されると，その玄関が使用できなくなるという不利益を受けることが明らかである。このように，私道の廃止等は，土地所有者及び利害関係人にとっても，必ずしも利益処分になるものではないから，その意向に関係なく自己所有の私道を廃止されることは，私権に対する違法・不当な制約であるといえる。
イ　寝屋川市は，位置指定道路（私道）内に公共下水道や水道管といったいわゆるライフラインを埋設するに際しては，その私道所有者の同意を得るのみで，地下地上権，地役権あるいは対抗力のある賃借権を設定することなく，これを行っており，本件私道内の公共下水道及び水道管の埋設も同様である。
ウ　本件私道が廃止され，被控訴人の所有する敷地の一部となると，その利用計画次第で，埋設された公共下水道及び水道管の移設を要求されるおそれがあり，①寝屋川市は，移設先用地の確保や移設費用の捻出を余儀なくされるし，②本件私道の隣接者は，給排水設備の付け替えや建物の出入り口の変更を要することになる。
エ　以上のように，位置指定道路（私道）の廃止等は，行政運営や実生活の上で多大の影響を及ぼすものであるから，これらの問題の発生を未然に防止するため（公共の福祉向上のため），控訴人は，私道の廃止等の申請について利害関係人の同意書・承諾書を徴しているのである。
（２）　建築基準法４５条と同法５２条・５６条との関係について
ア　建築基準法４５条は，接道要件に欠ける場合には，私道の廃止等を制限又は禁止する権限を特定行政庁に与えているが，容積率や道路斜線制限に係る不利益が生じる場合の調整については，何ら規定しておらず，同法４５条（私道の廃止）と同法５２条（容積率）・５６条（道路斜線制限）との関係については，市民生活上，見過ごすことのできない矛盾がある。
イ　そのため，寝屋川市は，前記（１）の行政運営及び利害関係人の実生活上の問題発生を未然に防止するとともに，建築基準法の各条文間の矛盾を解消するために，私道の廃止等の申請について利害関係人の承諾を求めているのである。
ウ　平成１２年４月１日に施行された地方分権一括法で，私道の廃止等に係る手続が自治事務となり，地方公共団体における自己決定・自己責任による行政運営が基本となるべきものとされたことにかんがみれば，控訴人を含む寝屋川市には，公共の福祉の実現に向けた行政運営の遂行のため，上記のような取扱いをする「建築基準法の解釈・運用における裁量権」が認められなければならない。
（３）　私道負担者の私権の制限について
ア　本件の利害関係人（Ａ）の敷地は，接道が２か所（本件位置指定道路と国道１７０号）あり，一方の本件位置指定道路は，その敷地の半分が利害関係人の所有であるが，他方の国道１７０号の側は，高低差３ないし４メートルの崖状地となっており，進入通路を確保しないと接道要件を満たさないものである。
イ　本件位置指定道路が廃止されると，利害関係人は，国道１７０号の管理者である大阪府知事の占用許可を得る必要があるが，将来，国道１７０号が高架にされたり，占用許可が取り消されれば，利害関係人の建築物は違法建築となってしまう。
ウ　このような事態が予想されるから，私道の廃止等に当たっては，接道に関する使用権原の種別（法的安定性）についての配慮・考慮がされるべきであり，したがって，利害関係を有する者との利害調整（利害関係人の承諾）は，市民生活上も，行政運営上も，極めて重要な要件であって，本件取扱いには合理的な理由がある。
エ　原判決は，控訴人を含む寝屋川市に与えられている前記裁量権に基づく「接道の使用権原の種別に係る配慮・考慮」の観点を無視して，建築確認の際の「使用権原に関する建築主事の調査義務不存在」を類推して，本件私道が廃止された後も，「占用許可」に基づく接道が，「ただ単に存在する事実」のみに着目しているにすぎず，不当である。
第３　当裁判所の判断
１　当裁判所も，被控訴人の控訴人に対する本訴請求は理由があり，これを認容すべきものと判断するが，その理由は，次のとおり付加するほか，原判決の事実及び理由，第３の１，２に記載のとおりであるから，これを引用する（ただし，原判決１２頁１３行目の「第２，１（１）」を「第２，１（２）」に改める。）。
２（１）　利害関係人の承諾を求める理由について
ア　控訴人は，前記控訴人の控訴理由（１）のとおり，「私道の廃止等は，土地所有者及び利害関係人にとっても，必ずしも利益処分になるものではないから，その意向に関係なく私道を廃止されることは，私権に対する違法・不当な制約である。」旨主張する。
イ　しかし，そもそも控訴人主張の利害関係人（Ａ）の不利益は，いずれも建築基準法に基づく道路位置指定の処分による反射的な利益を失うというものであって，事実上の不利益にすぎないから，特定行政庁による私道の廃止（道路位置指定の廃止）処分がされたからといって，直ちに私権に対する違法・不当な制約があるものとはいえない。
ウ　また，控訴人主張の寝屋川市の不利益も，単なる事実上の不利益にすぎず，しかも，証拠（甲２，甲４，甲１２）及び弁論の全趣旨によれば，本件各道路が廃止されても，現時点では，下水，上水の取扱い及び周辺への排水については格別の支障があるとは認められないし，電気，ガス等の関係においても，支障がないことが認められるから，行政運営及び利害関係人の実生活上の問題発生を未然に防止するためとはいっても，上記のような事情の下においては，そのことから直ちに憲法２９条２項（同法１２条，１３条）にいう「公共の福祉」に適合するものとは到底認められず，したがって，本件位置指定道路を前面道路として利用している利害関係人（Ａ）の承諾書がないことを理由にして，憲法上保障されている被控訴人の私有財産権に制限を加えること（本件各道路の廃止申請を認めないこと）は，許されないものといわなければならない。
エ　よって，控訴人の控訴理由（１）の主張は，採用するに由ないものである。
（２）　建築基準法４５条と同法５２条・５６条との関係について
ア　控訴人は，前記控訴人の控訴理由（２）のとおり，「建築基準法４５条と同法５２条・５６条との関係については，市民生活上，見過ごすことのできない矛盾があり，そのため，寝屋川市は，上記のような各条文間の矛盾を解消するために，私道の廃止等の申請について利害関係人の承諾を求めており，地方分権一括法の趣旨にかんがみれば，控訴人を含む寝屋川市には，公共の福祉の実現に向けた行政運営の遂行のため，上記のような取扱いをする「建築基準法の解釈・運用における裁量権」が認められなければならない。」旨主張する。
イ　しかし，本件位置指定道路が存在することによる容積率及び道路斜線制限の緩和は，反射的な利益にすぎないものであって，上記各規定の間に矛盾があるとはいえず，地方分権一括法により地方公共団体における自己決定・自己責任による行政運営が基本となるべきものとされたからといって，そのことから直ちに控訴人主張のような裁量権が生ずるものではないから，控訴人の上記主張は失当というほかない。
（３）　私道負担者の私権の制限について
ア　控訴人は，前記控訴人の控訴理由（３）のとおり，「利害関係人（Ａ）の敷地は，接道が２か所（本件位置指定道路と国道１７０号）あるが，国道の側は，高低差３ないし４メートルの崖状地となっており，進入通路を確保しないと接道要件を満たさない。本件位置指定道路が廃止されると，利害関係人は，国道の管理者である大阪府知事の占用許可を得る必要があるが，将来，国道が高架にされたり，占用許可が取り消されれば，利害関係人の建築物は違法建築となる。このような事態が予想されるから，私道の廃止等に当たっては，接道に関する使用権原の種別についての配慮・考慮がされるべきであり，したがって，利害関係人の承諾は，市民生活上も，行政運営上も，極めて重要な要件であって，本件取扱いには合理的な理由がある。」旨主張する。
イ　しかし，Ａの所有する５７４番４の土地が西側で国道１７０号線と接し，本件位置指定道路を除いても，概ね１２メートル以上，公道に接していることは前記のとおりである（前提事実（３）のイ）。そして，証拠（甲１０，甲１２，乙６）及び弁論の全趣旨によれば，利害関係人は，既に昭和５２年２月以降道路占用の許可を得た上，通路橋を設置して上記国道に接道し，現に店舗を構えていることが認められ，その使用状況や周辺の状況等にかんがみると，上記国道が高架にされることになったとしても，必ずしも占用許可が取り消されるものとは限らないし，少なくともそのような計画が具体化し，その内容等が明らかにならない限り，上記占用の許可は更新されるものと推認されるところ，そのような計画があるとの点については何らの主張立証もないから，上記占用許可が取り消される現実的な可能性があるとは倒底認められない。したがって，控訴人の上記主張は，単なる仮定の事実を前提とするものであって，独自の見解に基づくものというほかなく，採用の限りでない。
３　結　論
　以上のとおり，原判決は相当であって，控訴人の本件控訴は理由がないから，これを棄却することとし，主文のとおり判決する。
大阪高等裁判所第１２民事部
裁判長裁判官　大谷種臣
裁判官　佐藤嘉彦
裁判官　端二三彦
      
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   <title>H15. 2.14 徳島地裁 平成12(行ウ)14 裁決取消請求事件</title>
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   <published>2008-12-11T07:09:42Z</published>
   <updated>2008-12-11T07:15:16Z</updated>
   
   <summary>H15. 2.14 徳島地裁 平成12(行ウ)14 裁決取消請求事件
　主文： １　原告の請求をいずれも棄却する。
２　訴訟費用は原告の負担とする。</summary>
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      <name>管理者</name>
      
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      H15. 2.14 徳島地裁 平成12(行ウ)14 裁決取消請求事件

　主文
１　原告の請求をいずれも棄却する。
２　訴訟費用は原告の負担とする。
　事実及び理由
第１　請求
１　主位的請求
　被告が平成１２年８月３１日原告に対してなした昼夜間独居拘禁に付する旨の処分を取り消す。
２　予備的請求
　被告が平成１３年８月３１日原告に対してなした昼夜間独居拘禁の期間を更新する旨の処分を取り消す。
第２　事案の概要
　本件は，受刑中の原告が，被告から昼夜間独居拘禁処分及びその期間を更新する処分を受けたものの，それらは違法である旨を主張して，それらの取消しを求めた事案である。
１　前提事実（証拠等の掲記のない事実は，当事者間に争いがない。）
（１）　原告は，平成１０年９月２５日，京都地方裁判所において，現住建造物等放火未遂，爆発物取締罰則違反等の罪により懲役１２年の判決を受け，平成１２年１月５日，上記刑が確定し，同年３月９日，徳島刑務所に移監されて懲役刑の執行が開始された。
　原告は，徳島刑務所において分類調査を経た後，行刑累進処遇令第４級に処遇され，昼間雑居・夜間独居拘禁に付され，同刑務所第８工場に配役された。
（２）　被告は，徳島刑務所分類審査会（以下「分類審査会」という。）の検討結果に基づき，平成１２年８月３０日，原告を昼夜間独居拘禁処分に付する決定をし，同月３１日，原告にその旨を告知した上，独居房に収容した（以下「本件処分」という。）。
（３）　被告は，分類審査会の検討結果に基づき，平成１３年２月２８日，原告に対する昼夜間独居拘禁処分の期間を更新する処分をし，その後も３か月ごとに更新して（以下，平成１３年８月になされた期間更新処分を「本件更新処分」という。），現在に至っている（弁論の全趣旨）。
２　争点及びこれに対する当事者の主張
（１）　被告の主張
ア　監獄法１５条は，拘禁方法につき独居拘禁を原則としている。これを受けて，刑務所長は，受刑者の刑期，犯歴，性格，刑務所内における行状，他の受刑者との関係，集団生活への適応の可否，施設内の保安状況等を総合的に考慮し，当該受刑者に対するもっとも有効かつ適切な拘禁方法を決定することになるが，これは，行刑に精通するとともに，豊富な経験を有し，当該受刑者の素質，行状等を熟知している刑務所長の専門的かつ技術的な判断に委ねられているというべきである。
イ　原告は，他の受刑者に対し，自己の申立てにより刑務所内の処遇が改善されている旨を吹聴するようになった。そこで，被告は，分類審査会における検討結果をふまえて，原告に対する本件処分を行ったが，その後も行状が改善されなかったため，さらに本件更新処分を行った。なお，原告の健康状態は，昼夜間独居拘禁に十分耐えられるものである。
　よって，被告の本件処分及び本件更新処分は適法である。
（２）　原告の主張
ア　監獄法，同法施行規則及び行刑累進処遇令は，在監者の拘禁形態について，昼間雑居夜間独居拘禁を原則とし，その次に昼夜間雑居拘禁を位置づけ，昼夜間独居拘禁は，刑事施設の安全と秩序維持のため，特に必要のある場合にのみ認められる例外的措置としているものと解される。そうすると，刑務所長が受刑者を昼夜間独居拘禁に付するためには，刑務所施設の安全と秩序維持のため，受刑者を他の受刑者らから隔離する必要のあることが要件となる。
イ　原告は，徳島刑務所へ移監された後，現在に至るまで，何らの規律違反も犯しておらず，他の受刑者らとの間でトラブル等が発生したこともないから，原告を他の受刑者から隔離しなければならない必要性はない。一方，原告は，本件処分及び本件更新処分により長期間にわたって昼夜間独居拘禁を強いられたため，腰痛が増悪するとともに，自律神経失調症と認められる精神障害も発症し，心身が昼夜間独居拘禁に不適当な状況にある。
　そうすると，被告の本件処分は違法であり，仮にそうでないとしても，少なくとも，本件更新処分は違法である。
第３　当裁判所の判断
１　前記第２の１（２）（３）の各事実のほか，証拠（甲２０ないし２３のほか，各項目の末尾に記載したもの）及び弁論の全趣旨によれば，下記の各事実を認定することができる。
（１）　原告は，徳島刑務所入所後まもなくから，処遇の改善を求めたり，徳島刑務所の医療措置や職員の言動に関してたびたび所長面接願せんを提出するなどした上，他の受刑者に対し，自らの所長面接願せん等により，徳島刑務所における在監者の処遇の見直しがされたなどと喧伝することがあった。原告は，そのほかにも，刑務所職員を数回にわたって，特別公務員職権濫用罪で告訴したが，いずれも不受理や不起訴処分で終わった（乙１２）。
（２）　分類審査会は，平成１２年８月３０日，原告を集団処遇することは困難として，原告を昼夜間独居拘禁に付すべきものと判断し，被告も，この検討結果に基づき，本件処分を行った。
（３）　原告は，本件処分に付された翌日の同年９月１日以降，昼夜間独居拘禁処分に付されたために精神的に不安定な状態になり，パニック症候群を生じた，持病の腰痛が悪化したなどとたびたび訴え，外部での自費治療を受けることを求めた。原告は，同年１２月２７日までの間，前後十数回にわたり，徳島刑務所医務課長（以下「医務課長」という。）や徳島大学附属病院精神科助教授（以下「徳大病院助教授」という。）の診察を受けたが，口内炎や湿疹の症状が認められたものの，そのほかに健康上の特段の異常はなく，徳大病院助教授によって，原告にパニック障害はなく，精神障害や神経症は認められない旨の診断がされ，湿疹に対する軟膏のほかに，原告の不安状態を緩和するために抗不安薬が投与された。なお，徳島刑務所では，原告を含む第１舎収容受刑者に係る医務受付を，水曜日及び金曜日の週２回実施している。
　一方，原告は，上記の間，１回当たり２７分間の戸外運動の際には，腕立て伏せ約１５０回，柔軟運動，背筋約７０回，スクワット約３０回を行うなどしていた。
　原告は，上記の間も，徳島地方検察庁あてに，刑務所職員を数回にわたって，特別公務員職権濫用罪で告訴したほか，徳島刑務所の係官に対し，処遇改善を求める旨の願せんを提出したり，自らの願い出により在監者の処遇内容が変更されたなどと誇示することがあった（乙１ないし３，５，８，１８）。
（４）　被告は，平成１３年２月２８日，原告の集団処遇は困難である反面，心身に故障があるとは認められないとして，分類審査会の意見に基づき，昼夜間独居拘禁処分の期間を更新することとした。
（５）　原告は，主として腰痛を訴えて，平成１３年２月２８日，同年３月９日，同年４月２５日及び同年５月２８日，医務課長らの診察を受けた。その結果，原告は，視力や下肢等の運動能力には異常が認められない旨の診断を受け，腰痛緩和のための湿布薬を処方された。
　一方，原告は，戸外運動のたびに，上記（３）のような運動を続けていた。
　また，原告は，徳島刑務所の係官に対し，処遇改善を求める旨の願せんを提出したり，自らの願い出により在監者の処遇内容が変更されたなどと誇示することがあった（乙２，３，６，９）。
（６）　被告は，平成１３年５月２３日，分類審査会の意見に基づき，原告に対する昼夜間独居拘禁処分の期間を更新することとした。
（７）　原告が徳島弁護士会に対して人権救済の申立てをしたところ，同弁護士会は，平成１３年７月２４日ころ，被告に対し，原告を昼夜間独居拘禁から雑居拘禁に速やかに移監するよう勧告した（甲１９）。
（８）　原告は，精神障害があると言って精神科医のカウンセリングを受けさせるように求め，平成１３年８月１日，医務課長の診察を受けたところ，過呼吸症候群の可能性が高く，精神科医の診察の必要性はないと診断された。原告は，同月２７日，徳大病院助教授の診察を受けたところ，パニック障害は認められず，精神障害ではなく，集団処遇は不適である旨の診断を受けた。
　一方，原告は，戸外運動のたびに，上記（３）のような運動を続けていた。
　また，原告は，徳島刑務所の係官に対し，処遇改善を求めて被告との面接交渉を要求したり，独居拘禁は奴隷的拘束に当たると抗議したりした（乙２，４，７，１０，１１，１３，１４）。
（９）　被告は，平成１３年８月３０日，分類審査会の意見に基づき，原告に対する本件更新処分を行うこととした。
（１０）　原告は，平成１３年１１月ころから平成１４年１月ころまでの間，定期的に戸外運動を行ったが，その内容はおおむね上記（３）と同様のものであり，腰痛や心拍数増加といった体調不良を訴えたり，途中で運動の中止を申し出ることなどはなかった。また，原告は，支給される日々の食事を残すことなく摂取していたばかりか，副食の量を減らされたと苦情を申し立て，これを願旨とする所長面接願いを提出することがたびたびあった（乙１５，１６，２０）。
（１１）　原告は，現在は，独居房で，あぐらをかいた状態で手作業をしている。また，原告は，週に２ないし３回くらい，１回当たり２７分間の戸外運動をしており，それを中止したことはない。
２　上記１の事実関係をふまえた上で，本件処分及び本件更新処分の違法性について検討する。
（１）　監獄法１５条は，在監者は，心身の状況により不適当と認められるものを除くほか，これを独居拘禁（昼夜間独居拘禁）に付することができると定める。他方，行刑累進処遇令２９条本文は，第４級及び第３級の受刑者は原則として雑居拘禁に付することと定め，同令３０条本文は，同令の適用を受ける受刑者については雑居拘禁が原則であり，また，第２級以上の受刑者については，夜間独居を原則とすると定める。これら法令の規定や，昼夜間独居拘禁は本来社会的存在である人間としての生活のあり方とはかけ離れた不自然な生活を強いるものであり，その継続は受刑者の心身に有害な影響をもたらすおそれがあることをふまえると，受刑者の処遇は，昼間雑居夜間独居を望ましい形態と予定しているものと解することができる。
　しかし，この昼夜間独居拘禁に付するか否かの判断は，監獄法施行規則４７条が「戒護上隔離の必要なもの」と規定していることなどに照らすと，行刑の専門的かつ技術的事項に属し，もっとも事情に精通している刑務所長の裁量に委ねられていると解するのが相当である。また，監獄法施行規則２７条は，昼夜間独居拘禁処分の期間は，特に継続の必要がある場合には３か月ごとにこれを更新することができるとするが，上記に説示したところによれば，その更新の必要性の判断もまた刑務所長の裁量に属するものと解するのが相当である。
　したがって，昼夜間独居拘禁処分及びその更新処分については，当該刑務所長の裁量的判断が，合理的な根拠を欠き，著しく妥当性を欠く場合に限り，裁量権の範囲を逸脱ないし濫用したものとして，違法と評価されることになる。
（２）　これを本件についてみると，上記１に認定した各事実によれば，原告は，本件処分の前から，処遇改善のためなどとして所長面接願せんを提出し，刑務所側が対応策をとるとそれがあたかも自らの手柄であるかのように喧伝する一方，自らの意のままにならないと，徳島刑務所の係官に対し，法的根拠を明らかにするよう要求したり，訴訟の提起をほのめかしたり，あるいは職権濫用と主張して刑務所職員の刑事告訴を繰り返すなど，他の受刑者と比較してもかなり特異な行動傾向を示しており，そのような傾向は，本件更新処分時においても継続していたことが認められる。これらを前提とすると，原告を雑居拘禁に付した場合には，長期受刑者を収容する徳島刑務所において，原告の上記のような行動傾向が他の受刑者に悪影響を及ぼすおそれがあることは否定できず，施設内の規律及び秩序の維持，ひいては集団処遇にも支障が生ずることが十分に予想される。そうすると，本件処分及び本件更新処分時において，行刑上，原告を昼夜間独居拘禁に付する必要性があったことは否定できず，被告の本件処分及び本件更新処分について，合理的な根拠を欠くとか，著しく妥当性を欠くなどとみることはできない。
　次に，上記１に認定した各事実によれば，原告は，本件処分後も，平成１３年８月ころ，過呼吸症候群と診断されたほかには，特段の身体の不調があるとかパニック障害その他の精神障害が生じているなどとは診断されていない一方，徳島刑務所に入所して以来，戸外運動の際には欠かさず屈伸運動等を積極的に行い，その際には身体の不調を訴えることもなく，毎日の食事もすべて摂取していることが認められる。これらを前提とすると，原告には，昼夜間独居拘禁に耐えられないほどの心身の故障があるとは認められない。この点，原告は，腰痛の増悪や自律神経失調症の発症の原因が，昼夜間独居拘禁にある旨を主張する。しかし，原告のこれらの症状については，徳島刑務所においてその都度適切に対処していることが認められ，その他上記認定の諸事情に照らせば，原告のこれらの症状を考慮しても，なお，刑務所内における規律維持のために原告を昼夜間独居拘禁に付する必要性が否定できないとの上記結論は，左右されるものではない。
　そうすると，被告の本件処分及び本件更新処分に違法はない。
第４　結語
　よって，原告の本件主位的請求及び予備的請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとし，訴訟費用の負担について，行政事件訴訟法７条，民事訴訟法６１条を適用して，主文のとおり判決する。
徳島地方裁判所第２民事部
裁判長裁判官　村岡泰行
裁判官　石垣陽介
裁判官　千賀卓郎
      
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   <title>H15. 2.14 大阪地裁 平成12(行ウ)102等 法人税更正処分取消等請求事件 </title>
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   <published>2008-12-11T07:03:43Z</published>
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   <summary>H15. 2.14 大阪地裁 平成12(行ウ)102等 法人税更正処分取消等請求事件
　主文： １　被告大阪国税局長が原告に対して平成１１年２月１０日付けでなした平成９年１０月１日から平成１０年９月３０日までの課税期間の消費税及び地方消費税に係る還付金等による委託納付の取消しを求める訴えを却下する。
２　原告のその余の請求を棄却する。</summary>
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      H15. 2.14 大阪地裁 平成12(行ウ)102等 法人税更正処分取消等請求事件

　主文
１　被告大阪国税局長が原告に対して平成１１年２月１０日付けでなした平成９年１０月１日から平成１０年９月３０日までの課税期間の消費税及び地方消費税に係る還付金等による委託納付の取消しを求める訴えを却下する。
２　原告のその余の請求を棄却する。
３　訴訟費用は原告の負担とする。
　事実及び理由
第１　請求
１　被告大淀税務署長が原告に対して平成１０年９月３０日付けでなした平成６年１０月１日から平成７年９月３０日までの事業年度の法人税の更正，並びに平成７年１０月１日から平成８年９月３０日までの事業年度及び平成８年１０月１日から平成９年９月３０日までの事業年度の法人税の各更正及び過少申告加算税の各賦課決定を取り消す。
２　被告大阪国税局長が原告に対して平成１１年１月１３日付けでなした平成９年１０月１日から平成１０年９月３０日までの事業年度の法人税に係る還付金の充当を取り消す。
３　被告大阪国税局長が原告に対して平成１１年２月１０日付けでなした平成９年１０月１日から平成１０年９月３０日までの課税期間の消費税及び地方消費税に係る還付金等による委託納付を取り消す。
第２　事案の概要
　本件は，原告が，①被告大淀税務署長に対し，同被告が平成１０年９月３０日付けでなした原告の平成６年１０月１日から平成７年９月３０日までの事業年度（以下「平成７年９月期」という。）の法人税の更正，並びに平成７年１０月１日から平成８年９月３０日までの事業年度（以下「平成８年９月期」という。）及び平成８年１０月１日から平成９年９月３０日までの事業年度（以下「平成９年９月期」という。）の法人税の各更正及び過少申告加算税の各賦課決定の取消しを求め（以下，原告が取消しを求める３つの更正を「本件各更正」，２つの過少申告加算税の賦課決定を「本件各賦課決定」という。），②被告大阪国税局長に対し，同被告が上記平成８年９月期の更正を前提として平成１１年１月１３日付けでなした平成９年１０月１日から平成１０年９月３０日までの事業年度（以下「平成１０年９月期」という。）の法人税に係る還付金の充当処分（以下「本件充当」という。）及び同被告が平成１１年２月１０日付けでなした平成９年１０月１日から平成１０年９月３０日までの課税期間の消費税及び地方消費税に係る還付金等による委託納付（以下「本件委託納付」という。）の取消しを求める事案である。
　本件各更正は，原告が租税特別措置法（以下「措置法」という。）６４条の２の収用等に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例（以下「本件特例」という。）の適用を前提として確定申告したものを被告大淀税務署長が同適用を否定するなどして行ったものである。
１　関連法規の定め
（１）圧縮記帳制度
ア　圧縮記帳の制度について
　本件特例は，補助金等の特定の収益をもって固定資産を取得しまたは改良した場合に，その資産に，実際の取得価額よりもその収益の額に相当する金額（またはその範囲内の金額）だけ減額した低い帳簿価額をつけ，この減額した金額を損金に算入し，さしあたり当該収益を課税の対象から除外し，一方，固定資産の減価償却の基礎となる取得価額が現実の取得価額から上記損金算入額を差し引いた金額となり，また，それが譲渡された場合の譲渡益の計算上控除される取得価額も，圧縮された金額を基礎とすることから，国が後に税収を回復することになる，課税の繰延べを目的としたいわゆる圧縮記帳の一例である。
イ　収用等に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例（本件特例）
（ア）収用等により譲渡した資産について補償金等を取得して譲渡益がある場合には，その譲渡益に相当する金額については，代替資産を取得してその取得価額を圧縮記帳して課税の特例を受けることができる（措置法６４条）が，収用等のあった日を含む事業年度において代替資産を取得しなかった場合には，その事業年度においては，圧縮記帳をすることはできない。
（イ）しかし，措置法第６４条の２第１項は「当該法人が，収用等のあった日を含む事業年度の翌事業年度開始の日から収用等のあった日以後２年を経過する日までの期間（当該収用等に係る事業の全部又は一部が完了しないこと，工場等の建設に要する期間が通常２年を超えることその他のやむを得ない事情があるため，当該期間内に代替資産を取得することが困難である場合で政令で定める場合には，当該代替資産については，当該翌事業年度開始の日から政令で定める日までの期間。以下この条において「指定期間」という。）内に補償金，対価又は清算金の額（中略）の全部又は一部に相当する金額をもって代替資産を取得する見込であり，かつ，当該収用等のあった日を含む事業年度の確定した決算（中略）において当該補償金，対価又は清算金の額を代替資産の取得に充てようとするものの額に差益割合を乗じて計算した金額を特別勘定として経理したときは，その経理した金額に相当する金額は当該事業年度の所得の金額の計算上，損金の額に算入する」と規定し，法人がその対価補償金の全部又は一部をもって，収用等のあった事業年度の翌事業年度開始の日以後一定の期間（指定期間）内に当該収用等された資産の代替資産を取得する見込みである場合には，その収用等のあった日を含む事業年度において代替資産を取得しているにもかかわらず圧縮記帳をしなかったときを除き，その譲渡益に相当する金額を特別勘定として繰り延べ，代替資産を取得した際に圧縮記帳をさせることとしている（本件特例ただし，平成１３年法律第７号による改正前のもの。以下特にことわらない場合，措置法６４条の２の規定は同改正前の規定を指す。なお，措置法６４条の特例と本件特例を併せて「収用等特例」という。）。
（ウ）上記のとおり，本件特例は，原則として収用等があった日以後２年以内において取得されたものに限られるが，措置法６４条の２第１項かっこ書の代替資産の取得時期の特例（延長）が認められる場合は，措置法施行令３９条１１項（ただし，平成１２年政令３０７号による改正前のもの。以下同じ。現行措置法施行令３９条１５項）において定められており，収用事業が完了しない場合（同項１号）及び譲渡資産が内水面漁業権である場合（同項２号）のほか，同項３号は「収用等のあったことに伴い，工場，事務所その他の建物，構築物又は機械及び装置（以下この号において「工場等」という。）の建設又は移転を要することとなった場合において，当該工場等の敷地の用に供するための宅地の造成並びに当該工場等の建設及び移転に要する期間が通常２年を超えるため，当該収用等のあった日以後２年を経過する日までに当該工場又は当該工場等の敷地の用に供する土地その他の当該工場等に係る資産を代替資産として取得することが困難であり，かつ，当該収用等のあった日から３年を経過する日までに当該資産を取得することが確実であると認められるとき。」と規定し，その場合は，当該資産を取得することができることとなると認められる日まで指定期間が延長されることになる。
　なお，収用等があった日において現に建設，製造又は製作中であるもの又は同日以前に取得したものは，原則的には代替資産に該当しない。しかしながら，資産について収用等をされるような場合には，当該資産を収用する者があらかじめ当該資産を公共の用に供することについて，土地収用法１６条の規定による事業の認定等の手続があること等から，このような事業認定があったこと等により，当該譲渡資産が客観的に収用等をされることが確実であると認められる場合には，その確実となった日以後に取得した資産は，収用等をされる前に取得されたものであっても一定の要件の下に代替資産として措置法６４条の適用を受けることができると取り扱われる（昭和５０年２月１４日付直法２－２措置法関係通達（以下「措置法通達」という。）６４（３）－６）。
（エ）ところで，特別勘定に経理した金額は，代替資産を取得した場合に取り崩す（措置法６４条の２第３項）ほか，指定期間を経過する日において，特別勘定残額を有している場合には，特別勘定残額を取り崩して，指定期間を経過する日を含む事業年度の益金の額に算入しなければならない（措置法６４条の２第４項）。
（オ）添付書類
　本件特例を適用する手続要件として，措置法６４条の２第５項により準用される同法６４条４項（ただし，平成１１年法律第１６０号による改正前のもの。以下同じ。）の規定により，当該確定申告書等に，①その損金の額に算入される明細書，②その他大蔵省令で定める書類の添付が必要とされており，同大蔵省令である同法施行規則２２条の３第５項（平成１０年大蔵省令第４８号による改正前のもの。現行措置法施行規則２２条の２第６項。以下同じ。）は，その書類として，（イ）同法施行規則２２条の３第４項に定める書類，（ロ）やむを得ない事情の詳細，当該代替資産の取得予定年月日及びその取得価額の見積額その他の明細を記載した書類（以下「やむを得ない事情の詳細等を記載した書面」という。）を定めている。
（カ）なお，圧縮記帳を利用しない場合，５０００万円の特別控除を受けることもできる（措置法６５条の２）。
ウ　類似制度（買換特例）
　措置法６５条の７及び６５条の８は，特定の資産の買換の場合の特例として圧縮記帳の適用を規定しており（以下「買換特例」という。），同法６５条の８が本件特例と同様，特定資産の譲渡に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例を定める。
　措置法６５条の８の特例を適用するには，原則として当該譲渡をした日を含む事業年度の翌事業年度開始の日から同日以後１年を経過する日までの期間に取得することとなるが，同条１項かっこ書は「（前条第３項に規定する政令で定めるやむを得ない事情があるため，当該期間内に当該各号の下欄に掲げる資産の取得をすることが困難である場合において，政令で定めるところにより納税地の所轄税務署長の承認を受けたときは，当該資産の取得をすることができるものとして，同日後２年以内において当該税務署長が認定した日までの期間。以下この条において「取得指定期間」という。）」と規定し，期間を延長することができる場合を定めている。
　そして上記の政令である措置法施行令３９条の７第２５項（ただし，平成７年政令第１５８号による改正前のもの。現行措置法施行令３９条の７第２０項。以下同じ。）は，やむを得ない事情がある場合として「工場，事務所その他の建物，構築物又は機械及び装置（以下この項において「工場等」という。）の敷地の用に供するための宅地の造成並びに当該工場等の建設及び移転に要する期間が通常１年を超えると認められる事情その他これに準ずる事情がある場合」と規定している。
　さらに，措置法通達６５の７（４）－４（平成１４年課法２－１「五十四」による改正前のもの。現行措置法通達６５の７（４）－２。以下同じ。）は，措置法施行令３９条の７第２５項に定める「その他これに準ずる事情がある場合」には，①法令の規制等によりその取得に関する計画の変更を余儀なくされたこと，②売主その他の関係者との交渉が長引き，容易にその取得ができないこと，③上記①又は②に準ずる特別な事情があるためやむを得ずその取得が遅延する場合が含まれるものとしている。
エ　震災特例法
　阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律（以下「震災特例法」という。）２５条２項は，阪神・淡路大震災に基因するやむを得ない事情により，本件特例及び措置法６５条の８の特例に規定する代替資産を指定期間内（その末日が平成７年１月１７日から同年１２月３１日までの間にあるものに限る。）に取得することが困難になった場合，指定期間を経過した日以後２年以内に代替資産を取得する見込みであり，かつ，所轄税務署長の承認を受けた場合に，延長することができるとされている。この税務署長の承認申請書は，指定期間の末日までに税務署長に提出することとされている（震災特例法施行規則１３条３項）。
（２）損金の額に算入しない負債利子等
　措置法６２条の２（新規取得土地等に係る負債の利子の課税の特例，ただし平成１０年法律第２３号による廃止前のもの。以下「旧６２条の２」という。）第１項は，法人が所得税法等の一部を改正する法律（昭和６３年法律第１０９号）の施行の日の翌日（昭和６３年１２月３１日。以下「基準日」という。）以後に終了する各事業年度終了の時において「新規取得土地等」を有する場合において，当該事業年度に当該新規取得土地等に係る負債利子損金不算入期間（当該新規取得土地等の取得をした日から４年を経過する日までの期間（同条３項２号参照））が含まれているときは，当該事業年度の負債利子の額のうち，新規取得土地等の基準取得価額に一定率（６パーセント又は平均利子率）を乗じた金額と，各新規取得土地等ごとに当該負債利子の額に事業年度末において有する新規取得土地等の基準取得価額の合計額のうちに占める新規取得土地等の基準取得価額の割合を乗じた金額に，さらに当期の月数のうちに占める負債利子損金不算入期間の月数の割合を乗じた金額の合計額（措置法旧６２条の２第１項の１号に掲げる金額と２号に掲げる金額）のいずれか少ない金額に相当する金額の合計額は，当該事業年度の所得の金額の計算上，損金の額に算入しない旨規定している（以下「新規取得土地等に係る負債利子の課税の特例」という。）。
　なお，新規取得土地等に係る負債利子の課税の特例における，新規取得土地等の基準取得価額の計算を行う場合において，当該新規取得土地等が法人税法又は措置法の規定による圧縮記帳の適用を受けたものであるときは，その圧縮記帳後の金額に基づいてその計算を行うものとされている（平成１０年１２月２２日付け課法２－１７による廃止前の昭和５０年２月１４日付け直法２－２措置法関係通達（以下「旧措置法通達」という。）６２の２（４）－７）。
２　前提事実（争いのない事実及び証拠により容易に認定できる事実）
（１）原告
　原告は，昭和３２年に設立された株式会社であり，従前肌着製造業を営んでいたが，肌着製造業を関連会社であるバンビー貿易株式会社に移管した後，現在は不動産賃貸業及び美術品販売業を営んでいる（甲３２）。
（２）課税の経緯
ア　大阪市住宅供給公社は，特定市街地住宅整備事業（α地区）の施行に伴い，平成５年６月１５日に，原告の所有する大阪市β４番４の土地及び同地上の建物（以下まとめて「本件収用物件」という。）の買取りを申し込み，同年１１月３０日に本件収用物件を買い取った（以下「本件収用等」という。）。
イ　原告は，本件収用物件の代替資産として，大阪市γ２４番１０ほかの土地（以下「γ土地」という。）及び建物（以下「γ建物」という。），大阪市δ１４番１２の土地（以下「δ土地」という。）及び建物（以下「δ建物」という。）を別紙１「代替取得資産の明細」のとおり取得し，それぞれ措置法６４条又は措置法６４条の２の規定（収用等特例）を適用して別紙２「原告の経理及び被告の更正処分の内訳」のとおり経理をした。
　そして，原告は平成７年９月期，平成８年９月期及び平成９年９月期（以下，これらを併せて「本件各事業年度」という。）の法人税について，青色の確定申告書に別紙３「処分等の経緯一覧表」の原告・本件確定申告（期限内）欄のとおり記載して，いずれも法定申告期限までに申告した。
　なお，本件特例の適用につき措置法６４条の２第５項，６４条４項で要求される添付書類のうち，損金の額に算入される明細書及び同法施行規則２２条の３第４項に定める書類（収用証明書に代わる買取証明書）は，平成５年１０月１日から平成６年９月３０日までの事業年度（以下「平成６年９月期」という。）の確定申告書に添付されているが，同じく同法施行規則２２条の３第５項により要求されるやむを得ない事情の詳細等を記載した書面（なお，当該文書の表題は，「特定の資産の買換えの場合における特別勘定の設定期間延長承認申請書」及び「嘆願書」となっている。）は，平成８年１２月２日に被告大淀税務署長宛てで郵便局に投函された（甲２３，２８，弁論の全趣旨）。したがって，本件においてやむを得ない事情の詳細等を記載した書面は，国税通則法（以下「通則法」という。）２２条により平成８年１２月２日に提出されたものとみなされるところ，平成８年１１月３０日，同年１２月１日が土曜日，日曜日に当たるため，通則法１０条２項により平成８年９月期の申告期限内に提出されたものとなる。
ウ　被告大淀税務署長は，同申告に対し，①γ土地及びδ土地は，措置法旧６２条の２に規定する新規取得土地等に該当するため，これらの土地に係る負債利子を損金算入できないこと，②本件収用等のあった日（平成５年１１月３０日）を含む事業年度の翌事業年度開始の日から本件収用等のあった日以後２年を経過する日（平成７年１１月２９日）までの期間を経過した後の代替資産の取得については，本件特例の適用はできないとして，別紙２「原告の経理及び被告の更正処分の内訳」及び別紙３「処分等の経緯一覧表」のとおり，原告の本件各事業年度の所得の金額，納付すべき税額及び翌期へ繰り越すべき欠損金額を計算して本件各更正及び各賦課決定（以下，これらの処分を併せて「本件更正等」という。）をした。
　なお，本件更正等においては，別紙１のうち，平成５年７月２７日に取得したγ２４番１０，１４番１５，２５番６の土地の取得費用，平成６年１０月７日に取得したδ１４番１２の土地の取得費用及び同年１１月１０日に支出された同土地上の建物解体費用について収用等特例が適用され，それ以外については収用等特例は適用されていない。
エ　原告は，これらの処分を不服として，平成１０年１１月１８日に被告大淀税務署長に対し異議申立をしたところ，被告大淀税務署長は平成１１年２月２３日付でいずれも棄却の異議決定をした。
　さらに原告は前記処分及び異議決定を不服とし，平成１１年３月１７日に国税不服審判所長に対し審査請求をしたところ，同所長は平成１２年６月１５日付で審査請求を棄却する裁決をなした。
　同裁決書謄本は，同年６月２１日ころ原告に送達された。
　なお，処分の概要は別紙３「処分等の経緯一覧表」のとおりである。
（３）徴収の経緯
ア　被告大阪国税局長は，被告大淀税務署長から，同税務署長が原告に対し平成１０年９月３０日付けで行った平成８年９月期及び平成９年９月期の各更正及び本件各賦課決定により確定した納付すべき本税の額及び過少申告加算税の額について，平成１０年１１月３０日に，徴収の引継ぎを受けた。
　次いで，被告大阪国税局長は，被告大淀税務署長から，原告の平成９年１０月１日から平成１０年９月３０日までの事業年度（以下「平成１０年９月期」という。）の法人税の確定申告に係る還付金（以下「本件法人税還付金」という。）について平成１０年１２月１８日に，原告の平成９年１０月１日から平成１０年９月３０日までの課税期間の消費税及び地方消費税の確定申告に係る還付金（以下「本件消費税等還付金」という。）について平成１０年１２月２５日に，それぞれ還付の引継ぎを受けた。
イ　被告大阪国税局長は，平成１１年１月１３日付けで，通則法５７条の規定に基づき，本件法人税還付金を本件更正等により確定した平成８年９月期の法人税に充当した（本件充当）。次いで，同被告は，原告に対し，同年２月１０日付けで，地方税法附則９条の１０（譲渡割に係る充当等の特例）に基づき，原告が，被告大阪国税局長に対し，本件消費税等還付金により当該平成８年９月期の法人税を納付することを委託したものとみなされる（本件委託納付）旨の通知をした。
ウ　原告は，本件充当を不服として平成１１年３月１０日に，次いで，本件委託納付を不服として同年４月７日に，国税不服審判所長にそれぞれ審査請求をしたが，平成１２年６月１５日付けで各審査請求に対し棄却及び却下の裁決がされた。
　同裁決書謄本は，平成１２年６月２１日ころ原告に送達された。
３　争点及び当事者の主張
３の１　本案前の争点
（被告大阪国税局長の主張）
　本件委託納付は，地方税法附則９条の１０第２項所定の要件を充足することにより，法律上当然に，原告が被告大阪国税局長に納付を委託したものとみなされるものであって，被告大阪国税局長が原告に対し，何らかの行政処分をしたものではない。
３の２　本案の争点
　本件における本案の主たる争点は，γ土地の取得に関する一部分（借家人立退料及び私道補填部分），γ建物及びδ 建物の取得につき，措置法６４条の２第１項かっこ書により指定期間が延長され本件特例の適用があるか否かであり，具他的には①措置法６４条の２第１項かっこ書の「やむを得ない事情」の存否（なお，同項かっこ書の「工場等の建設に要する期間が通常２年をこえること」の該当性も問題となるが，便宜「やむを得ない事情」の存否として論ずる。），②やむを得ない事情の詳細等を記載した書面の提出時期，③代替資産の取得時期が争点となり，これらの争点に関する当事者の主張は以下のとおりである。
３の２の１　措置法６４条の２第１項かっこ書「やむを得ない事情」の存否
（原告の主張）
（１）「やむを得ない事情」
ア　措置法第６４条の２第１項かっこ書に定める「やむを得ない事情」については，収用等により公共の利益のために資産を譲渡することを余儀なくされた法人に対する救済という立法趣旨に鑑み，収用等のあった日から２年を経過する日までに代替資産を取得することができない客観的事情を広く含むものと弾力的に解すべきである。
イ　買換特例との比較
（ア）措置法通達６５の７（４）－４は，措置法第６５条の８第１項かっこ書の取得指定期間の認定を行う場合（特定の資産の買換えの場合における特別勘定の設定期間延長承認の場合）に関してではあるが，「やむを得ない事情」として前記１（１）ウのとおり，①法令の規制等によりその取得に関する計画の変更を余儀なくされたこと，②売主その他の関係者との交渉が長引き，容易にその取得ができないこと，③上記①又は② に準ずる特別な事情があることを規定している。
　そして，措置法第６４条の２第１項と同法第６５条の８第１項は制度趣旨は異なるものの，特定資産の買換えであれ，収用等に伴う取得であれ，措置法が代替資産の取得期間を例外的に延長する制度を設けている趣旨は，当事者の責めによらない事情により代替資産を原則の期間内に取得できない場合にまで売却益に課税するのは納税者にとって酷な結果を招くという点にあり，このような趣旨については何ら異なるところはなく，条文上も「やむを得ない事情」の規定の仕方は同様であり，むしろ，買換えの場合と収用等の場合を比較すると，納税者の不利益は自己の都合とは全く無関係に所有資産を取り上げられる収用等の場合の方がはるかに大きいのであり，かかる納税者につき，特定資産の買換えの場合には認められる「やむを得ない事情」が認められないとするのは不合理であるから，前記通達６５の７（４）－４の趣旨は，措置法６４条の２第１項の解釈にあたっても，十分に考慮されるべきである。
（イ）昭和４４年の税制改正において，買換特例については，国の土地政策または国土政策に合致すると認められる買換えについてのみ制度を存続させる内容の抜本的改正が行われたが，収用等特例については，もともと収用等自体が公共事業の一環として行われるものである上，国民の財産を強制的に剥奪する性格のものであることから，買換特例との間に差異を設けるべきことが指摘され，いわゆる２分の１課税の特例が廃止されたに止まり，買換特例のような抜本的な制度の縮小がなされたわけではない。
　このように，収用等特例においては，代替資産の取得を比較的ゆるやかに認め，他方で，買換特例については，土地価格の高騰を招くなどの弊害が指摘されたことに鑑み，これを抜本的に縮小し，代替資産の取得に様々な制限を課するところとなった。
　なお，従来，収用等特例と買換特例は，いずれも代替資産の取得時期が原則として１年であったところ，収用等特例についてはこれを２年に延長する制度改正が行われて，取得期間の延長が図られ，収用等により強制的に財産権を剥奪される国民をより厚く保護している。
（ウ）しかるに，被告らの主張を前提とすると，売主との交渉が長引き容易に代替資産の取得ができないなどの事情がある場合，収用等特例においては，原則期間である２年以内に代替資産を取得しなければならないのに，特定資産の買換特例においては，最長で４年近い取得期間が認められることとなり不合理な結果を生じる。
　特に被告主張のように限定的に解すると，地震などの災害によって期間内に建物の取得が不可能な場合に，買換えに伴う場合には救済される可能性があるにもかかわらず，収用等の場合には救済されないという，極めて不合理な結果を招くことになる。なお，阪神大震災の場合には，震災特例法が定められているが，阪神大震災以外にも震災，風水害，津波，火災など様々な災害により代替資産の取得が遅れることは十分にあり得るのであり，震災特例法が特に阪神大震災につき期間延長制度を新設した趣旨は，阪神大震災が未曾有の大災害であり，被災者の範囲も広範囲にわたり，被害の程度も深刻であることに鑑み，措置法の取得期間をさらに延長することを目的としたものであって，措置法６４条の２第１項の適用を排除するものではない。
（エ）被告らは，特定資産の買換特例の方が「やむを得ない事情」が発生する余地が多いとも主張するが，納税者の側が自己の都合により資産を売却し，当該売却代金をもって他の資産を取得する場合には，具体的に取得すべき代替資産をあらかじめ確保した上で資産を売却することが可能であるのに対し，収用等特例の場合には，そのような納税者側の都合とは無関係な第三者の都合により資産を強制的に買収されるのであるから，納税者側に代替資産を取得する余裕が無いことが多く，「やむを得ない事情」が生じる余地は，収用等特例の方が高いことは明らかである。
　しかも，買換特例については，適用対象を限定しようというのが昭和４４年の税制改正の基本的趣旨であったはずであり，そのために逆に買換特例の適用対象を広げるというのは改正の趣旨とも矛盾する。したがって，昭和４４年の税制改正の際に「これに準ずる事情」が措置法施行令に付加されたのは，もともと改正前の特定資産の買換特例における「政令で定めるやむを得ない事情」には，建設工事自体に１年以上を要する場合以外にこれに準ずる事情も当然に予定されていたものを法文上明確にしたに過ぎないと解釈すべきである。
　そして，通達は，それ自体が法令となるものではなく，特定の資産の買換えの場合に存在する通達が収用等の場合に存在しないという理由だけで，収用等の場合について法令が「やむを得ない事情」の内容を特に限定的に定めていると解釈することは到底できないし，収用等の場合について通達が存在しない理由も，現実の利用件数が特定資産の買換えの方が圧倒的に多く，大量迅速に課税事務を処理する関係上，法令の解釈運用の基準を定めておく必要性が特に大きかったことから，特に特定資産の買換えの場合においてかかる通達が出されたに過ぎず，収用等の場合においては，特に異なる扱いをすべきとの趣旨とは考えられない。
　さらに，措置法通達６５の７（４）－４は，もともとは，代替資産の工事計画，設備投資計画について国民生活安定緊急措置法に基づく工事延期等の指示を受けている場合を「やむを得ない事情」がある場合として取り扱う旨の趣旨であったものが昭和５５年に現行の措置法通達６５の７（４）－４に改正されたものであり，改正前の措置法通達６５の７（４）－４には「これに準ずる事情」との文言はない。そして，上記通達が改正された際の国税庁の解説（国税速報）においても，「やむを得ない事情」と「これに準ずる事情」を厳密に区別して論じているものはないのであって，一方には「これに準ずる事情」との文言があり，他方にはないというだけの理由で取得期間延長の要件を別異に解するのは，あまりに形式に過ぎるといわざるを得ない。
（２）あてはめ
　本件では，原告において措置法第６４条の２第１項かっこ書の「やむを得ない事情」に該当する事情として以下のような事情があった。
ア　γの物件の取得について
（ア）γの物件については，平成５年７月２７日に前所有者有限会社西洋インベストメント（以下「西洋インベストメント」という。）から宅地８４．８２平方メートル（大阪市γ２４番１０，２４番１５，２５番６）を建設予定地として取得し，同社から同年８月末までに建物を解体して明け渡す旨の約束を取り付けていたため，同年９月１０日には建築確認申請を行い，同年９月２８日には確認申請が受理された（甲７の１，２３の２）。したがって，順調に進めば収用等から２年以内（平成７年１１月２９日まで）に建設工事が完了する予定であったところ，同年１０月になって西洋インベストメントから借家人Ｐ１等が立退料を要求して明渡しに応じないことから建物の解体と物件の引渡しができなくなったとの連絡を受けた。
　原告は，借家人に対して訴訟を提起したが紛争は解決せず，平成８年１月２３日にようやく借家人との和解が成立し，明渡しを受けることができた（甲９，甲２３の２）。この時点で既に収用の日から２年を経過する日を過ぎていたものであるから，収用の日から２年以内に代替資産を取得することは客観的に不可能であった。
　しかし，この時点では，売主側で何とか引渡しができるよう借家人と交渉し，それまでの間，別の土地を無償で提供するとのことであった。
　そこで，平成５年１０月３１日，原告は，西洋インベストメントとの間で土地一時賃貸借契約を締結するとともに，同年１１月本件土地建物から退去した。
　一方，借家人との紛争は裁判に発展し，平成８年１月２３日，γ土地建物の明渡しについて借家人との和解が成立し，同年２月末にようやくγ土地建物の引渡しを受けることができた。しかし，この際の立退料の一部である１６０万円は原告が負担する形となった。
　また，平成８年９月２日，原告は，γ土地の隣地である大阪市γ２４番１６，２５番７の土地（私道補填部分）を金２００万円で購入した。これは，γ建物の建設にあたり，改めて現地を測量したところ，私道のために敷地面積が不足し，当初予定していた建物が建設できないことが分かったため，隣地を追加取得したものである。
　そして，原告は，平成８年１１月１３日，有限会社江口工務店との間でγ建物についての工事請負契約を締結し，その後，約４か月間の工事を経て平成９年３月２０日にγ建物（大阪市γ２４番１０，２４番１５，２４番１６，２５番６，２５番７所在。家屋番号２４番１０）が完成した。
　原告は，この工事期間中及び建物完成後に別紙１記載のとおり建築請負代金を支払った。
（イ）このように原告の側としては，建設工事に必要な手続を遅滞なく進めていたのであり，何らの落ち度もなかったところ売主側の債務不履行により引渡しが遅延し，結果的に建設工事の着工が遅れることとなったのである。
　上記の事情は，前記通達６５の７（４）－４記載の「②売主その他の関係者との交渉が長引き，容易にその取得ができないこと」に該当するものであるから，措置法第６４条の２第１項かっこ書に定める「やむを得ない事情」に該当する。
イ　δの物件の取得について
（ア）δの物件については，原告の代表取締役一族の所有する土地が変形な土地であったため，隣地である δ１４番１２の土地（δ土地）を買い取ってビルを建設すべく買取交渉をすすめていたが，同土地については土地の名義がＰ２（故人），同土地上の建物の名義はＰ２の妻であるＰ３（故人）とＰ２とＰ３の子であるＰ４の共有となっており，現実の交渉の相手は相続人であるＰ４であったが，Ｐ４の妻がＰ３の養女になっていてＰ４と妻の折り合いが悪かったことから相続をめぐって夫婦間の話合いがつかず，相続登記もできない状態で買取交渉は難航することとなった（甲３３，３４，原告代表者）。
　さらに，δ土地の隣地である１４番１３所在の建物がδ土地に食い込んで建てられていたため，境界確認にも手間取り，結局，買取が成功するまでに１年近い歳月を要し，ようやく平成６年１０月７日，宅地４６．９７平方メートル（δ１４番１２）を建設用地として取得することとなった（甲１４，２３の２，原告代表者）。
（イ）その後，原告は平成６年１２月に株式会社藤木工務店（以下「藤木工務店」という。）に建設工事の依頼に赴いた。当初の予定では平成７年初めには設計に着手できる見込みであったが，建物の規模を考えれば基本設計から建築確認申請を経て着工し，工事完成までに至る期間は通常１年数か月程度はかかるものであり，建設工事を急ぐ必要があった。
　ところが，平成７年１月１７日に阪神大震災が発生し，関西圏の建設会社はいずれも震災の事後処理に追われることとなった。震災による建設業界への影響は極めて大きく，これは藤木工務店の主観的，個別的事情というものではなく建設業界一般にもたらされた客観的事情と評価すべきものであった（甲２６，３５）。
　その後，平成７年５月１６日から同年７月１日までＰ５が入院したため，さらに藤木工務店との協議が遅れ，同年１０月中旬に基本設計，同年１２月に実施設計が開始されたが，設計作業が終了し大阪市にδ建物の建築確認申請が提出されたのは平成８年２月２１日のことであった。
　そして，原告は，平成８年４月９日，正式に藤木工務店との間で工事請負契約を締結し，その後，約１１か月間の工事を経て平成９年２月２８日にδ建物（大阪市δ１４番１０，１４番１１，１４番１２，１４番１７，１４番１８所在。家屋番号１４番１０）が完成した。
　原告は，この工事期間中及び建物完成後に別紙１のとおり建築請負代金を支払った。
（ウ）このように，平成７年１１月２９日までに本件δ建物の建設工事を完了することは客観的に無理であり，収用等のあった日から２年以内に代替資産を取得できなかった主要な原因は前記土地の買取交渉の遅延とそれに引き続く阪神大震災にある。阪神大震災による建設工事の遅延は原告だけでなく，阪神地区において建設工事を予定していた法人共通の事情であり，原告の責めに帰すべきものではないから措置法第６４条の２第１項かっこ書の「やむを得ない事情」に該当する。
（３）代替資産の特定について
　特別勘定を設定する際の明細書には，代替資産の詳細を記載する欄はないことからすると，ここに言う「特定」の意味は，納税者側において具体的に取得の予定ないし計画があるという程度の意味に解釈すべきである。そして，原告においては，特別勘定を設定する時点で，すでにγの土地については先行取得しており，同土地上に建設する建物の計画も具体化していたし，δの土地，建物についても具体的な取得計画があったから，代替資産としては特定されていたものであり，特別勘定を設定することに何ら問題はない。
　この点，被告は，当該代替資産の取得予定日，取得価額が分からなければ，本来なら特別勘定の設定自体ができないはずであるとも主張するが，特別勘定の設定の段階で代替資産に関する売買契約や請負契約などが締結されていることはまれであり，この段階で代替資産の取得予定日，取得価額が最終的に決定している必要があるなどというのは納税者側に不可能を強いるものである。特別勘定を設定する段階では，当事者はおおよその取得予定価額をもとに設定しておき，その後，売主や工事請負業者との交渉を重ねながら最終的な取得価額が決定されていくというのが通常の流れであり，代替資産の取得価額が当初予定した特別勘定の金額に達しないことが判明した場合には，その段階で特別勘定を取り崩して益金計上すれば良いのであるから，被告の主張は全く理由がない
（被告らの主張）
（１）「やむを得ない事情」
ア　本件特例は，収用等により代替資産を取得する場合に課税を軽減しなければ代替資産を取得しようという企業等を圧迫するため，一定の場合にこれを優遇すべき要請により規定されたものである。他方で，代替資産取得を促進し過ぎると宅地価格の高騰を招き，国民経済上の悪影響が著しいため，収用等の場合の課税軽減措置を縮減することとしたため，買換特例の場合と差を生じることとなった経緯があり，結局，要件の解釈にあたっても，この経緯を踏まえた上でなされなければならない。そうすると，措置法によって規定される本件特例は，本来であれば法人税法により課税されるべき代替資産取得の際の莫大な譲渡益を例外的に一律繰延べてこれを軽減しようとする優遇措置であるところ，上記土地政策の見地から諸利益調整の上，例外要件を設定しているものであるから，その要件に該当しない場合は，原則である法人税法に基づき課税されるべきであり，その要件を拡大解釈して適用することは許されないというべきである。
イ　措置法施行令３９条１１項３号は，やむを得ない事情が認められる要件として，①工場等建設移転所要期間の２年超過・取得不可能性の要件，及び②３年までに取得確実の要件を規定するが，条文の「工場」「土地の造成」という例示及び「通常」２年を超えるとの文言及び規定の仕方に照らせば，「やむを得ない事情」とは，代替資産をもっぱら２年以内に取得することを困難ならしめる当該代替資産そのものに係る物理的，技術的障害を指しているというべきである。
（２）収用等特例と買換特例の差異
　原告は，買換特例との対比でより緩やかに解すべきであると主張するが以下のとおり失当である。
ア　改正の経緯にみる差異
　そもそも本件特例における「やむを得ない事情」が認められる要件は，買換特例における先行取得が認められる場合の要件と同一であったものを，昭和４４年税制改正において，買換特例だけに「その他これに準ずる事情のある場合」が付け加えられたものである。
　そして，このような差異が生ずることとなった理由は，税制調査会の答申において，別個の政策目的・方針が打ち出されたことによるのであり，本件特例においては，特例的軽減の縮減合理化が行われ，一方，買換特例においては，その適用範囲を土地政策又は国土政策に合致するものに限り適用することとし，合致する場合には，「その他これに準ずる事情のある場合」にも代替資産の取得を認めることとしたものである。
イ　本質的差異
（ア）買換特例の方が適用対象が限定されること
　収用等特例は，代替資産を取得することが条件となっているが，仮に取得し得ないとしても，５０００万円の所得の特別控除が認められている（措置法６５条の２）のに対し，買換特例は，代替資産を取得しなければ，軽減措置の適用はないこと，収用等特例の代替資産は，原則的には収用等された資産と同種の資産を取得することとなっているが，そうでなくても単に事業用資産であれば認められるところ（措置法施行令３９条４項），買換特例は，代替資産の取得地域が限定されることなど，買換特例の方は収用等特例と異なり，上記国土政策に合致したものに適用が限定される仕組みとなっている。
（イ）買換特例の方が政策推進上手厚い保護を要すること
　そのため，買換特例の方が，本件特例よりも「やむを得ない事情」の発生する余地が多く考えられることから，税法上国土政策を推進する必要性を考慮すると，取得期間に関しては，買換特例の方がより手厚い規定を設ける必要性が高いとも考えられる。
（ウ）したがって，原告の指摘する措置法通達６５の７（４）－４は，買換特例の「その他これに準ずる事情のある場合」の具体的内容について明らかにしたものであるから，買換特例の適用に当たっては，売主等との交渉が長びき容易にその取得ができないような「その他これに準ずる事情のある場合」も該当することとなるが，本件特例には，条文上「その他これに準ずる事情のある場合」の規定はないのであり，すなわち，本件特例の指定期間の延長は，代替資産である工場等の建設が通常２年を超え，３年以内に取得することが確実な場合にのみ，その適用があるといえるのである。
（エ）本件特例と買換特例を比較すると，代替資産を取得する原則期間（本件特例２年，買換特例１年）や代替資産の種類（本件特例は事業用資産であればよい，買換特例は制限あり）等においては，本件特例の方が緩やかな取扱いになっているといえるが，指定期間の延長においては，買換特例の方が緩やかな取扱いになっているといえる。これは，原告の主張のように，一概に本件特例の方が緩やかな取扱いとなっているものではなく，それぞれの政策的配慮により規定されているものであって，本件特例と買換特例を比較して，買換特例の自己に有利な部分を抜き出し，本件特例にも適用があるとの主張は失当である。
（３）本件への当てはめ
ア　γの物件の取得について
（ア）γ建物は，登記簿の記載によれば，鉄骨造，スレート葺３階建の事務所であって，工場やこれに類する施設ではなく，また，建築工事期間は，工事請負契約書によれば約４か月とされており，その他，代替資産を２年以内に取得できない物理的，技術的障害は存在せず，①の要件を満たすものは到底認められず，取得日を見ても，平成９年３月２１日に完成しており，３年を経過する日までに取得していないことから，上記②の要件も現実に満たしておらず，結果，取得期間の延長は認められない。
（イ）原告の主張に対する反論
　借家人立退交渉という事情は物理的技術的障害に当たらないのは明らかである。
　また，原告自身γ建物の取得は平成９年３月２０日であると認識していたものであり，借家人の存在を事前に調査しなかったことや，西洋インベストメントに対して長期にわたり交渉を任せきりにしていたことなども個人の落ち度に過ぎず，到底「やむを得ない事情」に該当すると言うことはできない。
　結局，γ建物の取得の遅れについても，原告側において，取得期限を念頭に置かずに取得及び交渉に入ったことが主たる原因であり，「やむを得ない」事情は見あたらないというほかはない。
（ウ）結論
　以上により，γ土地の平成５年７月２７日に取得した部分については，２年以内の取得であるので，収用等特例を適用して圧縮損の計上は認められるが，借家人への立退料の支払は平成８年２月２８日であり，私道補填部分の取得費用の支払は平成８年９月２日であるため２年以内の取得とは認められず，よって，本件特例の適用はなく圧縮損の計上は認められない。γ建物については，２年以内の取得はなく，本件特例の適用対象外であり，圧縮損の計上は認められない。
イ　δの物件の取得について
（ア）δ土地については，平成６年９月２９日に売買契約，同年１０月７日に代金が支払われ，旧建物解体費用は同年１１月１０日に支出されたものであるから，被告大淀税務署長はいずれについても特例措置の適用を認めている。
　δ建物は，登記簿の記載によれば，鉄筋コンクリート造，陸屋根，地下１階付きの８階建て，居宅，事務所及び車庫の共同住宅であって，工場やこれに類する施設ではなく，建築工事期間は，工事請負契約書（甲１９）によれば約１１か月とされており，そのほか，代替資産を２年以内に取得できない物理的，技術的障害は存在せず，①の要件を充たすものとは到底認められない。
　そして，δ建物は，平成９年２月２８日に完成しており，３年を経過する日までに取得していないし，その予定でもなかったことから，②の要件も充たしておらず，結果，取得期間の延長は認められない。また，延長自体が認められたとしても，３年を経過しており，結局その部分の特別勘定の設定自体認められない。
（イ）原告の主張に対する反論
ａ　原告は，隣接地買取りがその所有者の相続問題で難航した事情等をあげ，措置法通達６５の７（４）－４に該当するから，本件特例のやむを得ない事情に該当すると主張する。
　しかし，原告代表者の本人尋問によれば，δ土地の取得に当たっては，相続問題のために土地の権利者が確定しておらず，取得期限内に取得できるかどうか不明な状況であったが，δ土地に隣接する土地が原告代表者の親族の所有する土地であり，これらの土地上にδ建物を建設して原告から同親族に対して地代を支払うために同土地に固執したという事情があったもので，そもそも取得期限が全く念頭に無かったこと，そのため，原告において土地取得交渉と建物建築計画を平行して進める等の工夫は何一つ為されず，建築請負会社に対し取得期限が存在することを全く説明しないまま，建築計画が諸々の事情で遅れたというに帰するものであり，「やむを得ない」とは到底いえないものである。
　措置法通達６５の７（４）－４は，措置法６５条の８の特定資産の買換えの場合の圧縮記帳の制度の要件に関して規定されたものであるところ，同法は，特定資産を譲渡した日を含む事業年度の翌事業年度開始の日から１年以内に代替資産を取得することが困難な場合に，当該譲渡をした翌事業年度開始の日から２月以内に税務署長への申請，承認を受けた場合，さらに最高２年間の延長ができるものである。したがって，特定資産の買換えの場合の圧縮記帳の制度と本件特例の制度とは，その制度の仕組みも，立法目的も異なるものであるから，本件において，措置法通達６５の７（４）－４の適用はできない。
ｂ　阪神大震災の影響に関する主張
（ａ）本件において原告は，阪神大震災の影響でδ建物の建設業者である藤木工務店が工事に着工するのが遅れたことに原因がある旨主張するが，当初の予定よりどの程度工事が遅れたのか等の具体的な説明がなく，阪神・淡路大震災に基因するやむを得ない事情の存在の有無を確認することはできない。
　しかしながら，阪神大震災の影響に関しては，本当に影響があれば震災特